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William McDonough

IT産業ならではのダイナミズムと可能性

私はサステナブルデザインをライフワークとし、提言や啓蒙にも力を入れてきました。今日では、多くの人や企業がサステナビリティに関心を寄せてくれています。しかし、関心があっても行動が伴わなければ意味がありません。その点、私はIT産業がこのコンセプトを具現化し、伝道師になってくれるものと期待しています。というのも、IT産業は多くの人の日常レベルのコミュニケーションに直接関わっているからです。

特にソニーが果たせる役割は大きいでしょう。ハードウェア、ネットワーク、ソフトウェア・コンテンツまで手中に収めていることは、技術的にも文化的にもサステナビリティ運動のリーダーシップをとるうえで強力なアドバンテージです。「ランチテーブルを囲む数人のうち、一人がグリーンのボタンを押し、郵便ボックスに製品を投げ入れる」。これを映画のワンシーンにして、ネットワークで配信したら面白いと思いませんか?

そのためには、まず「製品にストーリーを語らせる」ことが早道です。どんなに忙しい人でも、手にした製品にグリーンボタンがあれば「これは何だろう」、「押すと何が起きるのだろう」と考えるに違いありません。そこで、製品の返却へのシナリオを案内するのです。ソニーは直接ユーザーに語りかけることができるのですよ。それも、簡単で迅速に。

メーカーとユーザーの新しい関係を目指して

William McDonough

私は、メーカーとユーザーがサステナビリティというテーマで協力すべき時期が来ていると思います。メーカーはサステナブルな製品づくりやサービスでユーザーに奉仕し、ユーザーはそれに報いる。そして、その関係がずっと持続していく。メーカーとユーザーのこの素晴らしい驚くべき関係は、今までになかったものです。

その関係の根底にあるのは、「愛着」です。ユーザーには「ソニーが好きだ」と実感できる製品があるでしょう。私のポケットにいつもサイバーショットが入っていて、私の子どもが"プレイステーション"に夢中であるように。一方、ソニーの社員にも「ユーザーに愛用してもらいたい」という製品がありますよね?製品づくりでの愛着、製品使用での愛着。さらに、不要になった製品をメーカーに返送し、生まれ変わらせることへの愛着。これがメーカーとユーザーの文化的なつながりであり、『Cradle to CradleSM』コンセプトの基本メッセージなのです。

ソニーの製品は、利用する楽しさをユーザーに語りかけてくれます。それなら、楽しんだ後のこと、つまり、その製品をどうすればよいかをもっと語ってくれてもよいのではないでしょうか?グリーンボタンのアイデアは極端な例だとしても、そのような製品づくりやサービスを私は期待しています。

※Cradle to CradleSM はMBDC,LLCのサービスマークです。

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