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Feature Design Bloggie Touch MHS-TS20K
[ 2011.3.29 up ]

開梱から使いこなしまでの、新しいストーリー

北米で話題のMP4カメラ、“Bloggie Touch”。上質な質感と、縦/横両方の動画撮影が可能で、右左どちらの手で持っても使えるユニバーサルなデザインが人気を集めています。日米のデザイナーたちの意欲と情熱を込め、単なるモノを超えた楽しさや感動の、新しいストーリーのはじまりです。

有江 勇
有江 勇
Sony Electronics
デザインセンター
バイスプレジデント
及川 友人
及川 友人
ソニー(株)
クリエイティブセンター
シニアデザイナー
赤川 聰
赤川 聰
Sony Electronics
デザインセンター
シニアデザイナー
畑 雅之
畑 雅之
ソニークリエイティブワークス(株)
プロデューサー/シニアデザイナー
鈴木 有子
鈴木 有子
ソニー(株)
クリエイティブセンター
シニアプロデューサー

国境も領域も超えたデザインプロセス

有江:北米では手頃な価格で使いやすいMP4カメラが大変な人気です。ソニーはカムコーダー市場でトップのシェアを持ち、ステータスもあります。しかし、MP4カメラは、まだまだこれからという状況。事業部も、「もっとマーケットの価値観にマッチしたプロダクトが必要なのではないか」という問題意識を持っていました。それが高じて、事業部のトップから私たちへ、直々にコンセプトメイキングが依頼されることになったのです。

私たちがデザインすべきは、「箱を開け、撮影し、動画共有サービスにアップロードするまでのストーリー」。そのためには、ユーザーの価値観や使用シーンの、より深い理解が必要でした。マーケットのニーズに合った商品を開発すべく、プランニングやリサーチに有利な北米と、エンジニアとのコミュニケーションがとりやすい日本の両クリエイティブセンターが協力し、ミッションに取り組むことになりました。

リサーチの結果から当初のメインターゲットであるティーンエージャー以外にも、実際には、若い母親や、高齢者といった幅広い層にも普及してきていることが分かりました。そんな人々が求めるのは、散歩や家事、子育ての片手間に、それこそ「無意識にでも使える」手軽さ、分かりやすさです。

新しいユーザーのニーズにあった価値観を創造するため、通常のデザイン開発プロセスとは異なるアプローチが必要でした。そこで私たちは、プロダクトの使い勝手、ウェブサービスへのアップロードの仕組み、さらにはパッケージや取扱説明書に至るまで、デザイナーたちが横断的に議論し、方向性を決めるという、同時進行型でフレキシブルなデザインプロセスをとることにしました。

ユニバーサルデザインが実現する、撮影の自由

及川:今回のプロジェクトの命題は「ハードウェア、ソフトウェア、サービスの統合された価値観」、「プロダクトの使われ方を含めた全体的なストーリー」を構築することでした。シンプルでわかりやすい操作を実現するため、画面サイズや操作ボタン等の仕様決定からデザイナーが参加し、初期コンセプト提案時に見た目のデザインだけでなく、パッケージを開けてからウェブへのアップロードをするまでの一連の作法を事業部のトップに直接提案することで、実際の商品化まで、ブレがなく一貫した商品コンセプトを貫くことができました。

仕様の決定に際し、私たちが重視したのは、「いかに簡単で自由な撮影を実現化するか」ということです。プロダクトを見ていただければわかると思いますが、ハードウェアボタンは、電源ボタン、動画撮影ボタン、静止画撮影ボタンの3つしかありません。「簡単で、わかりやすく」を追求していった結果であり、基本的な撮影なら、電源と撮影ボタンの2つのボタンだけで操作が可能です。

このボタンの少なさが「簡単さ」だけでなく、使い勝手の「自由さ」にも結びついています。今回のプロダクトは、「縦位置での動画撮影」が可能なことに加え、「右左どちらの手でも撮影が可能」なのです。右手に何かを持ったまま、左手でポケットからカメラを取り出し撮影できます。筐体の縦向き・横向きを感知するセンサーを搭載しているため、どんな姿勢で撮影しても、映像は自動的に正位置に回転表示・再生されます。カメラのユニバーサルデザインを徹底的に追求した一例です。

本体は毎日でも気軽に持ち歩けるよう、ポケットに余裕で収まるコンパクトさ。自社製CMOSセンサーの高画質を楽しめる、3.0型の大画面液晶。低価格なカテゴリーにも関わらず、必要にして十分な仕様を実現しています。

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