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Feature Design Blu-ray Disc Recorder:BDZ-V9
Feature Design Blu-ray Disc Recorder:BDZ-V9
大田 潔氏

デザインが、エンジニアの気持ちを動かす

大田:ディテールにも気を配りました。たとえば電源やトレイの開閉ボタンのイルミネーションです。シアター用に暗めに調光されたリビングなどでも基本的な操作ボタンの位置はひと目でわかった方がよいのですが、かといって決して「これ見よがし」の光らせ方にはしたくありませんでした。シアターのように照明を落とした部屋で、雰囲気を盛り上げるような光。しかも、ユーザーを快適な操作感へと導く光。そんな思いを込め、ボタンは天面のアルミ端面にスリット状に埋め込み、その奥から白色LEDがほのかに漏れ光るようデザインしました。

しかし、デザインというのは、いくら図面で示しても、それだけでは所詮「絵に描いた餅」にすぎません。そこで今回は、設計チームとイメージを共有するため、先行してモックアップをつくりました。すると、みんなの見る目がまるで違ってくる。設計者たちも前のめりになる。実際、今回のモデルは、最初につくったモックアップとまったく同じといっていい仕上がりになっています。

ここに至るまでは、一つひとつのハードルに「パーツコストが問題ならば効率よく作るための策を見直す」「こんな加工会社を見つけたが、協力を取り付けられないか」と、私も解決方法を探し、提案する連続でした。手に入れてから時が経って、ある日突然、デザイナーの思いやこだわりに気が付き、また新鮮な気持ちを抱いてもらえたら、私はうれしい。だから、できればAVラックには収めないで毎日眺めていてほしいですね。このモデルで楽しむ、ハイビジョン映像と同じくらいに(笑)。

中村:モックアップとプロダクトのデザインが一致するというのは、デザイナーのスキルによって初めて実現されるものです。構成やパーツの「何を」「どうすれば」そのデザインが実現できるのか、デザイナーが考え、設計チームとディベートできないといけませんから。自分のデザインへの思い入れは大事ですが、独りよがりじゃできません。

モックアップを目にした設計者たちも、思い入れをもって取り組みました。たとえば白色LEDですが、実は同じ製品パーツでもロットによってやや光の加減がちがいます。そのことに設計者が気づいて、わざわざ一つひとつのロットをチェックしては、「適材適所に使い分けたい」と逆に提案してくれました。電源や開閉ボタン周りは「同じ白さにしたい」、起動時にガラスパネルの裏側から光るイルミネーションは、「ちょっと青みがかった色がいいね」という具合に。設計者魂を感じた一面でもあります。

デザイン的に加飾するのはいくらでもできますが、あえてミニマルに、素材の質感や作りこみのよさを主張するのが、このモデル。デザイナーと設計者が一緒になってクオリティを追い込んでいくと、ここまで高級感が実現できるという、私たちの回答ですね。

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