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Feature Design Color / Pink
[ 2010.1.5 up ]

発見と実証、色のチカラ

色には、プロダクトのキャラクターを左右する力がある。マーケットを動かす可能性がある。それをいち早く見抜き、実証したのは、ソニーのカラーバリエーションに対する試みでした。中でも、今や業界やカテゴリーを超えて定番となったピンクを例に、デザイナーたちの取り組みを紹介します。

深松 香苗
深松 香苗
ソニー(株)
クリエイティブセンター
プロデューサー/シニアデザイナー
山岸 あさみ
山岸 あさみ
ソニー(株)
クリエイティブセンター
デザイナー
秋田 実穂
秋田 実穂
ソニー(株)
クリエイティブセンター
デザイナー
大谷 祐介
大谷 祐介
ソニー(株)
クリエイティブセンター
デザイナー

ソニー、色の世界の開拓者

深松:かつては、ソニー製品というとブラック&シルバーのイメージが強かったかもしれません。しかし、私たちデザイナーは早くから色にも強い関心を持ち、より豊かなカラーバリエーションを展開しようと試みてきました。

ソニーでは相互に連携して楽しむ製品が少なくありません。その連携をカラーバリエーションに於いても実現しています。特に“VAIO”は“サイバーショット”や“ウォークマン”の母艦として使われるのと、カラーの面積も多いことからカラーイメージのベースとなり、他の商品へと展開したケースが多くありました。連携する製品群として、お客様にとって選びがいのある色相の広がり、連動した色相のつながりをお楽しみいただけるよう配慮しています。

特にピンクは、女性のお客様にアピールすべく、私たちが使いたかった色のひとつです。実際、初めて着せ替え式ヘッドホンをリリースしたときも、すでにピンクのパーツを同梱していたほど。しかし、それは単なる差し色として機能するものでしかありませんでした。ソニーが本格的にピンクのボディカラーを採用したのは、2006年に発表した“VAIO”Cシリーズと“サイバーショット”DSC-T10が最初になります。


DSC-T10

今では各社のパソコンやデジタルカメラのピンクは定番カラーのようになっていますが、当時はまだ珍しいものだったと思います。実際、ソニーとしても、また業界としてもエポックといえるモデルだったと思います。お客様やメディアの評価は上々。おかげで、ピンクはソニーにとって、もはや差し色ではなく、さまざまなカテゴリーの製品で定番色となりました。また、特に近年はファッションや嗜好性の多様化で、お客様の感度も高くなってきており、業界を超えたトレンド色となりつつあります。

必要なのは、理性と感性のバランス

深松:私たちの場合、カラーバリエーションの検討は、製品のカテゴリーやキャラクター性、お客様の好みやトレンド、さらには国ごとの嗜好といった要素を総合的に考慮し、適切なテーマを設定することからはじめます。ヒントはインテリアやファッション、アクセサリー、小物など、街の中、雑誌の中に無数に隠されています。それを探し出し、理論づけを行い、ボディカラーから壁紙まで展開する。理知的な作業と感性のバランスが求められるところですね。

特にピンクは、非常に面白く、また難しい色。淡いサクラ色から紫に近いものまで非常に色相が広く、可愛さやエレガンス、ゴージャスなど、さまざまなキャラクターを演出することができるからです。それだけに、「どのようなピンクか」「なぜ、そのピンクか」というテーマ設定が、ますます重要になります。

こうして生まれるピンク、たとえば最新の“VAIO” Cシリーズでは、コスメティックのチーク、高揚した女性の上気した頬をイメージしたものです。開いたときには2色のピンクをグラデーションとして配し、ニュアンスの変化をつけています。

しかし、まったく同色を“ウォークマン”や“サイバーショット”に展開しても、それらの製品が魅力的になるわけではありません。総合的な色相のマネジメントを行いつつ、各製品に合った色を作り出す。それぞれの担当デザイナーの手腕とチームワークから、ソニー製品群の色の世界を広げていくわけです。

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