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Feature Design NAS-V7M/V5
[ 2010.9.3 up ]

インテリアを彩る造形と質感

従来の価値観からは、オーディオ機器と思えないスタイル。自由な置き方を可能にした、造形と質感。インテリアコンシャスという発想が、マイクロコンポのデザインを変えました。360度、どこから見てもソニーらしさが伝わる、そのデザインの舞台裏を覗きます。

鈴木 章雄
鈴木 章雄
ソニー(株)
クリエイティブセンター
統括課長
山路 康文
山路 康文
ソニー(株)
クリエイティブセンター
プロデューサー/シニアデザイナー
大谷 祐介
大谷 祐介
ソニー(株)
クリエイティブセンター
デザイナー

マイクロコンポ、ゼロからのデザイン

鈴木:近年のオーディオ市場をカテゴリー別に見てみると、ひとつの傾向が読みとれます。マイクロコンポが縮小傾向にある一方、CDドライブを持たない、いわゆるドックスピーカーなどが成長しています。これは人々の音楽生活が変化していることの現れでしょう。楽曲をCDではなく、インターネットの音楽配信サービスで購入する。“ウォークマン”やパソコンに貯めた楽曲を、そのままスピーカーでも楽しむ。そういうスタイルが広がっています。

しかしながら、ユーザー調査では、全体のうち約8割の方はCDでも音楽を楽しんでいらっしゃるという結果が出ました。今までに購入した財産も大切にされているからです。より魅力的なマイクロコンポに期待する声は小さくありません。また、提案性のあるプロダクトで、このカテゴリーを活性化したいと考えました。

今回の案件では、機能的な提案として、WM-PORTとWi-Fiを搭載することが決まっていました。LANケーブルに縛られることなく、“ウォークマン”やPCに貯めた楽曲、インターネットラジオも楽しめます。お手持ちの楽曲だけでなく、未知の楽曲にも出会える「広がり」は新しい魅力です。

「新しい音楽ライフに相応しい、新しいスタイルとは何か?」その答えを求めて、私たちデザイナーの模索がはじまりました。コンベンショナルなオーディオのスタイルを否定することから始め、アイデアを出せるだけ出しあい、あらゆるスタイルを検証し、テーマを絞り込んでいくプロセスをとりました。固定概念や習慣に囚われない「ゼロからのデザイン」。デザイナーにとってやりがいのある、しかし限りない可能性の中から進むべき方向を探し出すという、大変な作業でした。

キーワードは、インテリアコンシャス

山路:私と大谷が、ふたりがかりでアイデア展開に取り組みました。一般的にマイクロコンポというと、本体とふたつのスピーカーという3ボックスのスタイルが思い浮かびます。正面にボリュームのノブとディスプレイがあり、その下にCDのトレイがある。誰が見てもオーディオとわかるデザインです。しかし今回は、LANケーブルに縛られないのだから、ポータブルなスタイルをとることもできるし、CDラジオのようにトランスポータブルな方向性もあり得ます。私たちは、さまざまな視点からイメージスケッチを描きだしました。

それらを検証する過程で見えてきたのは、インテリアとの親和性が大切だということです。しかし、コンベンショナルな3ボックススタイルでは、設置する場所や向きが限られるうえ、説明的な線やボタンも多く、現代のインテリア環境になじみません。いま求められているのは「インテリアになじむこと」「くつろげる場所が、ベストなリスニングポジションになること」です。

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