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Feature Design "Sountina"NSA-PF1
Feature Design "Sountina"NSA-PF1

スピーカーとしての主張を、一本のワイヤに託す

柘植 隆弘氏

柘植:このプロダクトとテクノロジーの新しさ、独創性を表現するために、デザイナーとして何をすべきか。私は、はじめから有機ガラス管のデザインがポイントになると考えていました。

トゥイーターにあたる有機ガラス管は、そこから音が鳴るという不思議さはあるものの、何の工夫もしなければただの円筒にしか見えません。余計な装飾は加えたくない一方、これでは価値観がしっかりメッセージできないと思いました。ガラス管の中に一本のワイヤを張ったのは、このジレンマを解決するため。ワイヤを通すことで、ガラス管に芯ができ、緊張感が生まれます。また、実際には視覚的な意味しかないものの、あたかも弦が鳴っているような、音の再生装置としてのあり方が主張できると考えたのです。

実のところ、このスピーカーは、照明器具に見立てたりオブジェとしてデザインしたりすることも可能でした。つまり、スピーカーとしての主張を消し込むことで、驚きや新しさを演出するというアプローチです。しかし、それでは、ただデザインが奇抜なだけのプロダクトにしか見えないのではないか。透明なだけのスピーカーなら、過去に例があります。振動板を放射状に並べて、無指向性をうたうスピーカーもあります。「NSA-PF1」はそれらと明らかに一線を画すものです。新しいスピーカー技術を世に問う最初のプロダクトである以上、音質に妥協はありませんし、デザイン上もここは本格派のスピーカーであることをアピールしたい。その意図を、私は一本のワイヤに託したわけです。

目と手が触れるすべてに、ハイクオリティを

Feature Design "Sountina"NSA-PF1

柘植:装飾のための装飾は、どこにも施しませんでした。たとえばワイヤを固定する上部の紡錘形は単なる装飾ではなく、音の整流効果を高めるためのもの。音のゆがみを解消するよう、形状や断面積に配慮しています。また、ワイヤそのものにも特殊なコーティングを施しました。有機ガラス管の底部にあるイルミネーションを反射させ、ガラス管上部まで光を導くためです。イルミネーションは色や光量を設定できますが、音を聴いても反応のわかりづらいBASS、TREBLEの操作時には、リモコンで操作を行うと僅かに光量を変え、ユーザーの意思が伝わったことをメッセージします。

そのリモコンにはアルミパネルを採用。ボタンは一つひとつ切削加工したもので、指先に伝わる質感を高めています。

「NSA-PF1」の下部にあるアンプやウーファーを収納した本体部分は、メタリックシルバーです。これに本革製のスリーブを被せることで、また別の表情を楽しむことができます。スリーブは一枚の牛皮を筒状に成型したものですが、これだけ大きな素材となると、なかなか確保が大変なんですよ。しかし、公共の場にふさわしい質感、インテリアに溶け込む素材感が必要だと判断し、あえて採用することにしました。

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