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入矢:今回は、そのカラーテーマに合わせた壁紙もオリジナルで用意し、ボディカラーごとにプリセットしています。通常のVAIOのものと比べると、重厚感のあるシックなデザインです。一般的に壁紙は共通の方が生産効率も良いし、何より明るいデザインの方が店頭映えします。そのような因習から脱却できたのは、プロダクトの力とユーザーの審美眼を信じる、私たちの暗黙の合意があったからです。
また、type Pには、数年前から私たちが検討してきた数々のアイデアが、一挙に具現化されています。一例をあげれば、2画面ウインドウです。専用のボタンを設けたのですが、2画面を開きたいときにこのボタンをワンプッシュすると、左右独立の2画面表示に切り換わります。液晶は8V型ながら1680×768ドットと超高精細なため、2画面でも視野の広さはまずまず。「Webを見ながらテキストを作成する」というシーンなどに、メリットを発揮することでしょう。
さらに、もうひとつの専用ボタンを押すとクロスメディアバーが表示されます。OSを起動していない状態でも、音楽や映像の再生、Webブラウジングなどが可能です。従来のVAIOが持つインスタントモードの手軽さが得られて便利なうえ、type Pをリビングで使うとき、テレビなど他のソニー製品と世界観を一元化できる利点も小さくありません。これらはウルトラ・モバイルPCの使いやすさを大きく向上させるものと、期待しています。



飯田:今回は、アクセサリー開発にも従来以上の力を注いでいます。特にケース類は革ケースだけでなく、革ゴールドケース、革カバー、ナイロンポーチという充実ぶり。革製品だけに、革絞り加工などで苦労しましたが、どれも社内で好評のものばかりです。
その検討は、本体のデザインが決まる前からスタートしました。それも女性モバイラーだけを集めたブレストです。というのも、男性はどうしてもメモリーやバッテリーなど、スペックの強化に傾きがち。しかし、女性なら「携帯電話を変えたらストラップも新調したい。」、「こうデコレーションしたい。」という風に、どんどんストーリーが広がるからです。
この場で提案されたアイデアは貴重で、その幾つかは非売品の一品物のケースに反映されています。これはスタイル提案のために制作したもので、クロコ皮やウサギ革など高級素材を採用したもの、クラッチバッグやショルダーバッグなど形を工夫したものを、職人が一つずつ手作りしています。取材に来たある雑誌編集長は、「いくらでもいいから譲ってほしい。」と仰っていたほどの出来ばえです。それほど、高級感や自分らしさへのこだわりは、大きいものだとあらためて実感しました。

小笠原:type Pは、開発の早い段階から各分野のデザイナーと設計者が結集し、フィールドを超えて関与しあい、完成度を高めた、ウルトラ・モバイルPCにおける新しいモニュメントです。これぞソニーの流儀。思えば、モバイルPCの時代を切り拓いた「あの」VAIO 505も、そうして生まれ得たものでした。現在、PC業界では次世代の低消費電力CPUを採用した製品開発が盛んですが、その中でもtype Pは一線を画すものと自負しています。