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Feature Design x-Application

答えは、「ユーザーが楽しんでいる現場」にある

反畑 一平氏

反畑:「『x-アプリ』が新しい体験価値を届ける」といっても、具体例がないとピンと来ないかもしれませんね。たとえば、デジタルカメラで撮影した画像をテレビでご覧になったことはありますか? 写真は、明るく大きな画面で見るとプリントとはひと味違う鮮やかさが楽しめるんですよ。ただ、それだけだと何か積極的に見ようという要素が足りないのではと考えました。

ならば、ビデオクリップや映画のように編集された、ストーリー性のあるスライドショーなら見る気になるのではないか。そんな発想から生まれたのが『x-Pict Story』です。みんなで賑やかに見るときとひとりで思い出に浸りたいときとでは、BGMや雰囲気の違うスライドショーで楽しめます。実際に試してみると、写真がエモーショナルな部分に訴えかけてきて、つい見入ってしまうと思います。つまり、単純に画質がいいとか解像度が高いといったことは技術が解決してくれますが、「テレビで写真を見たくなる」ということこそが私たちのフォーカスした「体験価値」なんです。

確かに編集ツールを使えば、『x-Pict Story』と同じような作品をつくることはできますが、そのためには大変な時間や手間が必要です。テレビで写真を見たいユーザーにとって関心があるのは、写真を楽しんでいるその瞬間、その場所じゃないかと。そこに至るまでの種々のプロセスを省いたUIとセットで提供してこそ、体験は身近になります。『x-Pict Story』で作品づくりのプロセスを全自動にしたのはそのためです。もちろん、CDから音楽をリッピングするなど、より凝った楽しみ方も可能です。

ちなみに、一番最初に『x-アプリ』が搭載されたのはDVDレコーダーでした。動画を楽しむ機器に画像を楽しむアプリケーションを載せてみたわけですが、『x-アプリ』を使うことでDVDレコーダーをホームサーバーとして画像をテレビのモニターで楽しめるという「発見」がありました。そういう「発見」が新しい「体験価値」を生み、機器の楽しみ方やライフスタイルを変えていくわけです。

『x-アプリ』はすでにいろいろな機器に搭載され始めていますし、今後はネット上のサービスにも展開していきたいと思ってます。

アプリケーションがハードウェア開発を刺激する

Feature Design x-Application

宇津木: 『x-Pict Story』は、ハイビジョンメディアストレージ“HDMS-S1D”にも搭載されています。しかし、ハードウェアのオマケとして付加されたわけではありません。むしろ、『x-Pict Story』を存分に楽しんでもらうための「器」として“HDMS-S1D”が開発された、といった方が近いですね。

従来ならば、まずストレージというハードウェアが企画されます。大量に写真を取り込めるとなれば、それをいかに検索しやすくするかが問題で、そこからがデザイナーの腕の見せ所でした。しかし今回は、ユーザーエクスペリエンス、つまり顧客体験という視点でアプリケーションが先に開発・評価され、それに触発されてハードウェアと一緒になって企画されたわけです。

“HDMS-S1D”は単体の製品ですが、『x-Pict Story』を軸に“ブラビア”や“サイバーショット”、“α”がつながります。これまで画像はプリントしたものをアルバムに入れて楽しんでいたわけですが、「テレビで写真を見る」という新しい習慣が生まれたらと期待しています。プリントでは目立たなかったデリケートな表現もしっかり再現できるので、もっと高画質なカメラにステップアップしたくなるユーザーもいるでしょう。つまり、ソニーの製品をより有効に使ってもらう契機になり得るわけです。そんなソリューションを実現するため、アプリケーションから発想してモノをつくる。ソニーもそういうトライアルの時代を迎えているのですね。

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