
原: “XEL-1”は、プロダクトがすべてを語っているんですよ。ユーザーの方も、「オーガニックパネル」が薄いとわかって購入されるはずですが、やはり世界初のプロダクトだけに、ご自宅でパッケージを開梱した時にも感動があってほしいと思いました。
しかし、パッケージは工場を出て販売店やユーザーのもとに届くまで、振動や衝撃からプロダクトを守るのが役目。特に“XEL-1”のパネルはかつてない薄さです。それで迷走してしまい、最初はプロダクトを横倒しにして、パネルをしっかり押さえて保護することを考えていました。
ですが、パッケージを開梱したとき、“XEL-1”が寝ていてはパネルの薄さが実感できません。「これでは驚きもないし、プロダクトの魅力を表現できていない」と思い、やはりこのテレビは立ったままの状態であるべきだと考えなおしました。ではどうしたら“XEL-1”とユーザーの「感動の出会い」を演出できるか。実際にモックアップを借りてきて、開梱動作を繰り返しては自問自答しました。
たどり着いたのが、「ケーキを入れるボックス箱」です。子どもの頃は、あの箱を前にワクワクし、ふたを開けた瞬間にワッと驚いたものですよね。それと同じようにパッケージが開けられたら理想的だなと。特に今回は初回出荷分のみの限定パッケージがオーダーされており、妥協せずにデザインにあたりました。
原: 限定パッケージでは、どうしても「ふたを開けると、そこに“XEL-1”が立っている」というイメージを実現したいと思いました。どうしたらワンアクションでそれを実現できるかが問題です。そこで「パネルを守る」という従来のテレビのパッケージの発想を逆転させ、パネル部分は逆に遊ばせておけばよいのではないかと考えました。その分“XEL-1”のスタンド部分をふたでしっかりホールドしてあげれば、安全に物流できるはずです。
パッケージの色には“XEL-1”と同じ黒を採用。表面が艶消しになっているのは、持ち運ぶ際に指紋がつかないようという配慮です。また、万が一にもパッケージを横倒しにされないよう、底部に出っ張りをつけています。最後にふたをどう留めるかという問題が残りましたが、これは大型テレビのパッケージで使うのと同様のロック機構を採用することで解決しました。それも本来は白いパーツだったのですが、限定パッケージ専用に黒いものを用意してもらっています。ふたを開けるとワンアクションで“XEL-1”が姿をあらわしますが、その下敷きになっているクロスは取り外して本体を磨くためにお使いいただけます。また、エコの視点も考慮しており、「箱はリサイクルできるものであるべき」ということでダンボールによる構成にしました。
これほどパッケージに凝ったプロダクトは、ソニーのテレビではおそらく初めてではないでしょうか。思えば、それも「オーガニックパネル」の力なんですね。デバイスが人を動かし、これまでにないGUIやパッケージを実現させた。ただ残念なことに、この限定パッケージは初回出荷分のみなんですよ。“XEL-1”をお求めになるなら、ぜひこれを見逃してほしくないというのが、パッケージをデザインした私からのお願いです。
※限定パッケージは日本国内でお求めになれる初回出荷分のみとなります。
※通常パッケージの開梱は、ふたを開け、“XEL-1”を引き出すという2アクションになります。