
ソニー株式会社は、今まで困難とされてきたボタン形酸化銀電池での水銀使用を無くした無水銀化を実現、世界で初めて※商品化します。2005年1月から、主要10機種について全世界で順次導入します。


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ソニーは、1977年に酸化銀電池事業を開始、2004年9月には累計生産数50億個を達成しました。酸化銀電池は、主に腕時計や電子体温計などの小型機器、携帯ゲーム機などで利用されており、ソニーではすべてのサイズを生産、現在世界のトップレベルの生産規模を有しています。
今回発売する無水銀酸化銀電池は、世界的に関心が高まりつつある電池による環境に対する水銀の影響を大きく低減するものです。現在、欧州議会・欧州環境理事会において電池に対する仕様要求(電池指令)の改定検討が進められていますが、酸化銀電池などボタン形電池の無水銀化は実現不可能として、例外的に水銀の継続使用が認められる見込みです。
今回ソニーが開発した無水銀電池は、これを世界に先駆けて商品レベルで実現するものです。ソニーでは年間約4億個の酸化銀電池を販売しており、本技術を採用することで重量比約0.2%程度含まれる水銀添加量をゼロにする事が可能となります。その結果、ソニーにおいては、年間約320 Kg規模の水銀使用を削減、環境負荷低減に大きく貢献します。
なお、欧州における電池指令改定において、鉛の含有量を規定する案(40ppm以下)が討議されていますが、当無水銀化酸化銀電池では、鉛の添加も廃止しています。
【酸化銀電池における水銀の役割】
酸化銀電池は負極に亜鉛、正極に酸化銀、電解液にアルカリ水溶液を使用した電池です。

負極活物質である亜鉛は、アルカリ水溶液中で保存すると腐食反応のため溶解します。亜鉛の溶解は同時に電解液の分解を伴って水素ガスを発生します。発生した水素ガスは電池内圧を上昇させ、電池膨れの原因になるため、これを防止するために従来は亜鉛の腐食反応を抑制する効果の高い水銀を添加していました。

【無水銀化への取り組み】
今回、亜鉛の腐食を抑制(=水素ガス発生を抑制)するため、以下の技術を複合し、有水銀時と同等の電池性能を得ることが出来ました:
<<耐腐食性を高めた高性能亜鉛合金粉の採用>>
負極材に耐腐食性を高めた高性能亜鉛合金粉を採用しました。新規の亜鉛合金粉は、微量金属の配合比率を最適化することで、従来の亜鉛合金粉と比較して耐腐食性を約10倍に高めることに成功しました。
<<負極合剤への腐食抑制剤の添加>>
負極合剤へ腐食抑制剤を添加致しました。腐食抑制剤は、亜鉛の腐食速度を低下させる効果を持ち、未添加品と比較して耐腐食性を約2倍に高めることに成功しました。
<<集電体への防食処理の採用>>
集電体への防食処理を採用しました。集電体への防食処理は、亜鉛の腐食を効果的に抑制する一方で、最適な処理を施さないと内部電解液の漏出という別の問題を引き起こす可能性がありました。この問題に対しソニーは、電子デバイス製造に用いられている独自の表面処理技術を応用することで処理精度を向上させ、亜鉛の腐食抑制と内部電解液の漏出防止を両立させることに成功しました。
更に、ソニーの酸化銀電池は従来より独自の正極活物質を採用しておりますがこの物質は水素ガスの吸収能力が高いという特性が新たに見出され、今回配合組成の最適化を実施することで無水銀化の際に水素ガスが発生しても電池膨れ問題が低減され、安全性も維持されることとなりました。また、同時に、代表的な性能評価項目としての保存性能の向上も実現しました。
なお、無水銀化の新技術については、既に日・米・欧にて5件の特許出願をしています。
今後ソニーの酸化銀電池全ての無水銀化を目指し、電池の環境に与える影響を低減すべく、より一層技術力の向上を目指していきます。
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