独立行政法人国際協力機構(所在地: 東京都渋谷区、理事長: 緒方貞子 以下、JICA)とソニー株式会社(本社: 東京都港区、会長 兼 社長 CEO: ハワード・ストリンガー 以下、ソニー)は、国際社会の目標「ミレニアム開発目標(MDGs)」※1の一つであるHIV/エイズの蔓延防止を目指した、官民連携の共同プロジェクト「JICA and Sony For the Next Generation in Ghana(ジャイカ アンド ソニー フォー ザ ネクスト ジェネレーション イン ガーナ) 2009」を6月24日から7月3日にかけて、ガーナ共和国で実施しました。この共同プロジェクトにより、ガーナ関係機関が開催するHIV/エイズ啓発・教育イベントをJICAが単独で支援した場合と比較して、HIV検査受診者数が約3倍に増加するなど、HIV/エイズの教育と啓発活動の促進を図ることができました。
本プロジェクトは、ガーナのイースタン州とアシャンティ州の計7都市(コフリデュア、ニューアビレム、クマシ、ベクワイ、マンポン・アクワピム、ンカゥイエ、アコソンボ)にて実施したものです。JICAが支援し、ガーナ関係機関が開催している「マスメディアを通じたエイズ教育プロジェクト(Project for HIV and AIDS Prevention through Education (プロジェクト フォー エイチ・アイ・ブイ アンド エイズ プリベンション スルー エジュケーション) 以下、HAPE(ハピ)プロジェクト)」のHIV/エイズ啓発・教育イベントにおいて、ソニーの大型映像装置(200インチ)※2を設置。ソニーのパートナーであるFIFA(国際サッカー連盟)※3の了解のもと、日頃テレビを観る機会のない地方の若者たちなどに、サッカーの試合をハイビジョン映像で無料放映しました。サッカーの夢と感動を伝えることで、より多くの人々をHIV/エイズの啓発・教育イベントに集客し、JICAの支援事業とソニーの社会貢献活動を組み合わせた相乗効果で、HIV/エイズ教育の普及促進を図りました。
「HAPEプロジェクト」におけるイベントを7都市で実施した場合、通常の参加者は合計で約3,000〜4,000人。本共同プロジェクトにおいては、約9,000人が参加。また、テレビの普及率が低く、サッカー観戦が困難な地方部(マンポン・アクワピム、ベクワイ、ニューアビレム、ンカゥイエ、アコソンボ)では、約7,200人が参加、従来の集客数約1,500人の約5倍を集客しました。本共同プロジェクトの会場に設置されたHIV/エイズのカウンセリングと検診会場には、従来の3倍の約1,100人が訪れHIV検診を受けており、HIV/エイズの啓発活動の効果が向上しました。
ガーナはアフリカ代表国として「2006 FIFAワールドカップ」の出場に続き、現在、「2010 FIFAワールドカップ」のアフリカ地域決勝リーグの首位で、本大会への出場が有望視されています。サッカーに対する国民の注目・人気度は高いものの、テレビの普及率が21%(都市部集中)と低く、多くの人々がサッカー観戦を楽しむことができず、自国チームの応援さえもできません。このような状況下、ソニーは、同時期に南アフリカで開催されていた「FIFAコンフェデレーションズカップ 2009」の生中継映像や「2006 FIFAワールドカップ」のガーナ戦・録画映像など、サッカーとソニーのリソース(技術、製品、人材など)を活用した社会貢献活動※4を、国際協力プロジェクトに携わるJICAに提案しました。
JICAは、これまでも様々な国でHIV/エイズに関する啓発活動を行っています。また、JICAは、民間企業との連携を強化し開発途上国の社会および経済開発の効果をより一層促進するため、2008年10月に「民間連携室」を設置しています。今回のソニーの提案は、こうしたJICAの方針と合致したもので、ソニーとの共同プロジェクトを実施することにより、JICAの支援事業のさらなる効果の向上が見込めると考えたものです。