ヘッダーをスキップし、本文へ


プレスリリース


< 報道資料 >
ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。 検索日と情報が異なる可能性がございますので、 あらかじめご了承ください。現在発売されている商品に関しては、ソニーマーケティング(株)「SonyDrive」をご覧ください。

2000年 11月 21日

研究・開発

小型二足歩行エンターテインメントロボットを開発
〜独自開発のアクチュエータと全身協調制御による多彩なパフォーマンスを実現〜


 ソニーは、エンターテインメントロボットの可能性を追求するため、二足歩行の制御技術を開発し、小型二足歩行ロボット“SDR-3X”を試作しました。全身24箇所の関節を協調して制御することで、歩行や方向転換などの基本動作に加え、起き上がる動作や、片足でバランスをとる動作、ダンス、ボールに近づいて蹴る動作など、様々な応用動作が可能です。

 基本アーキテクチャーとして、四足歩行の自律型エンターテインメントロボット“AIBO(アイボ)”において実績のある「OPEN-R」を採用。新たに開発した、関節を駆動する『アクチュエータ』と、全身の関節を実時間制御する『全身協調動的制御システム』を「OPEN-R」上に適用し、二足歩行ロボットを実現しました。




二足歩行エンターテインメントロボット試作機SDR-3X




 「OPEN-R」は、1998年6月に技術発表したエンターテインメントロボット用アーキテクチャーです。ロボットを構成するハードウェアや動作ソフトウェア、音声認識/画像認識などの情報処理プログラムを機能ごとに細分化されたモジュールとして扱うため、簡単に変更・交換でき、多様なロボットアプリケーションが可能となります。

 新たに開発したアクチュエータは、電気エネルギーを駆動力に変換するモーター部、駆動力を関節の動きとして伝えるギヤ部、モーター部を高精度で制御する回路部から構成されます。この三つの要素を一体化し、高い駆動力を保ちながら関節部の小型・軽量化を実現しました。なお、各関節に求められる大きさと駆動力が異なるため、三種類のアクチュエータを開発しました。

 二足での歩行および動作では、動きにあわせて安定な状態を保つ必要があります。全身運動にともなって発生する慣性力と重力の合力が路面に作用する点ZMP(ゼロモーメントポイント)がバランスを保てる範囲にあるかどうかを判断(ZMP安定動歩行制御)して、安定な歩行と動作を実現します。“SDR-3X”では、運動と思考をつかさどる中枢として、それぞれ高性能RISCプロセッサーを使用。人間の眼と耳に相当するCCDカメラとマイクロフォン、ならびに姿勢を検知するセンサー群、足の裏の接触センサーからの情報を用いて、全身の関節を協調制御します。

 ソニーは、今後も「OPEN-R」を基本アーキテクチャーとして用いながら、エンターテインメントロボットを構築する基礎・応用技術の研究開発を進めてまいります。

 なお、“SDR-3X”を、11月24日から26日までの3日間、パシフィコ横浜において開催される世界初のパートナー型ロボット博覧会「ROBODEX 2000」に出展いたします。



試作機“SDR-3X”の主な特長
1)出力重量比の高い小型アクチュエータ搭載
 各関節に求められる駆動力を考慮し、新たに開発した三種類の小型アクチュエータ(ISA)を配置しました。二足歩行を支える膝関節などの下肢に出力重量比の高いアクチュエータを主に使用しています。

型名 ISA-S ISA-M ISA-MH
定格トルク
(1A時、kg.cm)
6.2 15.9 24.0
サイズ(mm) Ø24 × 49.5 Ø31 × 47.5 Ø31 × 52.5
重量(g) 73.5 119.7 143.2


2)高速歩行/全身協調動作
 障害物のない平坦な場所を高速で歩行するとき、足を踏み出すごとに交互に左右に回転する力(ヨー軸モーメント)が発生します。“SDR-3X”では、人間と同様に、下肢の動きによって発生したヨー軸モーメントを、上肢の動きを用いて補償します。これにより、約60mmの歩幅で、15m/分の高速前進歩行が可能です。また、傾斜面での歩行や全身運動時には、胴部にある姿勢検出センサー群と足の裏にある接触センサーからの情報をフィードバックし、転倒しないように姿勢を適応的に制御します。

3)音声によるコミュニケーション
 耳部に装備した二つのマイクロフォンを通して、動作を音声により指示することができます。あらかじめ登録されている約20種類の言葉を音声認識する機能を有します。また、 音声による指示に対して、音声合成により約20種類の言葉の中から返答する機能も搭載 されています。

4)画像認識に基づいた応用動作
 頭部に装備されたCCDカメラを用いて入力されたカラー映像データに対して、特定の色領域を識別する機能を有します。この機能に基づいて、音声で指示された色のボールとゴールを認識し、ボール横へ移動してシュートするとともに、ボールがゴールに入ったかを認識する連続動作ができます。

5)その他
・ PCカードスロットにワイヤレスLANカードを装着することにより、リモートコントロールが可能です。
・ “SDR-3X”の動作をパーソナルコンピュータ上でシミュレーションするソフトウェアを別途開発しました。


参考資料

試作機“SDR-3X”の主な仕様
CPU64ビットRISCプロセッサー (×2)
主記憶装置32MB DRAM (×2)
オペレーティングシステムAperios(ソニー独自のリアルタイムOS)
ロボットアーキテクチャーOPEN-R
制御プログラム供給媒体16MBメモリースティック (×2)
関節自由度首部:2自由度
胴部:2自由度
腕部:4自由度 (×2)
脚部:6自由度 (×2) (合計24自由度)
内蔵センサー 画像入力 18万画素1/5インチCCDカラーカメラ
音声入力 マイクロフォン (×2)
距離検出 赤外線方式測距センサー
加速度検出 2軸加速度センサー
角速度検出 2軸角速度センサー
接触検出 コンタクトセンサー (×8)
音声出力スピーカー
入出力部PCカードスロット(タイプII)
メモリースティックスロット (×2)
歩行速度約15 m/分
質量約5.0kg(バッテリー、メモリ搭載時)
外形寸法(高さ・幅・奥行)約500 x 220 x 140 mm




ページの先頭に戻る