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木村綾子のソニー現場レポート 第八回

木更津の子どもたちと一緒に「ものづくり教室」を体験

今の世代と次世代を繋ぐ交流の場

それにしても、今回の教室に参加しなかったらおそらく一生覗く機会はなかったであろうCDプレーヤーの全貌を、こんなにも分かりやすく解き明かしてくれた安藤さんって、一体どんな人なのでしょう!?そして「手作りCDプレーヤー」誕生のいきさつとは!?

むむむ・・・気になる。ということで、「ものづくり教室」終了後の安藤さんをつかまえて、お話をお伺いしました。

「私の働く静岡県のソニーイーエムシーエス浜松テックでは、CDプレーヤーやDVDプレーヤーの部品などのような精密機器を作っているのですが、自分の子どもや工場見学に来てくれる方たちに、その構造を分かりやすく説明することができなかったことが、この「手作りCDプレーヤー」を発案したきっかけでした。やっぱり、自分の子どもや地元の方たちに、私たちの仕事内容を正確に伝えられないのは寂しいですからね。試行錯誤の末、「デジタル技術」を噛み砕いて理解してもらえるプレーヤーを発案しました。」

随分と子どもとのふれあい方や教え方に慣れていたようですが…。

「「ものづくり教室」という名称のもとで各地に赴くようになったのは2007年からなのですが、それ以前にも、2000年頃から子どもたちを対象にしたワークショップは開いていたので、そのおかげかもしれませんね。自分たちの仕事内容をダイレクトに伝えることができるこういう機会は、やっぱり嬉しいものです。」

ほほ笑む安藤さんの隣で、ソニー教育財団の坂口さんはこのようなお話をしてくれました。

「いまや日本のものづくり技術は全世界に誇れるものであり、その技術は次世代を担う子どもたちに引き継がれていくわけですが、デジタル技術が進むほどに、それは学校で学ぶ理科の授業内容では触れ切れない高度なものになってきているんですよね。そこで、私たちソニーが開発している製品を通して、現代科学を学ぶ場を提供できたらな…という願いのもとにスタートしたのが、この「ものづくり教室」だったんです。子どもたちがものづくりにおける“正確に組み立てる”ことの重要性を知ることができ、また、「デジタル技術」の入り口を覗くことができるプログラムを、エンジニア独自で考えそれを実践することで、今の世代と次世代を繋ぐ交流の場所となることが、私たちの願いでもあります。なので、毎回のテーマの決定や、教室開催の運びは各工場にお任せしているんです。DIY精神を大切にしています。」

すると、それを受けて安藤さんがこれまでの経験を振り返ってくれました。

「最初の頃は、子どもへの教え方も分からず、専門用語を日常的な言葉に噛み砕いて説明するのも大変で、本当に苦戦しましたね。でも、毎回アンケートを取ったりして子どもたちの反応を見ながら、実践の場で多くのことを学んできました。立場上では僕は子どもたちの指導者となっていますが、僕自身にとっては、子どもたちが指導者なんです。それは単に教え方や子どもとのふれあい方を学べるだけでなく、技術者としての僕自身の成長にも影響しているんです。子どもって正直だから、少しでも納得できないことがあると「どうして?どうして??」と食らいついてくるんですよね。そういう場合にも対処できるだけの万全の知識を持って向き合わなければならない。そうそう、子どもたちの奇想天外な発想や思わぬ一言が、新しい技術へのきっかけをくれたりなんてことも、あるんですよ!!」

・・・なるほど。「ものづくり教室」を通して世代を繋いでいる橋の上では、子どもたちへの技術提供だけでなく、そういった交流もなされているんですね。

安藤さんをはじめ、今回の教室を指導してくれたソニースタッフのみなさんが、子どもたちに負けず劣らず楽しそうで、生き生きとして見えた理由はそこにあったんだ!

子どもたちへの大きな宿題

そういえば、ものづくり教室を締めくくる最後の言葉として、安藤さんは子どもたちにこのような言葉を送っていました。

「今日の「ものづくり教室」はこれで終わりですが、最後にひとつだけ、みんなに宿題を出したいと思います。それは、今日の体験を通して感じた“びっくり”を、もっと大きな“びっくり”にして、いつか私たちに返してください、というお願いです。今日みんなと一緒に学んだ科学は、私たちが前の世代から受け継いで一生懸命育てた最先端のものです。そのバトンを受け継ぐのは、次の世代を担う君たちです。どうか、現役を引退しておじいちゃんになった私たちを、あっと驚かせるような発明をしてくださいね。宿題の結果を、楽しみにしていますね!」

大きな宿題を出された子どもたちの瞳はキラキラと輝いていて、そしてその背中は、心なしか教室が始まる前よりも大きく見えました。そして、そんな頼もしい未来の希望たちと見つめ合うソニースタッフとの間には、“技術”に架かる“積み重ね”という名のはしごが見えたような気がしました。

貴重な体験を、ありがとうございました!!!


END

木村 綾子 きむら あやこ

プロフィール

木村 綾子 きむら あやこ

1980年7月19日生まれ、静岡県出身。明治大学政治経済学部経済学科卒業後、中央大学大学院文学研究科国文学専攻博士前期課程修了、文学修士号取得。大学入学とともに モデル活動を始め、『国文学 解釈と観賞』論文執筆など文筆業も行う。

現在、スペースシャワーTVのカウントダウン番組「チャート★コバーン」のパーソナリティや、小学館「PS」、ユニメディアモバイルサイト「ためして*プチキレイ」での連載など、幅広いメディアで活躍中。

オフィシャルサイト http://www.takeitag.co.jp/ayako/
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/kimuraayako-official/

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