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キーワード:緑と水
熊本での地下水の涵養
| 1 | 取材:“生きた水”の循環 |



熊本にあるこの田んぼには、稲が植えてありません。そう、稲のない田んぼに水を張っているのです。ソニーが田んぼで、はじめたこと。それは工場と地域をつなぐ、未来への一歩でした。熊本にあるソニーの工場(ソニーセミコンダクタ九州(株)熊本テクノロジーセンター)では、デジタルスチルカメラ“サイバーショット”やデジタル一眼レフカメラ“α”に使われるCCDやCMOSセンサーなどの映像デバイスをつくっています。
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ミクロン単位の半導体部品をつくる工程では、エッチングに用いた溶剤や微細なゴミを洗い流すために「純水」と呼ばれるきれいな水を使うため、阿蘇のふもとに位置し、豊かな地下水に恵まれた熊本のこの地に工場をつくることに決めました。この田んぼは「ざる田」と呼ばれる火山灰土で水が浸透しやすく、地下水をつくるために大きな役割を果たしてきました。しかし、減反政策によって、稲作をやめてしまった「休耕田」や、稲作以外に田んぼを利用する「転作田」が増えたことにより、田んぼから地下に水が浸透せず、地下水が減っていたのです。この地下水は、周辺に住む約100万人分の生活用水としても使われている大切な水。熊本の地下水を守るために、私たちにできることはないだろうかと考えました。
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そこでソニーは地域の皆さんの協力を得て、田んぼに水を張ってもらえる農家を探しました。稲作を行っていない時期や、畑作と稲作の間の休耕期などに、川から水を引いて田んぼに水を張ってもらうことで、地下に水を還元しようという取り組みです。
こうして2003年からはじめた「地下水涵養(ちかすいかんよう)」は、実は農地にとってもいい効果がありました。田んぼに水を張ることで土の中の線虫が駆除され、そのための農薬がいらなくなったり、川の水のミネラル分が土に溜まり農地が肥沃になったりしたのです。年々、協力してくださる農家も増え、5年間で工場で使ったぶん以上の水を返すことができました。熊本の工場では、協力農家の方々と社員とで田植えや稲刈り(収穫祭)などのイベントを行ったり、一部の協力農家の田んぼで収穫された米を買い取り、社員食堂で社員に提供しています。企業と農家が協力して、こうした取り組みを行うのは日本初とのことで、2007年に「第4回 朝日企業市民賞」をいただくことができました。
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私たちが田んぼに張った水は、やがて地下水となって、熊本に水の恵みを与えてくれるはずです。
次の世代に、豊かな水を残すために。ソニーのつくる未来が、はじまっています。








