研究開発中

紙から発電する、バイオ電池

世界中で大量に発生する紙ゴミを、電気エネルギーに変える。そんな夢のような話を現実にするのが「紙から発電するバイオ電池」です。ソニーはぶどう糖で発電するバイオ電池を研究していますが、その過程で紙や木材に含まれる “セルロース”にも注目。“セルロース”はぶどう糖がたくさん連なった物質であり、ソニーでは“セルロース”を分解してできたぶどう糖で発電する技術を開発しました。将来、この技術が実用化されれば、私たちの身近にある不用になった古新聞やダンボール、雑誌から取り出した電気で家電製品を動かせる日が来るかも知れません。

「紙(セルロース)から発電するバイオ電池」は、シロアリや草食動物などが木や草を食べて活動エネルギーを得るしくみを応用

シロアリや草食動物に学んだ「紙から発電するバイオ電池」のしくみ

紙や木材に含まれる “セルロース” は、ぶどう糖が鎖状に連なった頑丈な物質であり、その分解は容易ではありません。そこでソニーでは、シロアリや草食動物が木材や植物を食べて活動エネルギーを得るしくみに着目。シロアリや草食動物などが体内にもつ“セルラーゼ”(※)という酵素を利用して“セルロース”を分解して得たぶどう糖を使って、発電する技術を実現しました。また、紙は理論的には、A4の紙1枚で単3形乾電池6個分に相当する18Whもの発電量が想定される高エネルギー密度の材料でもあります。

※ セルラーゼは自然界で倒木や落ち葉などを分解する土壌に生息する微生物がもつ酵素。同じような酵素は、ヤギ、牛などの草食動物や、シロアリの消化器官に生息する微生物にも存在します

酵素セルラーゼの水溶液で、
紙(セルロース)をぶどう糖に分解
ぶどう糖をバイオ電池の中の酵素でさらに分解し、
空気中の酸素と反応させる際の電子のやりとりで発電
電気エネルギーとともに生成される
グルコノラクトンは無害な物質です

ワークショップでは子どもたちに、実際に「紙から発電するバイオ電池」を体験してもらいました

2011年、試作機を発表。さらに研究開発を推進中

2011年ソニーは、日本最大級の環境展示会「エコプロダクツ2011」に「紙から発電するバイオ電池」の試作機を出展。実際にダンボールを使って発電するワークショップを開催し、多くの子どもたちに体験していただきました。今後もソニーでは自然界の優れたエネルギー循環のしくみを応用した「紙から発電するバイオ電池」の研究開発を進め、私たちの身の回りにある様々な紙ゴミを電気エネルギーとして再利用する高効率のエネルギー循環システムの実用化を目指します。

ぶどう糖を取り出しやすいよう、
ダンボールを細かくちぎる
“セルラーゼ”酵素入りの水に、
ちぎったダンボールを入れて容器を振る
水にぶどう糖が溶け出し、
それをバイオ電池に注ぐと…
発電し、プロペラがまわる!