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CSR・環境・社会貢献

 マネジメント
2012年4月1日更新
  • ソニー株式会社 代表執行役 会長 ハワード・ストリンガー

 2010年度のCSR活動をご報告するにあたり、まず2011年3月11日に発生した東日本大震災により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。この震災で、ソニーで働く社員が命を失うという事態は、幸いにも免れることができましたが、社員の家族や友人の中には、親しい人を亡くされた方もいらっしゃいます。復興が進められている中、このような事態が長期にわたって日本に与える影響は、計り知れません。しかし、日本人の強い回復力と、国際社会の継続的な支援により、日本はこれまで以上に強くなると確信しています。


 震災後、私はまだ震災の傷跡が生々しく残る中、宮城県にあるソニー仙台テクノロジーセンターを訪れました。同センターでは、震災直後の切迫した状況下で、自らの安全の確保とともに、センター内に避難してこられた近隣の方々の安全の確保に尽力しました。私は社員の献身的な奉仕と知恵に感激しました。困難な状況に直面しながらも、敢然と立ち向かった日本のソニー社員を大変誇りに感じています。
 また、世界中のソニー社員が、ビジネスパートナー、お客様、主要なステークホルダーとこれまでにない支援活動を行ったことを、同様に誇りに思っています。即座に行った総額4億7,000万円の義援金に加え、ソニーでは、募金額と同額の寄付金を会社から拠出するマッチングギフトを行い、総額8億8,000万円の寄付金を集めることができました。このほか、Sony Music Entertainment(ソニー・ミュージックエンタテインメント)は他のレコード会社と協力し、東日本大震災チャリティアルバム "Songs for Japan" を制作しました。また、PlayStation®Network(PSN)は世界中のPSNのユーザーアカウントから直接寄付できるようにするなど、数多くの被災者支援活動に取り組みました。
 ソニーは、社員、地域コミュニティ、さまざまなNGO/NPO団体などのステークホルダーと共同して行う中・長期の復興支援活動など、ソニーに期待される活動に引き続き取り組んでまいります。
 さらに2011年4月には、PSNとQriocity、Sony Online Entertainmentのネットワークシステムが、外部からのサイバー攻撃を受けて、すべてのサービスの一時的停止を余儀なくされました。私たちが経験した、ネットワークシステムへの不正アクセスという違法行為は、お客様だけでなく、業界にとっても脅威となっています。サイバーセキュリティの優秀な人材と共同し、お客様の個人情報の保護を最優先に、インフォメーションセキュリティシステムの強化に取り組みました。
 このように、ソニーは、東日本大震災という未曾有の自然災害と、過去に例を見ない規模のサイバー攻撃という2つの困難に直面しましたが、これを大きなチャレンジ、かつ全社的な改革活動の機会でもあるととらえ、大災害の際にお客様への影響を最小限に抑え、事業活動を継続できるようにするリスクマネジメント体制の強化に全力で取り組んでいます。
 一方、今回の震災は日本の社会全体にさまざまな影響を与えていますが、その影響の一つとして、エネルギー需給構造に関する社会ニーズの変化があります。具体的には、災害などで突然停電が起きるなどの電気の供給停止に備え、「電気を貯めて使う」ことを可能にする蓄電技術に対する期待が、学校、病院、放送局、データセンターなどの施設から一般家庭に至るまで幅広い電力消費者の間で高まってきています。これは、震災が起こる前から発電や蓄電などのエネルギー分野を新規ビジネスの重点領域と位置づけイノベーションを加速している私たちにとって、大きなチャンスでもあります。
 ソニーは、すでに2011年4月、独自技術による「オリビン型リン酸鉄リチウムを用いたリチウムイオン二次電池」を採用し、10年以上の長期使用と環境負荷低減を実現した「蓄電モジュール」の量産を開始しています。この蓄電モジュールは、まさに「電気を貯めて使う」ための機器であり、現在の社会ニーズに合致するソニーならではのイノベーションの一つといえます。さまざまなインフラ施設における停電の際のバックアップ電源をはじめ、一般家庭用の蓄電システムなどでの活用、さらには現在、沖縄県で実証実験を行っている、太陽光や風力などの自然エネルギーと組み合わせた新しいエネルギーシステムでの活用など、この蓄電モジュールは幅広い用途で利用できる可能性を持っています。
 さらに、環境への取り組みについて、喜ばしいご報告があります。ソニーは、2006年度から2010年度までの5年間の環境負荷低減の数値目標を定めた環境中期計画「グリーンマネジメント2010」の実施期間を終え、事業所から排出する温室効果ガスの総排出量において約30%(2000年度比)削減を達成するなど、ほぼすべての項目で目標をクリアしました。今後も、長期的に「環境負荷ゼロ」を目指す環境計画“Road to Zero”のもと、2015年度目標の達成の実現に向け環境への配慮をさらに推進していきます。
 ソニーはこのような活動を通じ、国際社会の一員として持続可能な社会の実現に貢献するソーシャルイノベーションに取り組んでいます。今後も、国際機関やNGOとのパートナーシップを最大限に活かしたさまざまな活動を通じ、国際社会の一員として社会的責任を果たす努力を続けてまいります。
 本冊子とソニーのCSR ウェブサイトを通じて、ソニーのCSR活動の考え方や多様な取り組みについてご理解いただければ幸いです。

ソニー株式会社
代表執行役 会長
ハワード・ストリンガー
  • Howard Stringer






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