KOOV

未来を切り拓く創造力を、
すべての子どもたちへ

KOOV™(クーブ)は、ブロックで自由に「かたち」をつくり、プログラミングによってさまざまな「動き」を与えて遊ぶ、
ロボット・プログラミング学習キットです。同時に、今後世界中でますます重要性が高まるプログラミング教育への、
ソニーの挑戦でもあります。KOOVに込めた想いや細部へのこだわりをデザイナーたちが語ります。

ソニー クリエイティブセンター
インダストリアルデザイナー
三宅

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ソニー クリエイティブセンター 統括課長
兼 ソニー・グローバルエデュケーション
クリエイティブディレクター
石田

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ソニー クリエイティブセンター
ユーザーインターフェースデザイナー
田村

"学ばせる" ではなく
"学びたくなる" ものを

KOOVのコンセプトとデザイナーの関わり方について教えてください

石田:ソニー・グローバルエデュケーションはSTEM教育(※)でのイノベーションをテーマに事業を展開しており、そのなかでもプログラミング教育は、子どもたちの創造力を育み、未来の可能性を広げる重要な分野だと考えています。世の中にあるロボット・プログラミングの教材をみると、子どもたちに"学ばせる"ための教材然としたものや、メカニカルなロボットを作例にした男の子向けのものが多いと感じていました。

※ Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の略

そこでKOOVは、すべての子どもたちが自らプログラミングを“学びたくなる”楽しい学習キットにしたいと考えました。クリエイティブセンターのメンバーも企画段階から参加し、『ブロックで遊びながらかたちをつくり(Play)、思い通りの動作を与え (Code)、個性のあるロボットを完成させる(Create)』というコンセプトを立てるところからスタートしました。

三宅:KOOVのコンセプトをプロダクト面でどう実現できるか…考えていくうちに、ブロックで組み立てる「作例」がカギだと気づきました。性別を問わず、子どもたちを魅了する作例があれば、自ら"学びたくなる"はずだと考えました。しかし、「どんな作例がいいのか?」「 ブロック使用数やプログラミングの難易度等の設定はどうすればいいのか?」子どもたちをリサーチしながら、教育玩具の専門知識をもつメンバーの力を借り、新しい作例づくりを模索。100案以上考えた末に、動物や乗り物、楽器などの作例をつくりました。

田村:アプリのユーザーインターフェース(UI)デザインでは「自分でもできそう!」「 プログラミングっておもしろい!」と子どもたちに実感してもらうことをテーマに考えました。私が子どもの頃、学校や塾で配られたモノクロの教材とは全く違う、見ていて楽しくなるカラフルなUIにしたいと思いました。実際にデザインしてみると、子ども向けに角丸の文字を使うと幼稚な印象になり、色使いがカラフルすぎると可愛らしくなりすぎるなど、そのバランスに苦心しながら、男女どちらでも楽しめるカラースキーム(色彩設計)を追求しました。

細部のデザインが、
子どもたちを夢中にさせる

KOOVをデザインするにあたって、どのような工夫をしたのでしょうか

石田:私たちが思い描いたのは、子どもたちがKOOVに夢中になって遊んでいるうちに、いつの間にかプログラミング能力が身に付いているような学習体験でした。そのために、子どもたちの好奇心や探究心を引き出し、想像力を広げる工夫を細部まで考え抜きました。

三宅:その一つが、カラフルで透明なブロックです。透明にしたことで、ブロックの穴が目立たなくなり、作例のシルエットがすっきりと見えます。さらに、ブロックが重なることで「色彩の変化」という新たな楽しみも生まれます。子どもたちはブロックでかたちをつくりながら、新たな色彩の発見にもワクワクし、想像力を膨らませることができます。

石田:KOOVにずっと興味を持ってもらうため、子どもたちに愛着を持ってもらうことが重要だと考えました。そこで、ブロックで組み立てる動物の作例をキャラクターとして愛くるしくできないかと議論を重ねました。

三宅:こだわったのが「目」の表情でした。キャラクターづくりは目が大切で、大きさや位置によって印象がガラリと変わります。教材の業界ではこんな細かなパーツにまでこだわることは稀かもしれませんが、「細かな作り込みがユーザーの愛着を深める」ことを知るデザイナーの立場としては譲れないポイントでした。どうしたら愛嬌のある目になるのか、大きさや、ツヤのありなしなどの試作を繰り返しました。

石田:これら動物モチーフの作例を海外の展示会に出品したところ、いろいろな国籍の子どもたちが手に取り、目を輝かせて喜んでくれました。国内で開催したプログラミング体験会では、動物の作例が動くたびにガッツポーズをし、夢中で遊んでくれる子までいました。そんな子どもたちの笑顔が自分たちのデザインに確信を与えてくれました。

アプリ画面ではどのようなデザインの工夫をしたのでしょうか

田村:新たに開発した独自のUIでは、初めてでも直感的にプログラミングが組めるようにしました。プログラム要素をブロックと同じ色あいにし、世界観を統一するだけでなく、凹凸を強調することで、ブロックと同じ感覚でプログラミングが組めるようにしています。視覚的により分かりやすく表現することで、プログラミングを難しく感じさせないように工夫しました。

さらに、楽しくスキルアップできるように用意したのが、子どもたちがブロックでつくった作品で街を彩るマップです。作品が増えるたびに、街が賑やかになることで、子どもたちが続けたくなるよう配慮しました。この街も1種類ではなく、年齢層に合わせて数種類用意しているので、子どもの成長にも対応できます。ちなみに、雲の上の街や、芸術家の街など、ひと味違うマップもつくっているんです。

みんなの作品を共有し、
創造力を無限に広げる

今後の展望について教えてください

田村:現在、子どもたちがつくった作品を、世界中のKOOVユーザーで共有できる「シェア機能」の構想を描いています。一般的な教材のように大人が評価するのではなく、子ども同士が作品を評価し合う仕組みをつくり、自立心や社会性、さらにはコミュニケーション能力も養うことが狙いです。作品を見た子どもが、また新しい作品をつくりだす。そんな連鎖によって、子どもたちの創造力を無限に広げ、大人が考えつかないようなアイデアを生み出す場になってほしいと考えています。

石田:デザイナーたちがKOOVの教育カリキュラムの作成まで深く関わってくれ、プログラミングの新たな学習体験を具現化しました。私たちが目指すのは、絵本で学んだ文字によって作文などの自己表現が広がったように、KOOVで学んだプログラミングによって、子どもたちが新たな表現を創りだす未来です。そんな未来に向け、デザイナーとともにKOOVを進化させていきたいと思います。