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クリアビッドCMOSセンサー

 「CCD」を搭載したビデオカメラを世界で初めて商品化したソニーだが、その後も"ハンディカム"や "サイバーショット"といったデジタルイメージング商品の開発・商品化で培ったさまざまな高画質化技術や経験を「CMOSセンサー」および「CMOSセンサー用カメラシステム」の開発に注ぎ込んできた。その成果もあり、ソニーの「CMOSセンサー」は2004年に世界初の民生用3CMOSデジタルビデオカメラ「DCR-PC1000」に、そして2005年にはデジタルハイビジョン"ハンディカム"「HDR-HC1」の撮像素子として採用された。その美しい映像によってソニーの「CMOSセンサー」は小型でありながらもその高画質な性能が実証されるとともに、特に「CCD」では実現が難しかった小型ハイビジョンカメラの実現に大きく貢献した。

CMOSセンサーとは

 「CMOSセンサー」とは「CCD」と同様、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラに使われる撮像素子(イメージセンサー)の一種。レンズを経由して入射してきた被写体像を内部に敷き詰められたフォトダイオードを使って電子映像化する役割を担っている。「CMOSセンサー」には個々のフォトダイオードに電荷を電圧に変化させるアンプが付いているのに対して、「CCD」ではバケツリレーのように同じ列のフォトダイオードの電荷を集めて転送し、出力段についているアンプで電圧に変化させるという構造上の大きな違いがある。

 「CMOSセンサー」は古くから広く知られていた撮像素子の一種であり、消費電力の少なさや、高速な読み出し性能、LSIロジックとの親和性など、CCDにはないさまざまなメリットを持ち合わせていたが、その構造や製造プロセス上、長い間CCDと比べて高画質用途においては採用が難しかった撮像素子とも言えた。しかし、近年の画質の向上は目覚しく、今では放送局用カメラやプロ用のデジタル一眼レフカメラにも搭載されるなどCCDと同様に撮像素子としての脚光を浴びるようになってきている。しかし、一般的には小型の「CMOSセンサー」で高画質を実現するにはまだまだ大きな壁があるというのが現状である。
  • 光をフォトダイオードで光電変換、蓄積した電荷を電圧として読み出し、増幅して出力する。この電荷電圧変換と増幅を各画素で行う方式がCMOS型。
    光をフォトダイオードで光電変換、蓄積した電荷を電圧として読み出し、増幅して出力する。この電荷電圧変換と増幅を各画素で行う方式がCMOS型。
  • 光をフォトダイオードで光電変換するところまではCMOSと同様だが、電荷のままバケツリレーのように転送し、出力時に一気に電圧にするのがCCD型。
    光をフォトダイオードで光電変換するところまではCMOSと同様だが、電荷のままバケツリレーのように転送し、出力時に一気に電圧にするのがCCD型。


クリアビッドCMOSセンサーとエンハンスドイメージングプロセッサー

 デジタルビデオカメラには、「ハイビジョン動画」に加えて「高精細な静止画」の撮影ニーズも高まっており、撮像素子の高解像度化は必須である。しかし撮像素子の大きさを変えずに解像度を上げる(画素数を増やす)ためには、画素一つひとつは小さくせざるを得ないため、どうしても光を受ける面積が小さくなって感度が低下してしまう。逆に画素数を変えずに感度を上げる(画素一つひとつを大きくする)と、撮像素子自身が大きくなってしまい、本体の小型化が実現できなくなる。このように、一般的に高解像度化と感度の向上は相反する関係にあり、特に小型ビデオカメラにおいては高精細な静止画を撮影することができなかった。ソニーではこの課題を克服するために、新たに「クリアビッドCMOSセンサー」を開発し、またこの撮像素子の能力を引き出すために画像処理エンジン「エンハンスドイメージングプロセッサー」の最適化を図り、商品化を実現した。
  • クリアビッドCMOSセンサーとエンハンスドイメージングプロセッサー


45度回転させた画素配列

 「クリアビッドCMOSセンサー」の一番の特徴は、各画素を45度回転させた形で敷き詰め、かつ色の配置を工夫したその独自の画素配列にある。まず各画素を45度回転させ敷き詰めることにより、同一記録画素数を実現する従来型のセンサーと比較して1画素の大きさを約2倍にすることができ、高感度化に適しているためである。ただしそれだけでは画素数が減っているため高解像度化に向かないような印象を受けるが、実は人間の目の特性(例えば輝度信号を多く含む映像を解像度が高いと感じる性質や、斜め方向より縦横方向の解像度に敏感であることなど)を踏まえ、輝度信号の生成にもっとも影響を与える"緑色の画素"を他の色に比べて多く(従来比で3倍)、かつ他の色の周囲を取り囲む形で配置することによって、画素数が減ったことによる解像度の低下分を補う構造にしている。
  • 45度回転させた画素配列


解像度に大きく寄与する「G(緑)」の生成

  • 解像度に大きく寄与する「G(緑)」の生成

 単板の撮像素子を使ったカメラの場合、撮像素子上の各画素がR(赤)G(緑)B(青)全ての情報を持っているわけではないため、一般的には周囲の画素を利用して色情報をつくり出しているが、特に解像度に大きく寄与する緑の生成方法は非常に重要である。「クリアビッドCMOSセンサー」は、他の色の周囲を全て緑画素が取り囲んでいるので、高解像度化に向いた配置とも言える。

 「クリアビッドCMOSセンサー」から出力された映像信号は、最適化された「エンハンスドイメージングプロセッサー」によりその独自の画素配列に適したアルゴリズムで画像処理され、高精細なハイビジョン動画あるいは高精細な静止画像をつくり出す。この画像処理アルゴリズムも「クリアビッドCMOSセンサー」の特性を引き出すために数え切れないくらいのテストを繰り返して開発されたもの。このような画素配列・画像処理の工夫によって、同一記録画素数を実現する従来型のセンサーと比べて、感度を大幅に向上させながらも同等の高解像度化を実現することができるようになった。

低消費電力化にも貢献

 「クリアビッドCMOSセンサー」は2006年のデジタルハイビジョン"ハンディカム"「HDR-HC3」での採用を皮切りに、小型ハイビジョンビデオカメラを中心として多くの"ハンディカム"に採用されている。「クリアビッドCMOSセンサー」は「エンハンスドイメージングプロセッサー」との組み合わせにより、ハイビジョン動画と高精細静止画の同時記録や240fpsの高速撮影といったユニークな機能も実現しつつ、従来型のセンサーと比べて少ない読出し画素数で高画質な映像をつくり出せることから、商品の小型化の実現や低消費電力化にも大きく貢献している。

「Exmor」「BIONZ」との組み合わせで、低ノイズで高精細な映像を実現

 2008年春に発売される「HDR-SR11」などの各商品からは、1/3.13型「クリアビッドCMOSセンサー」に、デジタル一眼レフカメラ"α700"などに使用されている低ノイズを実現する「Exmor」の技術を搭載している。「Exmor」は、CMOSセンサー上でカラム(列)ごとに AD変換を行う「カラムAD変換」に加え、信号に変換する初期段階からノイズを除去するため、高感度域までノイズを極力抑えた高品位な画質を実現する。 また、新しく搭載した画像処理エンジン「BIONZ」との組み合わせでは、動画・静止画ともに高解像度・高感度・低ノイズの高精細ハイビジョン映像の記録を実現。1920×1080iの約3.6倍の情報(3,680×2,070)から映像をつくり出しているため、高精細且つ色鮮やかな映像記録が可能になっている。

参考:「クリアビッドCMOSセンサー」と「エンハンスドイメージングプロセッサー」が実現する機能(SonyDriveより)





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