HDリアリティエンハンサーは入力された映像を画素単位で特徴点解析を行い、検出した特徴に応じて各画素に対し最適な処理を自動的に施す。圧縮などにより失われた情報を取り戻し14ビット精度で映像を再構成する機能ブロックである。
画像解析ブロックには複数の特徴点解析モジュールがあり、平坦部、ディテール部、エッジ、ノイズ、字幕などを画素単位に検出し、その情報を用いて最適な処理を選択、またその処理の強度も制御する。その画像解析結果で制御されるブロックとしては以下の2点がある。
1) 埋もれたディテールを再構築するエンハンス処理
映像のディテール部分を検出し、データ圧縮によりオリジナル映像から失われた情報を画素単位に細やかに強度を変えてエンハンスを行うことで、オリジナル信号本来の精細感を取り戻す。従来の画面全体に一様にエンハンスをかける処理(シャープネス)では、輪郭部分が不自然に際立ったり、ノイズも一緒に強調されるなど実使用に耐えられるものがなかった。HDリアリティエンハンサーでは画像解析を画素単位で行うことによって、精細感を取り戻すべきところにのみエンハンス処理をかけるため、自然な形で立体感、鮮鋭感を再現することが可能だ。
2) なめらかな階調を再現するスムージング処理
きれいなグラデーションで表現されていた映像も、8ビットで量子化されることによって微小な変化が失われ、なめらかだったはずの部分に擬似輪郭(カラーバンディング)が発生する。スムージング処理はその擬似輪郭を高精度に検出し、14ビットで本来のなめらかさを再現する。擬似輪郭の発生していない部分にはスムージング処理はかからないので、テクスチャー部分の精細感を不用意に落とすことはない。
図2 HDリアリティエンハンサー