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DLNA(ホームネットワーク)

 ソニーではホームネットワークを介してさまざまな機器をつなぎ、動画・音楽・写真などの楽しみ方を広げる機能を「ソニールームリンク」と呼び、お客さまに提供している。また、ソニールームリンクに対応する商品などで利用される家庭内ネットワーク商品の互換性をさらに高めるため、メーカーを超えた商品での相互接続互換性を向上させる取り組みとしてDLNA設計ガイドラインと、認定ロゴが利用されている。

DLNAとは

 DLNA(Digital Living Network Alliance:DLNA公式サイト)はホームネットワークの相互接続互換性を高めるために設立された団体。動画・音楽・写真などを、ホームネットワークを通してシームレスに共有するための設計ガイドラインを発行し、適合する機器に認定ロゴを発行している。

 ソニーはメーカーを超えた相互接続互換性を向上させるため、業界内での標準化活動の重要性に着目し、他のメーカーに呼びかけて2003年6月にDLNAを設立し、この活動を主導的に進めてきた。現在は世界中の家電、モバイル、PCの各業界をリードするメーカーをはじめ、ソフトウェア、デバイス、サービス、アプリケーション開発、コンテンツプロバイダなど240社を超える企業がDLNAの会員となっている。これらのメーカーから多くのDLNA対応商品が発売され、DLNAがホームネットワークの業界標準として広く認知されてきている。

家庭内でコンテンツをシームレスに共有するための設計ガイドライン
 DLNAでは、すでに広く使われているさまざまなオープンな規格HTTP、UPnP※1、XMLやMPEGなどを元に、設計ガイドラインを作成することでホームネットワークの互換性を実現している。図1にDLNAのプロトコルスタック※2を示す。

※1 家庭内のパソコンや周辺機器、AV機器、家電製品などの機器を、ネットワークを通じて接続し、相互に機能を提供しあうための技術仕様
※2 ネットワーク上の機能を実現するために、必要なプロトコルを選び、階層状に積み上げたソフトウェア


  • 図1 DLNAのプロトコルスタック
    図1 DLNAのプロトコルスタック


ホームネットワークへの機器の接続/機器の発見
 ネットワーク層にはホームネットワークやインターネットアクセスに広く利用されているLANの規格であるEthernetと、無線 LANを使ったIPネットワークを利用する。このネットワーク上で、UPnP Device Architectureで規定されたIPアドレスを自動的に割り振るDHCPやSSDPを使用することで、ホームネットワーク内の機器を発見する。さらに発見した機器の名称や機能を知ることができ、この情報を元に機器を選択する。

サーバー上のコンテンツ発見/メディアフォーマットの整合性チェック
 選択された機器に対して、UPnP AVで規定された仕組みを使うことで、その機器が持っている動画、音楽、写真コンテンツのリストとそのメタデータなどを取得することができる。さらに、映像データの圧縮方式であるMPEG-2やAVC/H.264(MPEG-4の新しい規格)、音声フォーマットであるリニアPCMやMPEG-2 AAC,MP3などを規定するとともに、それらのメディアフォーマットを表すMedia Format Profile IDを規定している。

コンテンツ伝送
 コンテンツを伝送する時にサーバーとプレーヤーの間でMedia Format Profile IDを確認することで、互換性のあるコンテンツを選択することができる。選択したコンテンツはHTTPで伝送する。著作権保護されたコンテンツの伝送を行う時はDTCP-IPなどのリンクプロテクション技術を用いる。

 このようにDLNAではホームネットワークへの機器の接続、他の機器の発見、サーバー上のコンテンツ発見、メディアフォーマットの整合性チェック、コンテンツ伝送まで、家庭内でコンテンツをシームレスに共有するための設計ガイドラインを策定している。
 日本のデジタル放送について規定しているARIB(アライブ)規格においても2005年9月にDLNA設計ガイドラインとDTCP-IPの規定に準拠したホームネットワーク伝送規格が決まった。これによって、デジタルチューナーで受信した放送コンテンツなどをホームネットワーク経由で伝送可能となり、既に<ブラビア>をはじめ、多くの機器が対応している。

DLNAの使用例とデバイスクラス

 DLNAで最も広く使われているDigital Media Server(サーバー)とDigital Media Player(プレーヤー)を用いた使用例の例を図2で示す。
  • 図2 基本的な使用例
    図2 基本的な使用例


 サーバーはコンテンツを配信する機器、プレーヤーはユーザーが操作してコンテンツを楽しむ機器を指す。サーバーとプレーヤーは、離れた部屋に置いてある場合でも、プレーヤーはホームネットワーク内のサーバーのリストや、各サーバー内のコンテンツリストを表示することが可能。ユーザーがコンテンツを選択する際は、そのコンテンツをプレーヤーからサーバーに要求し、受信して再生するという仕組みだ。

 DLNAではこれらのDigital Media Server(サーバー)とDigital Media Player(プレーヤー)を含め現在12のデバイスクラスが規定されている。(図3)これらのデバイスクラスは、プレーヤー以外のコントローラーから制御するケース(3Boxモデル)、コンテンツのアップロードやダウンロード、プリンターの制御、モバイル機器との接続などのユースケースを実現する時に利用される。
  • 図3 デバイスクラスとデバイスカテゴリー
    図3 デバイスクラスとデバイスカテゴリー


DLNAのロゴ認証プログラム

 DLNA では、設計ガイドラインを策定するだけでなく、ガイドライン準拠製品同士の相互接続性を検証する仕組み・インフラを整え、各メーカーの適合製品に対して認定ロゴを発行している。

 図4に示すように、テストラボにおいて、テストツールを用いた仕様適合テストと、リファレンス機器を用いた相互接続テストを行い、さらにUPnPやWi-Fiの認証を組み合わせることによって、相互接続性を検証する仕組みが用意されている。また、これらの検証に必要なテスト・ツールの開発、リファレンス機器の選定、テストラボの選定を行っている。

 テストに合格した機器に対して認定ロゴを発行することで、ユーザーが認定済み機器を一目でわかるようにするとともに、DLNA Webサイトでは認定製品のリストを公開している
  • 図4 DLNAの認証の考え方
    図4 DLNAの認証の考え方


 DLNAではロゴ認証プログラムが2005年9月から開始されたが、ソニーはその直後から認証プログラムをパスしたDLNA認定商品を多数出荷してきている。ソニーのDLNA機器については「ソニールームリンク」のサイトを参照。

今後の技術展開

 DLNAでは、モバイル機器やプリンターなど新しいカテゴリーの商品についてもガイドラインを作成してきた。また、電力線通信などの新しい技術も現れてきており、これらの新しい技術や規格が利用可能になってくれば、それに対応してDLNAガイドラインを拡張することで、新しい使い方が実現することになる。

 コンテンツやサービスのプロバイダーもホームネットワークでいろいろな機器をつなぐことに強い関心を示しており、今後もDLNAのカバーする範囲が成長・多様化していくことが期待されている。

規格・標準化への取り組み

 2006年3月に発行されたDLNAガイドライン(DLNA Networked Device Interoperability Guidelines)と、それに関連するメディア形式を規定したガイドラインは国際電気標準会議(IEC)の国際規格IEC 62481-1ならびにIEC 62481-2として発行され、国際的なスタンダードとしての地位を築いている。
 また、2011年12月に発行された最新版のガイドラインも順次IEC規格化される予定である。



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