ページの先頭ヘッダーをスキップし、本文へ

make.believe Special site

Japan

本文の開始
コンテンツメニューをスキップし、コンテンツの開始へ

技術情報

裏面照射型CMOSセンサー“Exmor R”(固体撮像素子)

 「ろうそくの明るさでもきれいに撮れるカメラ」の実現のために、ソニーは独自の裏面照射型構造を採用したCMOSセンサー“Exmor R”を開発し、従来の表面照射型CMOSセンサーに比べ、約2倍※1の感度および低ノイズを実現した。裏面照射型CMOSセンサーは、シリコン基板の裏側から光を照射することで、従来の画素構造(表面照射)ではなし得なかった光の効率的な利用によって、夜景などの暗い場所でもなめらかで高画質な映像の撮影を可能にする。世界で初めて、この裏面照射型CMOSセンサーを搭載したハイビジョンビデオカメラ『HDR-XR500V』『HDR-XR520V』が、2009年2月ついに発売された。

イメージセンサーへの期待

 これまで、民生用カメラでは、主に、被写体の細部まで映し出す高い解像力や携帯性を重視した機器の小型化が求められてきた。また、これらの要求を実現するため、イメージセンサーでは撮像特性を維持しつつ、画素サイズの小型化に向けた開発が行われてきた。しかし、近年、高解像度や小型化の継続的要求に加えて、最低被写体照度の向上や高速度撮像などへの要求が高まり、その実現のために、イメージセンサーにはSN比をはじめとした総合的な画質向上への期待が高まっている。

従来のCMOSセンサーの課題

 CMOSセンサーの画素は、シリコン基板に形成されたフォトダイオードと、その上部に光を集めるために形成されたオンチップレンズで構成されており、入射光がそのオンチップレンズを通って、フォトダイオード内に到達すると、光電変換(光を電子情報に変換)を起こして、電圧値として出力され、その結果、光を電気信号として取り出すことができる。
  • 図1. 表面照射型の断面構造
    図1. 表面照射型の断面構造

 従来のCMOSセンサーは、このオンチップレンズとフォトダイオードの間に、電圧の入出力に用いるトランジスタや配線層が多層に形成されている。そのため入射光は、光路の途中にある配線にぶつかって跳ね返ってしまったり、配線の層間膜との界面で屈折を起こして曲がったり、といった現象を起こし、オンチップレンズで集めた光を効率よくフォトダイオードに到達させることができない。特に画質の性能向上のために多画素化すると、一画素の面積が小さくなり、また、高速駆動のために配線層を多くすると、フォトダイオードに集められる光がどんどん少なくなり集光率がますます悪化するという課題があった。


裏面照射型CMOSセンサー“Exmor R”

  • 図2. 裏面照射型CMOSセンサーの画素断面構造
    図2. 裏面照射型CMOSセンサーの画素断面構造

 ソニーは、CMOSセンサーの低消費電力や高速性といった特長を活かしつつ、従来のCMOSセンサー(表面照射型)が持つ上述の様な課題を払拭するためのブレークスルー技術として、従来の画素構造とは異なり、シリコン基板の裏面側から光を照射することで、従来比 約2倍※1の感度や低ノイズなどの撮像特性を大幅に向上させた裏面照射型CMOSセンサー“Exmor R”(画素サイズ1.75µm角、有効画素数500万画素、60フレーム/秒)の開発に成功し、量産を開始した。

 裏面照射型では、シリコン基板を反転させた面(裏面側)から光を照射させることで、配線やトランジスタの影響を受けることなく単位画素に入る光の量を増大させるとともに、光の入射角変化に対する感度低下を抑えることが可能である。しかし、裏面照射型では通常の表面照射型と比較して、その構造や工程に起因したノイズ、暗電流、欠陥画素、混色など、イメージセンサーの画質低下につながる課題が発生し、SN比を低下させてしまう。

 そのため、ソニーでは、裏面照射型CMOSセンサーに最適化した独自のフォトダイオード構造とオンチップレンズを新たに開発し、その結果、同じ画素サイズの当社従来型画素構造のCMOSセンサーに比べ、SN比で+8dB(感度+6dB※1の改善およびノイズ、暗電流、欠陥画素を低減し、暗時ランダムノイズの−2dBの改善)※1を実現した。また、高精度な重ね合わせを実現する技術により、混色の課題も克服した。

図3. 表面照射型/裏面照射型 断面構造比較

今後の技術展開

 ソニーは、CCDで培ってきた高画質化画素技術に加え、独自の列並列A/D変換技術とデュアルノイズリダクション技術を用いた“Exmor”など、 CMOSセンサーの高画質化/高速化技術の開発を進めてきた。そして今回、新構造の裏面照射型CMOSセンサーを開発することで、更なる高感度化および低ノイズ化を実現した。裏面照射型CMOSセンサーでは配線層の多層化や自由なトランジスタ構成が可能となるので、更なる高速化、高ダイナミックレンジ化など、さまざまな展開が期待できる。ソニーは、この裏面照射型CMOSセンサー“Exmor R”を積極的に展開し、民生用のデジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラのさらなる高画質化の実現に貢献していく。
  • サンプル画像:低照度時(30ルクス)撮影
    サンプル画像:低照度時(30ルクス)撮影


※1 同じ画素サイズ(1.75µm)の当社従来型(表面照射型)と裏面照射型のCMOSセンサーとの比較






本文の終了フッターをスキップし、ページの終了へ
Copyright 2012 Sony Corporation
ページの終了ページの先頭に戻る