レーザーには半導体レーザー以外に、ルビー、ガラスなどを使う固体レーザー、ヘリウムネオン、アルゴンなどのガスを使う気体レーザー、色素を使う液体レーザーなどがある。この中で半導体レーザーは、化合物半導体のP-N接合に電流を流してレーザー光を放射するので、他の方式に比べて比較的シンプルな構造である。ソニーは1984年に"MOCVD"結晶成長法による半導体レーザーの生産を開始し、音楽CDやMDの普及に貢献した。
青紫色半導体レーザーの構造を図1に示す。半導体には電子の保持特性により、2種類のタイプが存在する。一つは電子を余分に蓄え、電子過剰型と呼ばれる「n型」。もう一つは電子を受け取る正孔の数に余裕がある正孔過剰型と呼ばれる「p型」だ。発光ダイオードはこの二つの材料を接合し p型にプラス極を、n型にマイナス極を接続して電流を流すことで結合部に"光"を発生させている。
半導体レーザーはただ発光するだけでなく、目的に合わせた波長での安定した発光が求められるので、p型とn型の間に発光体「MQW層」を挟み込んで製造する。ソニーの青紫半導体レーザーは、p型クラッド層とn型クラッド層にAlGaN(窒化アルミニウムガリウム)を採用し、発光体となるMQW層周辺の構造を適正化することで高い発光効率を実現しているのが特徴だ。
青紫半導体レーザーの実用化で重要となる要素の一つに"寿命"がある。半導体レーザーは発光時に発熱するが、それにより素材が劣化して発光寿命が短くなってしまう。従来は半導体レーザーの基板にサファイアを使用していたが、放熱効率が低く、寿命を延ばすのに限界があった。ソニーはレーザー半導体基板の設計を根本的に見直すことで、基板に熱伝導率がサファイアよりも高い、窒化ガリウムを採用。これによりレーザーの熱を効率よく放熱するので、製品寿命を飛躍的に延ばすことに成功した。