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技術情報

mofiria(指静脈認証技術)

 ネットワークにつながる商品・サービスが増えるにつれ、使いやすい個人認証やユーザーインターフェース、加えて、個人情報に対する高いセキュリティが求められている。ソニーが開発した指静脈認証技術“mofiria”(モフィリア)は、パソコンや携帯電話などのモバイル機器に搭載可能な認証技術である。 “mofiria”は独自の光学メカニズムとアルゴリズムにより、小型化、高速化が可能なうえ、指位置を自動補正することで、指位置を厳密に固定する必要がなく、高精度で快適な操作性を実現している。

指静脈認証技術とは

 指静脈認証技術は、指の静脈パターンにより本人確認をおこなう認証方式である。指の静脈パターンは個人および各指により異なり、経年変化もおこさないとされている。また、静脈認証は体内にある静脈を用いるため、成りすましが困難であり、他の生体認証と比較して、高精度の認証が可能だ。

反射散乱方式による小型化の実現

 “mofiria”は、LEDから発光された近赤外光を指静脈にあてた結果、体内で散乱した光をCMOSセンサーで効率的に撮像する独自の反射散乱方式を採用している。反射散乱方式では、LEDの光を一方向から斜めに指静脈に当てて撮像しているため、平面での配置が可能で、機器に組み込む際のデザインの自由度と小型化を実現した。
  • 反射散乱方式
    図1 反射散乱方式



4つのアルゴリズムで静脈血流パターンを抽出

 撮像された指静脈画像から血流パターンを抽出する際は、以下4つのアルゴリズムにおいて血流の特徴を抽出している。
  • 静脈血流パターン抽出アルゴリズム
    図2 静脈血流パターン抽出アルゴリズム

「中心線検出方式」
気候や体調の変化による血流変動の影響を受けにくい指静脈の中心線を検出する

「直線パターン認証」
指の置き方の違いによって生じる回転や拡大/縮小の歪みに対して、指静脈における支配的な直線パターンを抽出し、照合することにより認証精度を向上

「低コントラスト耐性」
コントラストが低い環境でも認証可能で照明コントロールが不要

「ノイズ耐性強化」
汎用CMOSセンサーでも高精度の認証が行えるようノイズ耐性を強化


静脈パターンデータは約1/10に圧縮

 特徴を抽出した静脈パターンのデータは、約1/10に圧縮してメモリーへ蓄積する。このため、FeliCaに内蔵されているメモリー領域等にも搭載可能な小型テンプレートサイズを実現。モバイル機器にも搭載可能な小容量の照合データとなった。
  • 静脈パターン圧縮技術
    図3 静脈パターン圧縮技術



指位置の自動補正と高速処理を実現

 指の位置は厳密に固定する必要がない。これは、ソニー独自のアルゴリズムにより、指の移動や回転に対して自動補正を行うためだ。また同時に、撮像された指静脈画像からすばやく正確に静脈パターンを抽出するので、高速かつ高精度で快適な操作性の実現に成功している。認証精度は、本人拒否率(FRR※1)0.1%、他人受入率(FAR※2)0.0001%で、認証処理時間は、パソコンのCPUを使用した場合で約0.015秒※3、携帯電話のCPUを使用した場合で約0.25秒※4となる。
  • 指位置自動補正
    図4 指位置自動補正


※1 False Rejection Rate
※2 False Acceptance Rate
※3 インテル製ノートPC向けCPU 2.8GHz使用、2009年2月現在(ソニー調べ)
※4 ARM9 150MHz使用、2009年2月現在(ソニー調べ)



今後の技術展開

 ソニーは、小型かつ高速で高精細を実現した“mofiria”を、様々なモバイル機器や入退出の際のセキュリティシステムなどへの搭載、そしてソリューションサービスへの展開などへ向けて、2009年度中の商品化を目標に、事業化の検討を進めている。




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