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Feature Design Cycle Energy CP-AL/CP-AH/CP-AH
[ 2010.10.4 up ]

バッテリーからはじめる、エコライフ

充電池をモバイル機器の予備電源として使用する。そんな二次電池の活用法の先駆けとなったCP-3H2Kが、CP-ALとして生まれ変わりました。モジュールコンセプトの採用と認証機能の搭載により、携行性と汎用性がアップ。「繰り返し使う」ライフスタイルの普及を目指した、デザイナーたちの姿勢と工夫の、新しい象徴です。

笹子 修
笹子 修
ソニー(株)
クリエイティブセンター
統括課長
植田 有信
植田 有信
ソニークリエイティブワークス(株)
デザイナー
大倉 亮
大倉 亮
ソニークリエイティブワークス(株)
デザイナー
源馬 美奈子
源馬 美奈子
ソニークリエイティブワークス(株)
プロデューサー/シニアデザイナー
原 誠
原 誠
ソニークリエイティブワークス(株)
デザイナー

エコロジーと向き合う姿勢の中で

笹子:エネルギーという視点から、エコロジーに取り組むこと。ソニーでは、色素増感太陽電池やキネティック、バイオ電池など、さまざまな研究開発プロジェクトを推進しています。私たちデザイナーも、コンセプトデザインやプロダクトデザイン、コミュニケーションデザインなどを通じ、それらの新しい技術や発想をわかりやすく、美しく伝えられるよう努力してきました。

数々の取り組みの中でも、いち早く製品化を果たしたのが、USB出力機能を備えたポータブル電源、CP-ALです。CP-ALは、2007年にリリースした多機能ポータブル充電器、CP-3H2Kの後継機にあたります。CP-3H2Kは単三形充電池用の充電器でありながら、USBポートも装備。充電した電池をそのまま使えるだけでなく、それを電源として、いつでもどこでもモバイル機器に給電できるのが特徴でした。

CP-3H2KからCP-ALへモデルチェンジは、エコロジーと向き合うソニーの姿勢を、より強くメッセージする好機でした。「繰り返し使える」という製品特性と、二次電池を活用したライフスタイルの提案。私たちの関心と意欲が高まり、CP-ALはバッテリー関連プロダクトとしては異例といえるほど、デザイナーのアイデアやこだわりが色濃く反映されることになりました。

二次電池を活用したライフスタイルを普及するためには、さまざまな機器に給電できる対応力が必要です。そのためデザインからの提案でCP-ALには認証機能が搭載されました。実は、同じUSB給電といっても、機器によって充電の仕方や電流値が異なります。通常、USBでの充電を行う機器は、PCとの接続が前提になっている場合が多いため、機器によっては、充電の際に通信のやり取りが必要になる場合もあります。

ソニーのサイクルエナジーシリーズは、この点に配慮し、通信を行う仕組み(認証機能)を搭載しました。これにより、単にUSBポートが付与されている充電器とは異なり、幅広い機器にお使いいただくことができるのです。

残る気がかりは、大きさ。モバイル機器はどんどん小さく、薄くなっているのに、それより大きな予備電源を持ち歩きたいとは、誰も思わないでしょう。私たちデザイナーにとって、小型化は譲れないポイントでした。

小型化への回答、モジュールコンセプト

植田:CP-ALの仕様上の特徴は、従来の単三形充電式ニッケル水素電池から、内蔵式のリチウムイオン電池への変更です。しかし、実際に設計者がサイズを試算してみたところ、無理な小型化は危険なことがわかりました。バッテリー関連のプロダクトは、安全性が最優先。基板上の回路のピッチ、電池の周りのシールド、放熱を考慮したクリアランスといった設計条件が非常にシビアで、極端な小型化が難しいのです。

そこで私は、ちがう発想からアプローチを試みました。CP-3H2Kは、コンセントに接続するAC入力部とバッテリーまでがオールインワンとなっていました。そのうちバッテリー部分だけを分割して携行できれば、ずっとコンパクトで、その日の予備電源としては十分に用が足せるはず。もし出張や旅行に出るなら、そのときはAC入力部分も一緒にカバンに入れればよいのです。

AC入力部とUSB出力部を分割する、モジュールコンセプトはここから生まれました。しかし、そのような機構を持つバッテリー関連プロダクトは、ソニーとしても前代未聞です。ジョイント部分の検討には、念には念を入れなければなりません。しっかり接続でき、しかも簡単に外せること。その微妙なバランスを追求し、私と企画担当者、設計者が力を合わせ、ジョイントの方式やクリック感、音に至るまで、機構のあり方を煮詰めました。

一方で私は、この新しいコンセプトをいかにわかりやすくユーザーに伝えるか、基本形状の検討を進めました。CP-ALは、ベネフィットも使い方も、言葉だけでは説明するのはなかなか難しいものです。そこで、AC入力部とUSB出力部で構成されていることがひと目でわかるよう、「ひとつのブロックがふたつに分かれる」のではなく、「ふたつのブロックが帯で結ばれている」佇まいをチョイス。こうすることでモジュールコンセプトが強調され、「つなぐ」「外す」という機構上の特徴を、直感的・視覚的に伝えられます。

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