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Feature Design "CineAlta" Digntal Cinema Camera F23
Feature Design "CineAlta" Digntal Cinema Camera F23

シネマカメラの遺伝子を、デジタルに移植

Feature Design "CineAlta" Digntal Cinema Camera F23

岡:まず全体のデザインですが、基本思想はシネマカメラを踏襲しています。カムコーダーと違い、映画のカメラマンは光軸に近いところにファインダーがないと違和感を訴えるもの。だから光軸のすぐ左隣にファインダーを設け、デジタル回路はボディ反対側に集約させました。VTRもボディ後部、フィルムマガジンのあった位置にドッキングします。

一方、新しいところでは、デジタルの操作部にジョグダイヤルを採用。肩に担いで構えるときカメラマンの顔に当たらず、かつ、しっかり操作できるよう、ボディを掘り込んでレイアウトしています。また、このときVTRを本体上部にセットすれば重量バランスが最適になります。これは、フィルムの時代にはできなかった芸当ですね。

人間が引き起こすミスは、デザインがサポートする

岡:しかし、何よりいちばん気を遣ったのは、現場のスタッフの立場にたったデザインでした。このカメラは、張り詰めた緊張感の中で使われます。監督の「本番!」のひと言で現場の空気が一変するんですよ。その中で何十人もの人々が自分の仕事を完璧にこなして、はじめて「OK!」が出る。ひとりとしてミスが許されません。ところが、極度に緊張すると、人はどうしても操作ミスを犯してしまうものなんですね。それでアシスタントが大目玉をくらったり…。

Feature Design "CineAlta" Digntal Cinema Camera F23

そんな大変な仕事を、デザインの面からサポートしたい。一つひとつの操作を確実にこなせるような使いやすさを実現したい。だからデジタル操作部のボタンやダイヤルは瞬時に確実性を判断できる、自信を持って操作できるレイアウトとクリック感を追求しています。ちなみに、リモートコントローラーもまったく同じ形状です。アシスタントが操作するとき、本体と同じ感覚で使いこなせれば、それだけミスが防げますから。

同じ観点から、本体右側のコネクターの出し方には試行錯誤しました。ここはシーンが変わるごとにアシスタントが挿し入れを繰り返す部分なので、無意識でも確実に接続できるよう、真後ろではなく斜め外、やや下に向けて出すという、三次元的にかなり複雑な形状としています。その下にある電源も若干外に向けているのは、手をしっかり入れて確実に接続できるようにするため。毎日頻繁にアクセスするところほど、こういう配慮が信頼性に結びついていくんです。

使う人への思いやりが、デザインに生命を与える

岡: こういった配慮は、現場を観察しないと気づけないものです。大切なのは、いかに使う人の気持ちになれるか。それがよいデザインにつながっていくんじゃないかと思っています。現場を見る、感じるとは、そういうことです。

岡 広樹

その上で、現場の象徴としての存在感をどう主張するか考えました。プロはプライドをかけて仕事に挑みます。その矜持(きょうじ)やステータス性といったものを、デザインとしても表現したい。「F23」がただの四角ではなく、随所に傾斜を採り入れているのは、それにふさわしいスタイリング、これまでのどのシネマカメラとも違う佇まいを求めたからです。さらに、VTRに曲面を使うなどの遊び心も加えています。これは、フィルムマガジンとは違う新しさを主張したかったからなんですよ。モティーフはDigitalのD。このVTR部だけポータブルレコーダー「SRW-1」として先行販売されましたから、単体で購入した人は、「何でこんな形?」と首をひねったかもしれませんね(笑)。

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