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Feature Design CineAlta Camera F65
[ 2012.5.11 up ]

ソニーの4Kワールドへの入り口

映像制作・再生機器の分野で話題となっている、4K。ソニーでは、4K時代の到来を先見し、撮影から編集、視聴まで、トータルな環境づくりを進めています。特にいま、映像制作のプロの注目を集めているのが、F65。4Kコンテンツを創り出す、CineAltaカメラの最高峰です。

岡 広樹
岡 広樹
ソニー(株)
クリエイティブセンター
チーフアートディレクター
前山 孝一
前山 孝一
ソニー(株)
クリエイティブセンター
シニアデザイナー
寄立 美和子
寄立 美和子
ソニー(株)
クリエイティブセンター
統括課長
黒川 慎吾
黒川 慎吾
ソニー(株)
クリエイティブセンター
デザイナー
森 栄二郎
森 栄二郎
ソニー(株)
クリエイティブセンター
デザイナー
佐野 哲郎
佐野 哲郎
ソニー(株)
クリエイティブセンター
デザイナー

4K時代へのフォーカス

岡 広樹

岡:4Kという言葉も、ようやく市民権を得てきたように思います。デジタルシネマの標準仕様でいう4Kは、4096×2160画素。フルHDの約4倍という高解像度です。その精細で美しい映像を目にすると、「時代はフルHDから4Kへ」という言葉にも頷けます。

来るべき4K時代のために、ソニーでは早くから技術開発と実用化に取り組んできました。4K視聴環境については、世界中の映画館に展開しているデジタルシネマプロジェクター、世界初(※)となる4Kホームシアタープロジェクターなどが、その一例です。また4K映像制作環境についても、記録フォーマットを開発・公開し、賛同各社へのサポートを進めています。そのようなソニーの4Kワールドの入口となるのが、CineAlta(シネアルタ)カメラF65です。

CineAltaカメラの歩みは、2000年に誕生したHDW-F900にはじまります。これはハリウッドの要望を受け開発したもので、デジタルシネマ制作の起爆剤になりました。その後もF23、F35を輩出。いずれのカメラも数々の映画やCM、テレビドラマの撮影に採用され、映像制作のデジタル化とワークフローの効率化に貢献したと自負しています。

F65は、そのようなCineAltaカメラの遺伝子を受け継ぎつつ、業界最高画質を目標に開発した新しいフラッグシップです。スーパー35mm相当の8K単板CMOSイメージセンサーを搭載し、超高解像度を活かした、より美しい4K映像を生み出します。その空気感、奥行き感は息を呑むほど。映像制作者にとっても、表現の可能性が大きく広がるに違いありません。

ハリウッドの映画製作にも貢献:
写真は左からM・ナイト・シャマラン監督、
ピーター・サシツキー撮影監督
撮影:Frank Masi, SMPSP.

さらに、記録メディアに新開発のシリコンメモリーを採用しているのも、特徴のひとつです。従来のテープメディアの制約だった、「編集前、サーバーへのデータ読み取りに時間がかかる」「任意のシーンに直接アクセスできない」といった課題を克服。カメラから編集、再生まで、スピーディで効率的なファイルベースのワークフローを確立できます。これにより、映像制作の効率が飛躍的に向上し、美しく迫力のある4Kコンテンツが充実していくものと期待しています。

※2011年10月現在(ソニー調べ)

Feature Design CineAlta Camera F65

進化したボディに宿る、不変のコンセプト

前山 孝一

前山:デジタルシネマカメラのユーザーの多くは、フィルム時代から現場に参加し、カメラの操作や運用の方法を身体で覚えてきた、叩きあげの撮影のプロたちです。F23、F35のデザインは、そんな彼らが使いやすいよう、フィルムカメラや運用の実態を入念にスタディした中から生まれたもの。だから、ディテールの一つひとつに必然性があり、説得力がみなぎっています。F65においても、それは不変であるべきです。そう心を定め、F65のプロダクトデザインに着手しました。

デザインの基本方針は「進化と継承」。「進化」とは、道具としての使いやすさを、さらに高めることです。そのため、従来機に寄せられたユーザーの声を分析するとともに、撮影現場を観察。カメラマンや映画監督へのヒアリングも重ね、リクエストを反映させました。

まず、本体側面、表示パネルの大型化。これにより、情報の一覧性が高まり、より迅速で確実なカメラ設定が可能になります。同時に、ショルダーパッドと頬当てを新たに装着しました。三脚から肩乗せ、肩乗せからドリー(移動撮影の際に使用する小型の台車)というような場面でも、逐一アタッチメントを着脱する時間と手間を省けます。さらに、本体上面における、アクセサリーの取り付け自由度を向上させました。ビューファインダーやWi-Fiアダプター、ハンドル、標準ロッドなど、多種多彩なアクセサリーに対応。シーンごとにセッティングを変える撮影現場で、この柔軟性は大きなメリットです。

F65

難問は、これらの「進化」を盛り込みつつ、F23で築いた運用のしやすさを「継承」することでした。本体を大きくしても構わないのであれば話は早いのですが、それは許されません。撮影現場では、壁に張り付くまで「引き」をとったり、狭い場所にカメラを入れたりするのはよくあること。ショルダーパッドを装着したからと言って大きくはできません。さらに、EVF(眼)と肩の位置関係も人間工学上、無視できません。担いだときの使い勝手も考慮した上でのミニマルボディを追及して設計者と試行錯誤しました。また、ケーブルコネクタは、日に何度も抜き差しされる部分です。本体に合体されるアクセサリー類(レコーダー等)のコネクタ配置を想定し、干渉しないところへ配置。「コネクタへのアプローチは容易に」「抜きやすく、でも抜けにくく」と、矛盾する要件をクリアしつつ、何度も図面を引き直し、試作の調整を繰り返しました。同じような矛盾する課題(放熱/冷却、給排気等)が本体の随所にあるところを、「これしかない」というバランスに収めました。その結果、妥協や言い訳を廃し、使いすく説得力のあるデザインを「継承」できたと思っています。

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