Feature Design FIFA Communication Design
[ 2010.6.24 up ]

進化するビジュアル・アイデンティティ

2010年6月、FIFAワールドカップ南アフリカ大会のキックオフ。ソニーは、オフィシャルFIFAパートナーとして、世界各地でサッカーファンとコミュニケーションを図ってきました。今回は、その活動をインハウスデザイナーという立場から支えるチームにスポットをあてます。

山口 幸紀
山口 幸紀
ソニー(株)
クリエイティブセンター
統括課長
福原 寛重
福原 寛重
ソニークリエイティブワークス(株)
プロデューサー
金井 愛子
金井 愛子
ソニークリエイティブワークス(株)
角田 拓一
角田 拓一
ソニー(株)
クリエイティブセンター
デザイナー
石田 大介
石田 大介
ソニークリエイティブワークス(株)
デザイナー

効果的なプロモーションのために

山口:ソニーがFIFAとオフィシャルパートナーシッププログラムの契約を結んだのは、2005年のこと。これによりソニーは、2007年から2014年までの8年間、2回のFIFAワールドカップを含む40以上の大会において、ブランディング活動やマーケティング活動を展開できることになりました。これほどグローバルに、かつ長期間にわたってメッセージを発信できる機会は、めったに得られるものではありません。

タッチポイントも多彩です。スタジアムのピッチ周りの広告ボード。テレビ中継などのオープニングやカットインに用いられるモーションロゴである“ブレイクバンパー”。さらに、スタジアムの外にも、サッカーファンに直接プロモーションを行えるスペースなどが確保されます。

しかし、いかにタッチポイントが多くても、ソニーロゴを大量に露出するだけでは、サッカーファンにリーチするのは難しいでしょう。テレビでスポーツを観戦するとき、誰も「これはソニーの業務用カメラで撮っている」とは考えたりしないもの。一般の人にとって、ソニーの技術や製品とスポーツは、接点が見えにくいのです。これでは「ソニーの声はサッカーファンの耳に届きにくい」のと同じこと。効果的なプロモーションは望めません。

必要なのは、「オフィシャルFIFAパートナーとして、どうFIFAやサッカーファン、サッカー文化をサポートしていくのか」に答え、「サッカーの楽しさや魅力をしっかり伝えられる」コミュニケーションデザインです。私たちは、ソニーロゴと共存する新しいキービジュアルを開発することで、この課題をクリアしようと考えました。同時に、ソニーの内部組織であるFIFA Project OfficeやCIグループと連携し、各種ロゴの使用規定、ワールドワイドに展開する際のガイドラインなどについても検討をはじめたのです。

ソニーとサッカーの接点を視覚化する

福原:コミュニケーションデザインに与えられた課題。その回答として、まず私たちが制作したのが“ブレイクバンパー”でした。これはオフィシャルFIFAパートナーになると与えられる媒体のひとつ。ロゴを使い、ブランドのプロモーションが行えます。テレビで試合を観戦する人や、FIFAのホームページで映像をチェックする人にとって、ソニーの「顔」になるものといってもよいでしょう。

“ブレイクバンパー”は、時間にしてわずか5秒。その中で効果的にブランディングを行う必要がありました。そこで私たちが提案したアイデアが、「カラーバー」というキービジュアルです。「さまざまな色のバーが躍動感をもって迫り、その先にソニーロゴがあらわれる」。モティーフのバーは、タッチラインやゴールラインの象徴です。とりどりの色は、異なる国や地域、人々、個性などをポジティブに表現したもの。さらに、それらを交差させることで、「世界の人々と交流したい」というソニーの意思、人や国をインタラクトさせる国際的なサッカー大会の魅力などをシンプルにメッセージしようと考えたのです。

続いて私たちは、「カラーバー」をスティルなメディアに展開するためのガイドラインを作成しました。世界中で積極的に「カラーバー」を運用していただくためには、地域やその時々の実状に対応できる柔軟性が必要です。そこでガイドラインにも細かな使用規定をあえて設けず、適宜、私たちが一緒に考え、作業をお手伝いする方針を採用。各地域の関係者たちにブリーフィングを行いました。

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