SONY

メニュー
サイト内検索ボタン

サイト内検索エリアを開く

MDR-1
MDR-1

手のひらで味わうバランスの妙

image 矢代:サイズ感にもこだわっています。ヘッドホンは、高音質を追求するとどんどん大きくなってしまいがち。かといって、小さすぎるのも問題です。見た目が貧弱で音のよさを感じられないし、リスニングの高揚感も湧いてきません。

しかし、実際に多くの装着例を観察していると、ベストな大きさが見えてきます。装着している本人にもそれが分かるのですね。合わないと思えば、未練もなくポンとデスクに戻す。逆にしっくりくると、外した後に掌に収めて重みや大きさを確かめてみる。"道具"には、そのような「手のひらで愛でる」感覚も大切なのだと思います。

そこで今回は、あらかじめデザイナー側でサイズを想定し、その大きさに機構を収めるよう、エンジニアに協力を求めました。彼らもそんなユーザーたちを目の当たりにしているので、開発努力を惜しみません。毎日ディスカッションを繰り返し、装着感の面でも音質の面でもお互いに妥協のないサイズに着地させることができました。

ハイエンドヘッドホンとしての世界観

青柳

青柳:ソニーは、プロダクトの色や素材、仕上げも重視しています。通常はプロダクトデザインが先行し、ある程度、造形が固まってから検討に入ることが多いのですが、今回はマーケットリサーチから私も参加したおかげで、早くから色の組み合わせなどをスタディできました。

色を検討する上で大切なのが、プロダクトの世界観です。今回、採用したのは本質を象徴する混じり気のない黒と最高級ヘッドホンとしての力強さを表現した赤の差し色の組み合わせ。これは、赤を挿し色に使ったXBAシリーズのカラーコーディネイションを展開したものです。リスニングシリーズのインナーイヤーヘッドホン、ヘッドバンド型ヘッドホン、両者の最高峰モデルの色を揃えることで、ソニーのハイエンドヘッドホンのブランディングをリードできるという判断です。

image 印象的な赤いリングは、平面ではなく、微妙な曲面で円を描いています。そこに、メタリックレッドを採用することで、狭い幅の中で陰影がつくよう配慮しました。一方、ハンガーはシルバーにすると黒に対して主張が強すぎます。そこで、三層の仕上げを採用。蒸着で鏡面のような輝度を確保した上に、グレースモークで明度を下げ、さらにマット処理で光沢感を落ちつかせました。贅沢な仕様ですが、単色の塗料ではこの渋さや深みは表現できません。

技術の都合を逆手にとる

image青柳:また、ヘッドバンドからハンガーにかけての構成にも神経を配りました。バンドには長さを調整するスライド部分があり、バンド側とハンガー側、それぞれにストッパーがついています。多くのパーツで構成されているので、非常に複雑な構造をしています。

それを収まりよく、シンプルにまとめるにはどうすればいいか。その答えが、バンド側のストッパーに光沢のシルバーを用いることでした。機構的に必要なものを、目立たなくするのではなく、あえて強調する。いわば逆転の発想です。マットシルバーのハンガーに対して光沢のパーツで帯状に締め、さらに、ここに型番をあしらうことで、「1」ならではのプレミアム感も演出しました。

プロダクトの世界観を変えるカラーバリエーション

青柳:MDR-1Rだけは、カラーバリエーションを用意しました。このクラスのユーザーは音質同様に、素材感にもこだわりがあります。そこで、素材由来の色をコンセプトに用意したのが、ブラウンとシルバーの組み合わせです。

イメージはレザーとアルミ。硬質で冷たい印象のシルバーと、クラシカルで温もりを感じさせるブラウンをぶつけることで、逆に新鮮味が生まれます。黒と赤の世界とは大きく方向性が違うため、ファッションやインテリアに合わせた選択肢も広がるでしょう。硬質な印象と懐かしさ、温かさを併せ持つ、今までのソニーには無かった雰囲気を実現でき、個人的にも愛用したくなるプロダクトがまた一つ生まれました。

1|2|3