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Feature Design Monolithic Design
Feature Design Monolithic Design

拡張するモノリシックデザインの世界

松岡:また、私たちは、モノリシックデザインコンセプトのエレメントとして、次の3つの要件を定義しました。

まずは「On/Off Conscious」。視聴時には、デバイスとしての「機能美」を訴求し、画面が消えている時には、空間に溶け込むオブジェのような「造形美」を訴求しています。オンの時もオフの時も、機能と価値を最大限に発揮するということです。

次に「6°Upward Style」。大画面のテレビをスタンドで目の高さに持ち上げると、大変な圧迫感が生じます。しかし、スタンドを廃して画面を下げ、代わりに少し上向きにすると、目に優しいだけでなく、リビングに開放感が生まれるのです。お客様が「使い古しのテレビ台ではなく、ローボードに変えてみよう」というように、インテリアそのものからリビングを見直したくなるきっかけになるかもしれません。

最後は「Contrast of Materials」。これは、異素材の組み合わせにより、美しいコントラストや新しい価値を生み出すことを意味します。ベース部分と側面のフレームはアルミニウム、前面はガラス。本物の素材ならではの質感をハーモナイズさせました。

もちろん、テレビでもシリーズによって、またカテゴリーによって表現の手法は最適化するべきですし、そのために3つの要件を満たさないプロダクトもあります。しかし、そのベースとなるのは、同じモノリシックデザインのコンセプト。リビングをひとつの世界観で演出したいお客様の美意識への回答です。

リビングを一新するホームシアター

鈴木:モノリシックデザインコンセプトに基づき、ブルーレイディスクプレーヤー、サラウンドスピーカーなどをデザインしました。このコンセプトの意図するところは、究極の本質表現。引き算のデザインだけに、余計なことはできません。

それだけに、テレビとのバランスには気を配りました。「テレビに対して脇役だから」「薄型がトレンドだから」と薄くしすぎると、どうしても貧弱に見えてしまいます。むしろ、しっかりした骨格にした方が、存在感があって自然です。大切なのは薄さではなく、作為を見せないこと。それが、映像機器としての本質、ひいてはモノリシックデザインコンセプトに迫ることなのだと判断しました。

デザインがシンプルな分、実は、設計者や生産ラインとの調整では大変な苦労をしています。ホームシアターは、テレビとは生産の方法が違います。厳密には、同じ表現手法は使えないのです。たとえばアルミニウムの代わりに樹脂素材で「Contrast of Materials」を再現しようと試みても、筐体の特性上、どうしても僅かな歪みが出てしまいます。これでは本来の意図が表現できません。普通なら、軽くカーブをつけたり塗装に工夫したりという手法で、この問題を克服するもの。しかし、「究極の板」をテーマとするモノリシックデザインコンセプトでは、それは単なるごまかしです。そのため、金属の質感と平滑性に迫るべく、生産ラインから検討し、さまざまなチャレンジを行っています。

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