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Feature Design NXCAM NEX-FS100
Feature Design NXCAM NEX-FS100

新しい造形を提案する勇気

宮下:全体構成を決める上で最も大きなポイントとなったのは、「光軸の上にモニターを置く」ことでした。これは、リサーチしたどのカメラマンも「ここが自然、見やすい」と声を揃えたところ。光軸の横にモニターがあるより、視線とのズレが小さく、違和感がないというのです。確かに、デジタル一眼レフカメラの光学ファインダーは、そうなっています。しかし、業務用カムコーダーの世界ではあまりに斬新で、カタチにするのは勇気のいるところでした。

そこで、半信半疑ながらサンプルを用意し、検証してみると、なるほど理にかなっている。ちょうど中判のフィルムカメラのように上から覗きこみながら、両手でホールドでき、構えが安定します。ローアングルが容易で、ハイアングルもカムコーダーを天地逆にセッティングすれば問題ない。何より、カメラをレボルディングさせれば、そのまま縦位置撮影に対応できます。これは、 “ハンディカム”スタイルにはなかった特徴。ファッションのプロモーションビデオや、店頭・街頭のデジタルサイネージなど、縦長の映像制作に大きなアドバンテージとなるでしょう。

ボタンやスイッチのレイアウトにも、私たちの提案とユーザーの声が融合しています。デジタル一眼レフカメラは、カメラの上面と背面、すなわち撮影者の正面に操作部材が集約されています。そのあり方を採り入れ、カメラ上面によく使う操作部材を配置しました。同時に、従来の業務用カムコーダーで本体側面にあった重要なボタン類は、そのままのレイアウトを継承しています。もともとデジタル一眼レフカメラの動画機能は、録画をスタートしたらピントと構図以外はほとんど操作できないもの。これまでのムービーカメラマンに配慮して操作部材を置いたところで、コンフリクトしないと判断しました。

斬新であることより、純粋であること

宮下:業務用の映像制作機材は、三脚などに固定して使用するのが基本的なあり方です。しかし、インサートカット的に、あえて手持ち撮影したいこともあるでしょう。どちらにも対応できるよう、ハンドルやグリップは、着脱式としました。

いちばん苦労したのが、直視型のビューファインダーです。液晶モニターにクリップで装着する仕組みですが、接眼光学系を備える以外、実はシンプルな筒なのです。角型の取り付け部から接眼部まで、円錐形にしてもいいし、角型のままにしてもいい。機構上の制約がないだけに、納得できる線を引くのに苦労しました。いくつものトライアルを重ねて、たどり着いたのが現在の形状です。ここも、「円筒+箱」の思想を展開。結果として、箱形の本体を中心に、映像の入口であるレンズと出口の接眼部が円筒になるという、シンボリックな造形になりました。

新津:結果として、NEX-FS100は従来の業務用カムコーダーとは一線を画すデザインとなりました。液晶モニターを横にせり出させるか、上に載せるか。その扱い方によって、ここまで印象の違うプロダクトになるわけです。しかし、それは単に「新しいカタチをつくりたい」という欲求があったからではないんですよ。ユーザーの意見を採り入れつつ、新分野にふさわしい造形を純粋に抽出していった結果、こうなったのです。

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