Feature Design USB Memory "POCKETBIT" USM-L/LX series
[ 2008.7.17 up ]

思いやりの心が宿る"筆記具"

スライドアップスタイルから、ノックスライド方式へ。モデルチェンジのたびに新しい価値をユーザーに提案するのが、USBメモリー"ポケットビット"です。単なるコスメティックのアレンジで済まさない、デザイナーのスタンス。付加価値を生み出すデザインの力。日常使いの小さな道具にも、ソニーのDNAは確かに継承されています。

岡 広樹氏
岡 広樹
ソニー(株)
クリエイティブセンター
チーフアートディレクター
笹子 修氏
笹子 修
ソニー(株)
クリエイティブセンター
シニアプロデューサー
出口 道生氏
出口 道生
ソニー(株)
クリエイティブセンター
デザイナー

プロダクトの付加価値は、デザインが決める

笹子:USBメモリーのデザインは、簡単そうに見えて、実はとても「デザイナー泣かせ」なんですよ。内部の構成はどのメーカーでも基本的に似ていますし、そのうえ、コストの制約も大きい。非常に多くのアイテムが市場にあふれており、割高なプロダクトは店頭に置いてもらうことさえ難しい状況です。

このようにデザイン上のハードルは高いものの、それをクリアしないと付加価値をプラスできない。このジレンマを克服するため、今回は、アートディレクションを岡、デザインを出口に委ねることにしました。ふたりとも歴代の"ポケットビット"を手がけてきており、十分な経験があります。特に出口は、USM-Jシリーズのスライドアップスタイルの「生みの親」であり、設計担当者とのコミュニケーションもスムーズなはず。この体制なら、デザインの立場から、何か新しいアイデアを提案してくれると期待したのです。

新しいスライド機構へのチャレンジ

岡 広樹氏

岡:私が考える"ポケットビット"とは、「情報がたくさん書き込める筆記具」。ペンのように毎日使う「道具」のイメージです。そんなプロダクトほど完成度が大切で、ちょっとでも使いにくさや手を煩わせる部分があると、とても気になるものなんですよね。

あらためてスライドアップスタイルを見てみると、確かにキャップを着脱する手間がないし、キャップの置き場に迷うこともありません。しかし、全長をもう少し短くできれば、パソコンに抜き差しする際、どこかにぶつかる煩わしさが減り、さらに使いやすさがアップするだろう。そう出口に発案しました。

出口:その点は、私も何とか解決したいと思っていたところです。しかし、ひと言で全長を短くするといっても、内部構造上の限界があります。一方で、キャップレスのメリットは捨てられません。容易ではないテーマでしたが、あえてそこにデザイナーと設計者がアプローチしてこそソニーの流儀。新しいアイデアを求めて、スケッチを描きはじめました。

そこで思いついたのが、ノックスライド方式でした。スライドアップスタイルの場合、外装の内部を端子が移動します。使用時は、端子の分だけ内部に空間が残っているわけです。一方のノックスライド方式は、全長を変えることなく、外装側がスライドして端子を保護・露出する仕組みです。

コンパクトに使えるため、パソコンのUSBポートの周りにスペースがなくても、余裕をもって接続することができるでしょう。はずすと自動的に端子が収納されるので、あらためてノックする必要もありません。限られたスペースで使われることが多いノートパソコンでは、この小ささが大きなメリットになるのではないかと思います。

USB Memory "POCKETBIT" USM-L/LX series
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