RDP-X Series
[ 2012.3.9 up ]

ヨーロッパから世界に飛び立つデザイン

ソニーのドックスピーカー「Xシリーズ」が、さらに洗練されました。デザインを担当したのは、ロンドン郊外にあるソニーデザインセンター・ヨーロッパ。その端正で落ち着いた佇まいが、世界各地で好評を博しつつあります。ソニーデザインの普遍性を示す、新しい好例です。

石井 大輔
石井 大輔
Sony Europe Limited
デザインセンター・ヨーロッパ
アートディレクター
Mirko Goetzen
Mirko Goetzen
Sony Europe Limited
デザインセンター・ヨーロッパ
シニアデザイナー
前坂 大吾
前坂 大吾
Sony Europe Limited
デザインセンター・ヨーロッパ
シニアデザイナー

ヨーロッパ発のワールドワイド仕様

石井 大輔

石井:2012年1月、アメリカのラスベガスで開催されたCES(※)で、ソニーは新しいRDP-Xシリーズを発表しました。

ラインアップは5モデル。中でも上位2機種は新開発のオーディオテクノロジーを採用し、臨場感があふれる音場、エネルギー感のみなぎる重低音を実現しています。待望のハイエンドモデルの登場です。「ワイヤレス接続を意識した次世代オーディオの世界をリードしていく」という、ソニーの意思を込めたプロダクト群となっています。

それだけに、デザイン開発には慎重を期しました。特にヨーロッパ市場にはデザインや音質に優れたブランドが多く、ユーザーにリーチし、満足していただくのはチャレンジングです。サウンドクオリティをしっかり訴求するのはもちろん、ソニーブランドのプレゼンスを高めるアイコニックなデザインが必要です。

そこで、デザインを決定するにあたり、関連拠点によるコンペティションを行うことになりました。参加したのは、メインマーケットの1つである欧州にベースを置くソニーデザインセンター・ヨーロッパ、生産設計拠点に近い上海デザインセンター、そして日本のクリエイティブセンター。さまざまな価値観や環境にあるデザイナーのアイデアから、デザインの方向性を見出そうというわけです。

コンペティションの結果、デザインセンター・ヨーロッパのメンバーが提示した案が採用され、デザイン開発を手がけることになりました。コンペで支持された案は極めてシンプルな欧州ならではのデザインテイストでしたが、商品は全世界展開です。我々はコンペで採用された案をもって北米などとの商品会議に同行し、実際にデザインの説明にあたりました。こうして海を超えたデザイン開発と市場展開が決定したのです。

※CES:Consumer Electronics Show。家電製品等に関する世界最大の総合展示会

ヨーロッパマーケットの感性に寄り添う

RDP-X Series

石井: コンペで方向性が決まると同時に、まず競合他社がひしめく欧州市場でのリサーチを開始しました。デザイン開発にあたり、ユーザーの感性にフィットするデザインを実現するためのバックアッププランが必要だったからです。

そのリサーチとは、欧州内数か国で行ったユーザーインタビュー。印象的だったテストは、プラスチック、金属、木、布など、オーディオ機器の分野でよく使われる素材をさまざまな処理で用意し、さらに、それらを組み合わせて好みを選んでもらう、というものでした。すると、意外なほどハッキリした傾向が確認できたのです。

それは、ヨーロッパのユーザーの素材に対する強いこだわり。圧倒的に支持されたのは、深い輝きをもつ金属の質感でした。これはまさに、コンペでデザインセンター・ヨーロッパの提示した案に理想的な素材でした。というのも、採用されたアイデアは、重心の低いフォルムで重低音の力強さや音場の広がりを表現しつつ、手に触れる部分には切削のアルミニウムを使い、見た目の質感と操作時の触感を高める、というもの。市場のニーズとデザイナーの嗅覚が合致したということになります。

リサーチで実際に我々のアイデアに明快な確証が得られたことで、新Xシリーズ全体の核となるイメージが固まりました。商品開発から、プロモーション展開まで、設計、デザイン、マーケッティングが一丸となり商品の着地にむけ明快なビジョンが共有できたのは、実に大きなメリットでした。

|1|23