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Feature Design Sustainable Package
[ 2009.10.26 up ]

人と環境への、新しい提案

バージン材は可能な限り使わない。再生しやすいものを採用する。これまでもソニーは、パッケージを通じて環境問題に取り組んできました。その発想をお客様本位でさらに展開し、適切なパッケージの処理の促進と、パッケージを開くときの高揚感や喜びを高めるようという試みが、ソニーのサステナブルパッケージです。その活動の一端を、ご紹介します。

長坂 佳枝
長坂 佳枝
ソニー(株)
クリエイティブセンター
シニアプロデューサー
畑 雅之
畑 雅之
ソニークリエイティブワークス(株)
プロデューサー/シニアデザイナー
市村 武士
市村 武士
ソニークリエイティブワークス(株)
デザイナー
金田 紗季
金田 紗季
ソニークリエイティブワークス(株)
デザイナー

「捨てる」を見つめる

長坂:人と社会、環境のために、デザインは何ができるか。私たちはエコロジーやユニバーサルデザインといった視点からデザイン開発を行い、社内外に向けた提案・啓発活動を進めてきました。そのテーマのひとつに、パッケージのサステナブルデザインがあります。

そもそもパッケージは、お客様が製品を購入して真っ先に触れる「最初のタッチポイント」。ここにメーカーの志やメッセージが、最も端的に表現されていなければなりません。一方で、ほとんどのパッケージは短命で、開梱と同時に捨てられるものも少なくないでしょう。私たちが着目したのが、その「捨てる」という行為でした。考えてみれば、「捨てる」ことはお客様にとって煩わしい作業です。しかし同時に、分別回収の進んだ国では、リサイクルの入り口でもあります。だからこそ、環境やユーザビリティのためにできる新しい提案があるのではないか。ソニーの社会的責任として、しっかり答えを出さなければならないのではないか。そう考え、私たちはデザインプロジェクトをスタートさせることにしました。

デザインすべきは、お客様とソニーの新しい関係

長坂:まず私たちが取りかかったのが、パッケージのライフサイクルの検証です。お客様が製品を手にしたあと、パッケージは「どう使われ」「どう捨てられる」のか。国内調査を行ったところ、ポータブルオーディオプレーヤーやカメラのように外箱がかさばらず、アクセサリーも多い製品は保管される割合が高いと確かめられました。意外だったのはパソコンですね。転売や修理のために保管されていると想定していたのですが、実態としては、予想以上にすぐに捨てられることが多かったのです。

大切なのは、そのようなライフサイクルを考慮し、最適なデザインを開発することです。一般的にパッケージは、主に店頭での見栄えなどにフォーカスしてデザインされるもの。しかし実際には、お客様とパッケージの関係は「捨てる」「手放す」瞬間まで続いています。ならば「不要なものは捨てやすい」「迷うことなく分別が促される」パッケージこそが、お客様と環境にベネフィットがあり、よいデザインといえるはず。それは従来のパッケージがフォローしきれていなかった部分であり、まさに「ソニーとお客様の新しい関係をデザインすること」であると、私たちは考えました。

具体的なデザインのポイントは、4つのキーワードに集約できます。ひとつめは「マテリアル(Material)」。石油由来の素材を可能な限り使わないこと、再生材を使うこと。いわゆるReduce、Reuse、Recycle、Replaceです。続いて「ユーザビリティ(Usability)」。開けやすいこと。分解しやすく、分別を促す構造を考えること。次は、それをきっちり表示し、お客様に理解してもらう「インフォメーション(Information)」。そして最後が「アウトオブボックス・エクスペリエンス(OOBE)」。パッケージを開けたときに、おもてなしやエコプレミアムな体験を提供しようという意味です。

畑:ここまでの調査と議論を経て、プロジェクトはいよいよ具体的なデザイン開発に取りかかりました。私が担当したのは、VAIOノート。「すぐに捨てられてしまう」という調査結果に照らすと、より製品が取り出しやすく、リサイクルにも出しやすいパッケージデザインが求められます。と同時に、私はパッケージを薄くしたいとも考えました。持ち帰るときに便利ですし、スリムな製品の魅力も伝えられ、一石二鳥です。何より一台のトラックで運べる数が増えるわけですから、物流にかかるコストとCO2の排出量を削減することにもつながります。そのためには、どのような意匠と構造がよいか。自分で段ボールを切り、折ってみては試行錯誤を繰り返しました。

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