SONY

メニュー
サイト内検索ボタン

サイト内検索エリアを開く


Feature Design TDG-BR100/BR50
[ 2010.10.22 up ]

3D時代を先見する眼

2010年は、「3Dテレビ元年」。ソニーは3Dテレビと合わせて、3DメガネTDG-BR100/BR50を開発しました。大人から子どもまで、しっかりカバーするフィッティング性。3D視聴に最適化されたスタイリング。ソニーがつくると、メガネもこうなります。

湯山 恭男
湯山 恭男
ソニー(株)
クリエイティブセンター
統括課長
清水 直人
清水 直人
ソニー(株)
クリエイティブセンター
デザイナー
横関 亮太
横関 亮太
ソニー(株)
クリエイティブセンター
デザイナー
佐藤 寛志
佐藤 寛志
ソニークリエイティブワークス(株)
インフォメーションアーキテクト

メガネもテレビの一部と考える

湯山:ソニーがまだ3Dテレビを研究開発していた当時、日本では3D映画の上映を行っている映画館は極めて稀でした。作品内容もアトラクション的だったためか、メガネのデザインがオモチャ的だったり、顔と不釣り合いな大きさだったりしていました。いよいよ3Dテレビの時代が本格的に始まろうというのに、これではなかなか夢が膨らまないですよね。そこで、ソニーでは3Dテレビを普及させるため、TV本体と同様にデザイン的にも機能的にも優れた3Dメガネが必要だと考えました。

しかし、プロダクトデザイナーにとって、これは手強い案件です。そもそもメガネは、個人の顔に合わせて選ぶもの。「万人に似合う」スタイリング、「誰でもかけられる」フィッティングといったものが、はたして可能なのでしょうか。そのうえ、3Dテレビは新しいカテゴリーだけに、メガネデザインにも「新しさ」が期待されます。視力矯正用メガネとの重ねがけや、長時間使用しても疲れにくいことなど、さまざまな配慮も必要です。最初は呆然としましたが、最後は自力でやるしかないと、私たちも腹をくくりました。メガネ業界でも、フィッティングの法則はあるものの、最後は試行錯誤を繰り返しているらしく、その辺りは私が普段担当しているヘッドホンと同じだと考えると、少し気が楽になりました。

私たちは、まず、考えうるすべてのアイデアを洗い出すことにしました。見慣れたメガネとは違う、3Dメガネらしさとは何か。そもそも、本当にメガネの形状である必要があるのか。それらを検証することで、デザインのヒントが見つかると期待したのです。

3Dメガネの原型づくり

横関:3Dメガネらしさの追求をテーマに、デザインに着手しました。音と映像をリンクさせる、ヘッドホン一体型。フルフェイスのサンバイザー型。頭からかぶり、額で保持するオーバーヘッド型。頭に巻きつけるヘッドバンド型。思いつくアイデアをすべてスケッチにして、立体化してみました。

その結果わかったのは、斬新なカタチになるほど「どうかけてよいか、わかりにくくなる」ことです。テレビを観るときに使うものだから、シンプルでかけやすいものが理想。そう考えると、「誰でもパッとかけられる」メガネに勝るものはなさそうでした。

また、視力矯正用のメガネとの重ねがけも考慮しなければなりません。そこで、オーバーグラスを研究することにしました。花粉症対策や、ホコリの多い工事現場などで目にする、ゴーグル型のメガネです。オーバーグラスは、重ねがけに適した形状をしていますし、ひさし状のフレームを利用して外光を遮れるので、映像に集中できるメリットもありました。ただし、何か工夫をしないと、格好良さからは程遠いものになってしまいます。

試行錯誤の末、メガネが持つアイコンを変えればよいと気がつきました。メガネのアイコンは、レンズの「面」とテンプルの「線」という2次元的な構成です。そうではなく、テンプルからフレームまで、連続的につながる3次元的な形状にすることで、メガネらしい「わかりやすさ」と、メガネらしくない「新しさ」を両立できると考えたのです。

いわば塊の中にレンズがある造形イメージで、基板の実装という面でも融通がききそうです。ただ、3Dメガネの液晶レンズは平面なので、これをどう顔になじませていけばよいか、課題も少なくありません。

|1|23