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Feature Design VAIO X Series
[ 2009.11.27 up ]

妥協を捨てたフルフラット

約13.9mmの驚異的な薄さと、フルフラットの美しいフォルム。すみずみまで配慮の行き届いたデザイン。新鮮な驚きにあふれた、新しい“VAIO”の登場です。なぜ、ソニーはそれを開発できたのか。ヒントはデザイナーの言葉に見つかります。

長坂 佳枝
柘植 隆弘
ソニー(株)
クリエイティブセンター
統括課長
畑 雅之
森澤 有人
ソニー(株)
クリエイティブセンター
デザイナー

設計者が夢見た約13.9mm

柘植:“VAIO”のデザインを統括する立場として、さまざまなモデルの開発に携わってきましたが、今回の案件は特殊でした。事業化の話がないところで、一部の設計者たちが「こんな“VAIO”をつくりたい」と自主的に検討をはじめ、モックアップまで作成してしまっていたのですから。私たちがそのモックアップを初めて目にしたのは、彼らの提案によって事業化が決まった後のことです。

提示されたモックアップは、薄さ約13.9mm。彼らも設計者だけに、大きなパーツの見当はつけていたようですが、細かな部分は「これから何とかしよう」という状態。長いこと“VAIO”のデザインを手がけていると、そういうことはひと目でわかるものなのです。そのままでは、「絵に描いた餅」で終わってしまうのではないかと思いました。


“VAIO”ノート505エクストリーム

とはいえ、そのモックアップを見てトップが事業化を決めた以上、いまさら厚みを増すことなどできない相談です。実際に図面を引く設計者と相当に深くコミュニケーションできるデザイナーでなければ、この案件はこなせないでしょう。そのとき名乗りをあげてくれたのが、かつて「”VAIO”ノート505エクストリーム」のデザインを手がけた森澤でした。

フルフラットにかけた執念

森澤:2003年の「”VAIO”ノート505エクストリーム」では、当時の技術水準や開発スケジュールなどの制約があり、ワイヤレスLANやLANコネクター、VGAコネクターなどを外付けにせざるを得ませんでした。しかし、できれば本体に内蔵させたかった、というのが私の本音。今回は、当時できなかったことをすべて消化する、絶好のチャンスだと思いました。

まず取り組んだのが、LANとVGAのコネクターです。一般的な部品は、どちらも本体より厚く、実装することができません。その部分だけ本体の厚みを増やすか。それとも「”VAIO”ノート505エクストリーム」のようにアダプターを介して接続する仕様とするか。いずれも、私には許せない選択でした。


(左)LANコネクター/(右)VGAコネクター

唯一の解決策は、部品そのものを新規に開発することです。設計者と協力し、LANコネクターは開閉式の構造を採用。ポイントは、カバーそのものをコネクターの一部にしたことです。閉じた状態では無駄な空隙がなく、カバーを開くと空間が広がってプラグを挿入できるようになります。気がかりはカバーの強度でしたが、無理な力がかかれば「壊れる前に外れる」という構造を設計者が考えたことで、無事に実現することができました。

VGAコネクターも難しかったですね。普通の部品はリング状の金属をはめ込み、絞りをかけて圧着させるため、無駄なたるみや見苦しいシワが出てしまうのです。フルフラットにこだわるなら、外装で隠す余裕はない。ならば、露出しても美しく、薄いコネクターを開発してしまおう。私たちはHDMIコネクターをヒントに、板金で巻きつける方式を検討しました。成果は、ぜひ製品をご覧いただきたい。レガシーと呼ばれるコネクターをあらためて新規開発するなんて、ソニーくらいのものではないでしょうか。

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