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Feature Design VAIO X Series
Feature Design VAIO X Series

バッテリーにも機能美を

森澤:Xバッテリーは、開発も最後の大詰めに差しかかったころ、突然にデザインの依頼がきたもの。私たちも設計者も、まさに寝耳に水です。普通なら依頼を断ってしかるべき話でした。しかし、私の中では「最長で約20.5時間も使えるのは、ユーザーにとって魅力的だ」という思いもあり、あえてデザインすることにしたのです。

サーマルディフューズ機構のデザインのヒントは、ハイヒールです。しかし、最終的にはスポーツカーのエアロパーツのように、マッシブな印象に仕上げました。軽やかさと力強さ、バッテリーによってふたつの表情が楽しめるのも、面白いと考えたからです。また、Xバッテリーを取り付けると斜度がつき、タイピングもより快適になります。このとき、強いタイプ圧でも本体がたわまないよう、背面から5点で本体を支える構造です。

着脱には、当初、ラッチ構造を使うという案がありました。しかし、そのためには背面に大きな穴を開ける必要があります。Xバッテリーを使わないユーザーには、意味のない穴です。私にはそれが許せず、代わりにネジ留め方式を設計者に提案しました。本体ですでに使われている既存の小さな部品2つで実現でき、コスト、実装、意匠の面でも合理的な判断だったと思います。

限界の先への挑戦

森澤:特別なモデルであることの象徴として、”VAIO”バッジにはピンクゴールドをあしらいました。また、女性にも使ってほしいという思いから、ゴールドのカラーバリエーションを用意しています。

金属の”VAIO”バッジにムラなくピンクゴールドを着色するのは、実は簡単ではありません。また、アルミニウムのボディとカーボンの外装を同じゴールドに仕上げるのも、難しい作業です。おかげで、色出しでは大変な思いをすることになってしまいました。

コネクターの新規開発やリジットアークデザインの採用、ピンクゴールドの”VAIO”バッジ。コストのかかる話ばかりしてしまいました。しかし、その分、私も事前に生産ラインを確認し、一部部品やネジを一つでも少なく、種類を減らし効率よく生産できるよう心がけました。さらに、より少ないプロセスで深い色が出せるよう、塗料の検討も行っています。デザイナーと設計者の、このような無数のそして密な共同作業によって、トータルコストを抑えているのです。そして、私たちのこだわりに応えてくれた、部品や塗料などのメーカー。今回のモデルは、開発を巡るすべての人々の協力関係があって、初めて実現できたのだと思います。

柘植:この案件は暗礁に乗り上げることが多く、正直、頓挫してしまうのではないかと思ったことも一度や二度ではありませんでした。それを乗り越えられたのは、この案件こそ「ソニーとして一番やらなくてはならないもの」という共通の意識があったからです。PC市場の中で、モバイルノートは決してメインストリームではありません。しかし、ソニーらしさを語るとき、最も重要なカテゴリーですから。

今回のモデルは、まさにノートのように薄く、誰もが気軽に持ち歩けます。しかも性能に妥協はなく、ビジネスでハードに使えるモデルです。同じATOMでも、ソニーは違う。手にした瞬間、それを実感できることと思います。

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