Feature Design WALKMAN X Series
[ 2009.4.14 up ]

妥協のない「本質」表現

"ウォークマン"の新しいフラッグシップが、満を持しての登場です。「聴く」「見る」「操作する」というポータブルプレーヤーの本質を、徹底的に追求したXシリーズ。その完成度の高さは、目の肥えた"ウォークマン"ファンをして「待った甲斐があった」とうなずかせることでしょう。

塩野 大輔氏
塩野 大輔
ソニー(株)
クリエイティブセンター
シニアプロデューサー
清水 直人氏
清水 直人
ソニー(株)
クリエイティブセンター
デザイナー
新島 誠氏
新島 誠
ソニー(株)
クリエイティブセンター
プロデューサー/デザイナー
浅井 聡氏
浅井 聡
ソニー(株)
クリエイティブセンター
デザイナー

過去のすべての"ウォークマン"を超える

塩野:"ウォークマン"はソニーの代名詞ともいえるブランドです。開発にあたっては、つねに「オーディオ&ビジュアルのメーカーであるアドバンテージを余すことなく活かし、サウンドのクオリティと表示の美しさを追求したい」という、強い想いがあります。

一方で、デジタル技術とネットワークの進展に伴い、ユーザーから新たなニーズも寄せられるようになりました。そのひとつに、無線LAN通信機能があります。プロモーション・ビデオのストリーミング配信や、ポッドキャストからダウンロードできる数々の番組。それらの膨大なコンテンツを、パソコンに縛られることなく、どこでも気軽に楽しみたい、というわけです。

Xシリーズは、このような私たちの熱意から生まれました。無線LAN通信機能やタッチパネル、有機ELディスプレイやデジタルアンプ「S-Master」。これら新技術と最新デバイスをバックボーンに、「聴く」「見る」「操作する」というポータブルオーディオプレーヤーの本質を妥協なく磨き上げた、"ウォークマン"のフラッグシップです。

アイデンティティの新たな解釈

清水:私はプロダクトデザインを担当しました。Xシリーズで意識したのは、そのような「本質へのこだわり」をミニマムに表現することでした。単にカードサイズのボディに液晶ディスプレイを載せただけでは、いかにも凡庸。しかし、ミニマムな要素で"ウォークマン"のアイデンティティを表すことは容易ではありませんでした。そこで私が着目したのは、ボタンと側面フレームの造形です。

よく見ていただくと、Xシリーズのボタンはすべて丸で統一されています。これは、Sシリーズから採用された「スリーサークル」というテーマを踏襲した結果なのです。Sシリーズでは、三つの丸いボタンがリズミカルに配置されていて、「楽しさ」と「使いやすさ」を表現しているのですが、Xシリーズでも「HOME」ボタンと「HOLD」スイッチ、上面のオーディオコントロールボタンと、すべてに「スリーサークル」のテーマを展開しました。単純に考えると、タッチパネルを採用した以上、このボタンはなくてもよさそうなもの。しかし、これらのボタンがあることで、たとえば、ウェブや写真を見ながらオーディオ機能をコントロールできますし、混んだ電車内などでは、本体をポケットに入れたまま、指先の感覚だけで操作することができます。つまり、3つのボタンで、"ウォークマン"らしさを意匠とユーザビリティの両面から表現できるわけです。操作する楽しさが実感できるよう、「HOLD」スイッチは配置や大きさやクリック感にもこだわりました。

また、現行のSシリーズは、折り目あるフレームが外周をまわっていて、薄さや軽快な印象を表現しています。その発想をXシリーズにも継承しました。ポイントは、Sシリーズの形をそのまま再現するのではなく、正面四つ角の丸みを小さめにし、フレームの折り目を中心からずらして鋭くしたこと。こうしてエッジを立たせることにより、従来の親しみやすい雰囲気とは違う、フラッグシップらしいシリアスな表情が生まれると考えたからです。

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