イメージセンシングプロダクツ / Image Sensing Products

ソニーが永年培ってきた、世界に誇るイメージセンサーを搭載するISP製品はマシンビジョンの『機械の眼』として"正確"に「撮る」「録る」「捉える」を実現し、画像処理、検査、監視、ロボットなど、多様化する産業用、セキュリティ用ニーズにお応えするカメラです。多彩なラインアップは、さまざまなシーンへの展開をご提案します。

ソニー製グローバルシャッターCMOSセンサー搭載カメラ
開発者・商品企画担当者 インタビュー③

ソニー製グローバルシャッターCMOSセンサー搭載カメラの「高信頼性」について、開発者および商品企画担当者に原理や技術、導入時におけるメリットをインタビューした。

インタビュー

キーワードは、「耐振動・衝撃性」「耐熱性」「静電気対策」「メカ精度」 XCG-CGシリーズ XCL-SGシリーズ

概要・原理・技術

斎木:まずは、設計担当よりグローバルシャッターCMOSセンサー搭載カメラの高信頼性の概要や技術について解説をお願いします。

① 耐振動性、耐衝撃性、耐熱性

店網:ソニーでは約20年前に振動試験の評価基準が確立し、それ以来、新機種は試作の段階で必ずこの試験をクリアすることが出荷の条件となっています。
この評価基準は、FA業界の中で最も使用条件が厳しいと言われている高速マウンターに加速度計を設置し実測したデータを基に決めています。これにより現在に至るまで圧倒的に低い市場故障率を実現しています。
さらに、加速の理論式を用いて、評価時間を実際の使用時間よりも短縮しています。
これにより、新機種の開発がスタートしてから出荷されるまでの短い期間の中でも、長期の信頼性が確保できています。

また、今までの振動試験で得られた、貴重なノウハウ(基板の保持構造、部品配置の最適化、振動抑制機構など)を設計に生かし、品質のさらなる向上を実現しています。
試作の段階では、落下衝撃試験を実施し大きな衝撃(加速度)を受けた際にも、カメラに異常がないことを確認しています。
また、熱シミュレーションを実施し熱が1か所に集中することなく、熱源から均等に拡散するような、最適な放熱構造となるように検証を行っています。

振動試験設備
振動試験設備
落下衝撃試験設備
落下衝撃試験設備

■放熱対策

放熱対策

■耐振動・衝撃スペック

  GigE Vision Camera Link
XCG-CG240/XCG-CG240C
XCG-CG510/XCG-CG510C
XCL-SG510
XCL-SG510C
耐振動性 10G(20~200Hz X,Y,Zの各方向20分)
耐衝撃性 70G
斎木 嘉春 テクニカルサポート担当
斎木 嘉春
テクニカルサポート担当
店網 秀夫 メカ設計リーダー担当
店網 秀夫
メカ設計リーダー

② 静電気対策

野見山:マシンビジョンカメラは、昨今の小型化かつ高機能化の要求で、カメラ内の部品密度が高くなってきました。そのため、筐体と部品、部品間の距離が近くなり、内部に静電気が飛び移りやすく、対策の難易度が上がってきています。
XCG-CGシリーズでは、Ethernetケーブルから電源供給するPoE(Power over Ethernet)に対応しましたが、PoE給電時はカメラが周辺設備から電気的に絶縁されているため、静電気の逃げ道がなく、破壊に至るリスクが大きくなりました。
そこでソニーでは、設計の上流段階から、カメラ内の静電気に弱い箇所の洗い出しを徹底的に行い、部品一つずつを確認し、静電気に弱い部品に関しては保護するようにしています。

高密度な部品配置設計

頴川:電気的に絶縁されているPoE周辺回路は特に静電気に弱いため、部品密度を高めながら適切な絶縁距離を確保する基板レイアウトを実現しました。
さらに、3D CADにて、筐体、ビス、実装部品など全ての部品の配置を3次元で検討を行い、適切な絶縁距離を確保できる構造設計を行っています。評価においても安全規格で定められた評価基準より厳しい社内基準評価をクリアすることにより、高い製品品質を保証します。

野見山 陽 電気設計担当
野見山 陽
電気設計担当
頴川 聡 設計プロジェクトリーダー
頴川 聡
設計プロジェクトリーダー

③ メカ精度

店網:イメージセンサーの有効画素位置は、外形基準(パッケージの側面)に対して、 X方向、Y方向、θ方向に位置ズレの誤差を含んでいます。そこでソニーでは、イメージセンサーの基準位置に対して、1台毎にX方向、Y方向、θ方向で位置調整を行っています。 これにより、位置ズレの誤差を最小化することができ、量産中も常に安定した高い品質をキープします。
フランジバック調整も、専用の設備にて1台ずつ測定し、ミクロンオーダーの調整を行うことで量産バラツキを抑えています。
また、耐振動性、耐衝撃性を満足するような調整機構を採用することで、高い信頼性と品質を確保しています。

放熱対策

④ 傷、ゴミ対策

店網:イメージセンサー周辺の光学系の部品は、ソニー独自の非常に厳しい品質基準をクリアしたものだけを採用しています。
例えば、ソニーの製造事業所に部品を輸送する際にも、傷やゴミがつかないよう梱包形態にも細心の注意が払われています。
製造過程においては、アッセンブリー中にゴミなどが混入しないように、クリーンな環境を常時維持しています。
また、アッセンブリー後は傷やゴミなどの不具合がないかを製造工程中で全数検査しており、出荷後においても、顧客先での使用中にもゴミが入らないように、右記のような密閉構造を採用しています。

ユースケースとメリット

斎木:次に、具体的なユースケースやメリットを商品企画担当より説明をお願いします。

① 耐振動・衝撃性

神戸:自動車など製造ラインにおける産業用ロボットや電子・電気部品など製造装置内にマシンビジョンカメラが採用されるような場合、マシンビジョンカメラは振動負荷のかかる可動アーム上、あるいは可動部付近に設置されるケースが多くあります。
ロボットや電子・電気部品など製造装置の動作環境下でのダウンタイムによる製造ロスは非常に大きな問題であり、ロボット・装置稼働のトリガーとなる重要コンポーネントであるマシンビジョンカメラが振動によって破壊されることは許されません。
ソニーでは、これら含めさまざまなユースケースを考慮した振動耐久性設計を行い、システム信頼性に貢献しています。

② ノイズ耐久性

能勢:産業用ロボットや製造装置などは、その周辺や内部で、搬送、位置合わせ、ダイシング、溶接など用途・目的に応じて、さまざまな“稼働”が発生し、カメラの周辺に静電ノイズが発生しやすい状況が起こります。前出のように、装置が小型化するとなおさら静電ノイズの発生の可能性は高まります。
ソニーのマシンビジョンカメラは静電気対策を充分に施し、万一、カメラに静電負荷がかかっても安定継続稼働し、システム信頼性に貢献します。
また、産業用ロボットや製造装置には限られた空間における配線の最適化というニーズがあり、よりシンプルなケーブルオペレーションを行うという需要が高まっています(第1回 IEEE1588 メリット参照)。 これに対してソニーのGigE VisionカメラXCG-CGシリーズは、PoE(Power over Ethernet)、およびIEEE1588に対応しており、ケーブル一本で電源供給やトリガー入力、画像転送を行えるだけでなく、前述のように適切な絶縁対策をカメラに施し、PoEを安心してお使いいただけるよう心がけ、お客様のシステムにおける省配線と安定稼働の両立を実現しています。

③ 設置容易性

神戸:製造の現場では、同一工程が並行して複数のラインにまたがって構築されることが多く存在し、個々のラインに対して同様のマシンビジョンシステムが導入されています。
ここにミクロン単位の分解能が求められている検査が行われているとすると、マシンビジョンカメラの、イメージセンサーのマウント精度、レンズマウント精度(フランジバック精度)、対装置設置精度などにバラツキのある場合、ラインごとに細かい調整が求められ、条件出しを含め膨大な設置工数が発生します。
例えばカメラのフランジバック精度が適切でない場合、たとえフォーカス調整機構のあるレンズでもInf.側、MOD(Minimum Object Distance)側でフォーカスが合わせられないケースが発生します。
ソニーでは、カメラ間でのこれらメカ精度のバラツキがないように設計・製造が行なわれていることから、導入に際しての設置工数負荷を最小化します。

神戸 良 商品企画担当
神戸 良
商品企画担当
能勢 暁彦 商品企画担当
能勢 暁彦
商品企画担当

グローバルシャッターCMOSセンサー搭載カメラの高信頼性のメリット
① 耐振動・衝撃性 ② ノイズ耐久性 ③ 設置容易性

第4回 開発者・商品企画担当者インタビューは、12月を予定。

評価機の貸し出し、お見積もり、およびご購入は特約店へお問い合わせください。

記事のレビュー

アンケートにご協力をお願いします。

Q1.内容は参考になりましたか?
Q2.弊社マシンビジョンカメラの採用状況について教えてください。
Q3.業種を教えてください。
Q4.職種を教えてください。