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Life Space UX ニュース

空間そのものを活用して体験を創出する「Life Space UX」。
ソニーはさまざまな活動を通して、その体験の場を提供しています。

Life Space UX

多摩美術大学 「光と音、新しい体験のデザイン」(上)

[ Report ] 2015.09.01

こんにちは、ライターの宮越です。今年の4月から7月にかけて、多摩美術大学3年生の皆さんが、Life Space UXのLED電球スピーカーを用いた体験のデザインに挑戦しました。

これは、多摩美術大学とソニーがスキルや知見を共有し、新たな価値やデザインを創出していこうというプロジェクト。

学生の皆さんにとっては、開発者やデザイナー、商品企画などの担当者と交流しながら具体的なテーマに沿ったデザインのスキルを磨く機会となり、ソニーの企画・開発チームにとっても、学生さんの柔軟な考えやものの見方に刺激を受ける機会となりました。

プロジェクトのメンバー

プロジェクトのメンバーは、情報デザイン学科情報デザインコース デザイニング・エモーションゼミの宮崎光弘教授と、同ゼミでインターフェースやインタラクション、コミュニケーションのデザインを学んでいる3年生12名、そしてソニー TS事業準備室の開発者、デザイナー、商品企画/マーケティング担当者の皆さん。

“デザイニング・エモーション”ゼミでは、人の感情や感覚に働きかける「共感」のデザインを
モノとコトの視点から研究し、実践する活動を行っています。“デザイニング・エモーション”とは、同ゼミを率いる宮崎教授が提唱し、研究しているテーマです。

宮崎教授とデザイニング・エモーションゼミの皆さん
宮崎教授とデザイニング・エモーションゼミの皆さん

今回のプロジェクトについて、宮崎先生に教えて頂きました。

宮崎先生:「私のゼミでは、さまざまな企業やNPOとの協同プロジェクトを行っています。この度参加する3年生にとって、企業とのコラボレーションワークに挑戦するのは今回が初めてです。課題ではLED電球スピーカーを題材に、日常生活における光と音と人の関係に着目し、自身や周りの人の日常を観察。そして、光源と音源が融合することで人は何を感じ、どのようなデザインの可能性が生まれるのかを考察していきます。作品にはLED電球スピーカーを使い、人が実際に体験できるモノ/コトをデザインします。」

プロジェクトの様子

多摩美の“情デ”こと情報デザインコースといえば、ユニークな才能が集い、様々なジャンルのデザイナーや映像クリエイターを輩出している学科です。

若き学生さんたちがLife Space UXの体験をデザインするとどうなるのでしょうか。
学生さんにとってもLife Space UXチームにとっても、未知なる挑戦のはじまりです!

Step1:知る

展示物についてメモを取る学生さん

4月24日(金)、ゼミのメンバーは品川にある「ソニー歴史資料館」に集合しました。
ここにはソニーの歴史をふり返るアーカイブスや日本初のテープレコーダー、放送業務用システムなどが展示されています。

ソニー歴史資料館 館内

館内には、ソニー創業者の井深大さんと盛田昭夫さんが「ソニーとは何か」を語るメッセージ映像が見られるコーナーも。

井深さんは「技術者がその技能を最大限に発揮することのできる“自由闊達にして愉快なる理想工場”を建設し、技術を通じて日本の文化に貢献すること」「人のやらないことをやる」を理念に、数々の日本初・世界初の商品を世に送り出していったのだそう。

まるで、学生さんたちを励ましているような言葉ですね。

この後、ソニーグループの新製品や映像・音楽・ゲームなどのビジネスについて学ぶ時間も設けられ、創業時の精神から現在までの歴史と、ソニーのDNAにふれて頂きました。

Step2:見つける・気づく

翌週からは、具体的にテーマを見つけ、コアアイデアを生み出す授業がスタートしました。

まずは、光や音にまつわるフィールドリサーチを実施。日常にあふれている光や音が、人にどんな作用をおよぼすのかを観察しました。

「日常で気になった光と音」レポート
小林夕希子さんによる「日常で気になった光と音」レポート(一部)
小林夕希子さんによる「日常で気になった光と音」レポート(一部) 小林夕希子さんによる「日常で気になった光と音」レポート(一部)
小林夕希子さんによる「日常で気になった光と音」レポート(一部)

また、LED電球スピーカーを用いた体験をデザインするため、学生さんに製品を配布し、自宅で自由に使っていただきました。
以下は、学生さんから届いたコメントです。

「天井の電球を付け替えると、上から降ってくる音が新鮮」
「お風呂場に付けてみたら、音が良く聞こえ、明かりも調節できるため、特別な空間を演出できた」
「トイレの電球として使用。狭い空間なので音がこもり、反響してとても居心地がよかった」
「玄関に設置したら、帰ってきた家族が笑顔になった。サプライズ的演出もできそう」
「使う場所がソケットのある所に限られてしまう。電池ソケットが開発されたら、アウトドアや災害時にも使える」
「自分の寝室や勉強部屋なら、既存のスピーカーを使えば良い。美術館など、景観を崩したくない場所に使えるのでは」


一番多かったのは「上から降ってくる音が新鮮」というコメントでした。
音と光の作用をリアルに体験し、さっそくアイデアを思いついた人もいたようです。

Step3:アイデアをかたちにする

中間発表会の様子

じっくりアイデアを練った後は、いよいよかたちにしていきます。
6月からはプロトタイプの制作も開始。
そして6月19日(金)、ソニー本社内にあるSony-Creative Loungeにて中間発表会が行われました。

会場には、教授、ソニーの開発者やデザイナー、企画の方たちがずらり。
学内ではなかなか体験できない機会に、学生さんたちはちょっと緊張気味です。

まずは「ソニーらしさ」のプレゼンテーションからスタート。

阿部桃子さんのプレゼンテーション

こちらは、阿部桃子さんが作画を手がけたプレゼンテーション資料「ソニーの!」。

阿部桃子さんが作画を手がけた「ソニーの!」
画像をクリックすると拡大できます
阿部桃子さんが作画を手がけた「ソニーの!」
画像をクリックすると拡大できます

ソニーのコンセプトを等身大の語り口で表現しつつ、「ソニー歴史資料館」で出会った創業者の言葉を感動的に伝えてくれました。
阿部さんは、たったの1週間でこのマンガを仕上げたそう。
総ページ数は、なんと30ページ!これには感動しました。

こちらは、近岡麗華さんによる手描きのインフォグラフィックスです。
ソニーの理念を木の根に見立て、大きく育った様子を可視化。長年の蓄積が豊穣な土となってソニーの幹を支え、枝葉となっているという概念を絵にしています。

近岡麗華さんによる手描きのインフォグラフィックス
画像をクリックすると拡大できます

続いて、LED電球スピーカーを用いたアイデアやプロトタイプの発表です。

ひとつめのプレゼンテーションは、近岡麗華さん、手塚小百合さん、中島健太さんによる「LED Bulb Speaker サイリウム」。

近岡麗華さん、手塚小百合さん、中島健太さんによる「LED Bulb Speaker サイリウム」

こちらは、ライブの時に観客が手に持つライト「サイリウム」とLED電球スピーカーがひとつになった「LED Bulb Speaker サイリウム」。
ライブで観客全員が「LED Bulb Speaker サイリウム」を持ち、演奏音と照明を担うというアイデアです。

LED Bulb Speaker サイリウムの機能紹介

彼女たちが提案したのは、“ファンとアーティストのどちらが欠けても成立しないライブ”。
会場の音源はすべて「LED Bulb Speaker サイリウム」が担うため、観客がパフォーマンスに参加し、一体感のあるライブが実現するというわけです。本当に実現したら、面白そうですね。

こちらは、内山里紗さん、久保亮太さん、芝崎雄介さんによる「SONY's BAR」。
サブタイトルは“今まで以上にモテるBAR”。一体どういうことなのでしょうか?

LED電球スピーカーを用いて自分でムードをつくれるバーの実演

その心は、光と音の演出によって自分でムードをつくれるバー。
LED電球スピーカーを仕込んだ机の上にグラスを置くと、グラスが照明のように光り、二人だけの特別な空間を演出できるというわけです。
照明とグラス、そしてお酒の色が何とも好相性!完成度の高いアイデアでした。

その他にも、お風呂に浮かべる照明器具「roomoon(ルームーン)」(阿部桃子・川端修史・小林夕希子)や、固定電話の受話器にLED電球スピーカーを装着したコミュニケーションツール「retel(レテル)」(梶みのり・木内沙和子・小松定司)、救助現場のための「ヘッドライトスピーカー」(内山里紗・久保亮太・芝崎雄介)など、日々の暮らしや社会問題から出てきたアイデアがたくさんありました。(敬称略)

中間発表の様子

学生さんたちが企業とコラボレーションしたのは初めてということでしたが、中間発表の時点でも、完成度の高い仕上がりに驚かされました。
次回のレポートでは、オープンキャンパスでの展示の模様をお伝えします!

中間発表会が終わって、みんなで記念撮影
中間発表会が終わって、みんなで記念撮影