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Life Space UX ニュース

空間そのものを活用して体験を創出する「Life Space UX」。
ソニーはさまざまな活動を通して、その体験の場を提供しています。

Life Space UX

多摩美術大学 「光と音、新しい体験のデザイン」(下)

[ Report ] 2015.10.20

こんにちは、ライターの宮越です。前回にひき続き、多摩美術大学 デザイニング・エモーションゼミ(宮崎ゼミ)による、Life Space UXをテーマとしたデザインプロジェクトについてお届けします。
(前半のレポートはこちら

学生さんたちが今回の課題で目指した最終ゴールは、多摩美術大学オープンキャンパスでの展覧会でした。
今回のレポートでは、展覧会の制作過程と7月18日(土)・19日(日)に行われた展覧会当日の模様をお伝えします。

Step4:展覧会をデザインする

7月に入り、展覧会のプランづくりが本格的にスタートしました。
まずは、全員でタイトルのアイデア出し。
「光源と音源が融合したことによる新しい体験のデザイン」という課題内容がわかりやすく伝わる言葉を探り、「ヒカリとオトと」というタイトルに決定しました。

タイトルが決まったら、次はロゴのデザインです。こちらはみんなの意見を受け、梶みのりさんが担当しました。

ロゴデザイン
ロゴデザイン 梶みのり

会場全体のレイアウトと作品説明を提示する展示バナーも、担当者を決めてデザインしました。
宮崎ゼミでは作品をつくるだけではなく、人に見てもらうことも大事にしているので、展示のデザインにも力を入れています。

展示レイアウト
展示レイアウト 中島健太・近岡麗華 (画像をクリックすると拡大できます)
バナーデザイン
バナーデザイン 近岡麗華・阿部桃子/イラスト 小松定司 (画像をクリックすると拡大できます)

学生さんたちはこうした展示づくりと並行して、各々の作品制作も進めていました。
展覧会の直前は他の授業の展示制作もあり、学生さんたちにとっては一番大変な時期だったようですが、みんなで協力して頑張りました。

Step5:伝える・見せる

会場の様子

7月18日(土)、ついに展示がオープン!
会場は受験生や高校生の方でにぎわいました。
ここでは、いくつかの作品をピックアップしてご紹介したいと思います。

こちらは、中島健太さんによる、お母さんと赤ちゃんのためのプロダクト「ヒカリとオトと赤ん坊|SMILE MOBILE」。

ヒカリとオトと赤ん坊|SMILE MOBILE

これは、赤ちゃんが泣きだすとその声に反応してLED電球スピーカーが灯り、赤ちゃんが泣き止むといわれている音を流すというもの。
天井から下がったモビールの中央にLED電球スピーカーが付いており、お母さんのかわりに赤ちゃんをあやしてくれます。
赤ちゃんはこのプロダクトを体験してどう感じたのでしょうか。赤ちゃんの意見も聞いてみたいですね。

こちらは「ヒカリとオトとキッチン」というテーマを選んだ、梶みのりさんの作品。

ヒカリとオトとキッチン

梶さんは自宅でLED電球スピーカーを試用し、料理中に使ったのが一番楽しかったという経験から、キッチンでお母さんがより楽しく、より快適に料理するためのツール「mealamp(ミーランプ)」を考案しました。

これは、スマートフォンの専用アプリを通じて、キッチンに立つお母さんに家族からのメッセージを伝えるというもの。お母さんは「mealamp」の音や光でメッセージを確認しながら、調理に専念することができます。
このほかに、スマートフォンのアラーム機能を利用して、キッチンの環境音で家族を起こすという機能なども。

スマートフォンアプリ mealamp(ミーランプ)
mealamp(ミーランプ) 機能紹介

家族のことを思うお母さんの気持ちをモデルに、スマートフォンを通じたコミュニケーションを設計していたという点がユニーク。心地よい体験が生まれそうな予感がしました。

最後にご紹介するのは、内山里紗さん、久保亮太さん、芝崎雄介さんによる「SONY's BAR」。

SONY's BAR

バーのカウンターにLED電球スピーカーを埋め込み、上にグラスを置くと、グラスが美しい照明に変わるというアイデアです。
こちらのグループは、中間発表の実演でも周りを「おおー」と言わせていました。
そんな三人がつくり上げたのが、こちら。

SONY's BAR バー 展示

中に入ると、そこは照明が落とされたバー。
バーテンダーにすすめられるままにカウンター上のグラスにお酒をそそぐと、グラスが鮮やかに光ります。
LED電球スピーカーに自分のスマートフォンを同期させ、好きな音楽を流したり、光量を調整したりすることもできます。

カウンターに立っていたのは、この作品を手がけた学生さんたち!

SONY's BARを手掛けた学生さん

彼らは展示期間中、ずっとカウンターに立ち、来場者に説明をしていました。
じつはこの時、会場の冷房が壊れていたため、中はかなりの暑さに。汗だくになりながらの接客でした。

SONY's BAR ポスター

“私たちが本当にバーに求めているものは、雰囲気。ほんのり照らす明かりと心地よい音楽があれば、きっと雰囲気に酔えるはず――”そんな仮定から始まった「SONY's BAR」。
雰囲気をつくるためにここまでするとは、圧倒されました。

そのほかにも、手塚小百合さんによるパフォーマーの動きをセンシングしてステージを演出するライト「Live Like Light」や、阿部桃子さんの「カフェの空間を活かした座席誘導サービス」など、力作が揃っていました。

学生さんたちが課題を通してつかんだものとは?

課題の後、「SONY's BAR」の制作者の一人である久保亮太さんは、次のように語ってくださいました。

久保亮太:「今回の課題は、私たちの身の回りにありふれている“光”と“音”を使って新しい体験を生み出すということが難しく、最初のアイデアを出す段階が一番苦労しました。
それからバーにこだわりすぎてしまい、そこで行われる“体験”がおろそかになった時もありましたが、最終的には“バーでの新しい体験”そして“その体験を最大限リアルに味わってもらうためのバーの設え”を理想的なものに仕上げられたと思います。今回の課題を通して、人の感情を客観的・多面的に観察し問題点を発見する、そしてそれをどうやって解決していくかということを学びました。
“光”と“音”という身近なものからテーマを発見することは大変でしたが、それだけに、問題を発見をしたり実験を繰り返したりしながら問題を解決していくという作業がとても楽しかったです。」

今回の課題で学生さんたちの前に大きく立ちはだかった壁は、“音と光を融合させることによって、いかに新しくて有意義な体験を生み出すか”という問題だったよう。
そうしたなか、突破口となったのは、誰かが驚いたり、わくわくしたりする契機――それこそ宮崎ゼミのテーマでもある、人の感情や感覚に働きかけるアイデアだったのかもしれません。
そうして生まれたアイデアをかたちにするのは大変なことですが、一つひとつのプロセスに丁寧に取り組み、ユニークな作品をたくさん見せてくれました。
そのほか、学生さんからは「中間講評の際にソニーの方からアドバイスを受けたことが貴重な体験になった」
「作品の方向性を固めることができた」という声も多く集まりました。

ソニーの企画・開発チームのみなさんも、学生さんたちの自由な発想や気づきにふれて、大きな刺激を得たようです。
ソニー TS事業準備室の戸村朝子さんは「LED電球スピーカーは、新しい存在のプロダクトであり、使い手に使い方を委ねる電球という部品でもあります。今回、プロフェッショナルの卵である皆さんに、まっさらなところから音と光とエモーションの関係を探る研究に取り組み、最後的に作品にまで仕上げて頂いたことは、今後の電球スピーカーの新しい使い方を切り拓く、新たな一頁になったと思います」と語っていました。

ご協力頂いた宮崎先生、学生のみなさん、ありがとうございました!

Life Space UX × Designing Emotion

多摩美術大学 情報デザイン学科 3年 デザイニング・エモーションゼミ

宮崎光弘教授
近岡 麗華

作品名:ヒカリとオトと新感覚ライブ|スピーカーペンライト

梶 みのり

作品名:ヒカリとオトとキッチン|mealamp

小林 夕希子

作品名:ヒカリとオトと贈り物のカタチ|For You

内山 里紗・久保 亮太・芝崎 雄介

作品名:ヒカリとオトとバー|SONY's BAR

阿部 桃子

作品名:ヒカリとオトとカフェ|カフェの空間を活かした座席誘導サービス

阿部 桃子・川端 修史・小林 夕希子

作品名:グループヒカリとオトとリラックス|roomoon

中島 健太

作品名:ヒカリとオトと赤ん坊|SMILE MOBILE

手塚 小百合

作品名:ヒカリとオトとセンサー|Live Like Light

川端 修史

作品名:ヒカリとオトとひまわり|川端 修史

木内 沙和子

作品名:ヒカリとオトと電話|retel

小松 定司

作品名:ヒカリとオトとバルーン|Balloon Bulb