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ソニー、世界へ翔ぶ!
  • ソニー、世界へ翔ぶ!

  • TR-63
 「ポケッタブル(ラジオ)」というと、今では耳慣れた言葉だが、実はこのネーミングを使ったのはソニーが初めてだった。今からちょうど50年前の1957年、ソニー(当時東京通信工業)は当時世界最小のトランジスタラジオTR-63を発売した。最初のラジオTR-55はさすがにポケットには入らなかったが、それからわずか2年、TR-63ではポケットに入るまでに小型化が進んだわけだ。そこで、ポータブルより一段と小さくなったことを強調するために「ポケッタブルラジオ」というキャッチフレーズを考え出したのである。

 しかし、残念なことに既成のワイシャツのポケットに入れようとすると、若干ラジオのほうが大きかった。これでは、せっかくのキャッチフレーズが泣いてしまう。それならと考え出ついたのが、ワイシャツのポケットの方を少しばかり大きくするという“一工夫”。普通のワイシャツのポケットより、やや大きめのポケットを付けた特製のワイシャツを用意して、セールスマンに着用させ、売り込ませることにしたのである。なんとも、実におおらかな時代であった。

  • チャーター機でポケッタブルラジオを大量空輸
    チャーター機でポケッタブルラジオを大量空輸
 TR-63は小型であることに加えて消費電力はそれまでの半分以下ということでたいへんな人気を呼んだ。当時のサラリーマンの平均月収に相当する13,800円という価格にもかかわらずである。このTR-63を契機に、一家に一台だったラジオは、いよいよ一人に一台の時代に入っていく。

 ところで、TR-63で忘れてはならないことが、もうひとつある。それは、この機種がトランジスタラジオの本格的輸出1号機の任を担っていたことである。輸出価格は、39.95ドル。これは大成功で、この年の暮れには輸出が間に合わなくなり、日航機をチャーターしてアメリカに大量空輸するほどであった。まさに、「ソニー、世界へ翔ぶ!」といったところである。

 この翌年、東京通信工業はソニーと社名を変更。間もなく「日本の生んだ世界のマーク」というキャッチフレーズを使い始めることとなる。
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