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ソニーのVTRの歴史はここから始まった
  • ソニーのVTRの歴史はここから始まった

  • 試作途中のVTR内部。中央が録音部、右側が増幅部で扇風機がついているのは、長時間使用による真空管の温度上昇を防ぐためのもの。
 テープレコーダー、トランジスタラジオに始まるソニーの製品史は、一方で「小型化」の歴史でもあった。中でも最も小型化が進んだのはVTRではなかろうか。

 VTRが実用化されたのは1956年。米アンペックス社が回転4ヘッド、テープ幅2インチの「VR-1000」という機種を発表、米テレビ局CBS、NBCが導入した。価格は当時で3,000万円もした。1958年にはNHKをはじめ日本のテレビ局もこれを輸入し採用し始めた。こうした動きを受け、日本メーカー各社の間にVTR国産化の機運が高まった。ソニーも同年8月にはこのアンペックス方式のVTRの試作を開始。なんとわずか2ヵ月で最初の試作機を完成、12月には国産VTRの第1号として発表した。いかに「音の記録」の技術があるとはいえ、「映像の記録」は比べ物にならないほど難しい。まさに驚異的な早さであり、そこに技術陣の一気呵成の連携プレーがあったろうことは想像に難くない。

 この試作機は今からすれば巨大としか言いようのないほど大掛かりなものであった。この試作の目的は、まず自社の技術を少なくともアンペックス社の水準まで引き上げることにあった。その過程で蓄積されたVTRの技術をもとに、ソニーは独自のVTR開発に挑んでいった。
 試作機の完成を紹介した当時の社内報は、記事の最後をこう結んでいる。「全国のテレビ局に高級機が備え付けられるのはもちろん、ポータブルビデオレコーダーなどが格安な値段でつくられ、家庭で好きな番組がテープレコーダーと同様に録画、録音される日も近いと思う」。7年後の1965年、ソニーは世界初の家庭用オールトランジスタVTR「CV-2000」を198,000円という“格安”の値段で発売する。
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