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幻のトランジスタラジオキット
  • 幻のトランジスタラジオキット

  • これがトランジスタラジオキット。

  • 完成した「TR-2K」
 ソニーが日本初のトランジスタラジオ「TR-55」を発売したのは、1955年9月のことである。それからわずか1ヵ月後に発売されたのが、この幻のトランジスタラジオキット「TR-2K」。本邦初のトランジスタラジオキットであり、組み立てれば日本で2番目の、それもポケットにスッポリ収まる超小型のトランジスタラジオ「TR-2K」が完成する。
 大幅な小型化が見込めるトランジスタラジオの商品化では、ポケットに入るサイズの実現が技術者の悲願だった。しかし、1号機の「TR-55」は残念ながらポケットサイズとまではいかなかった。より小型にするためには、トランジスタだけ小さくてもだめで、スピーカー、コンデンサ、トランス…といった他の部品も小さくしなければならない。そこで思い切ってスピーカーを取り去り、イヤホン専用ラジオにしてしまうという大胆な作戦で、ある意味強引に小型を実現したのである。購入したお客さまがハンダごてを持って組み立てるということに加え、スピーカーで聴くための増幅がない分、廉価なトランジスタで済むため、価格も「TR-55」の19,900円に比べ5,700円とかなり安い。ところが、カタログには「4時間で組み立てられます」と謳ってはいるものの、電気回路に不慣れなお客さまからの問い合わせで、当時のサービス部門はてんてこ舞いだったらしい。そんな苦労も束の間、その2年後にはスピーカー付きで“ポケッタブル”という大ヒットモデル「TR-63」(13,800円)が登場する。
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