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創業者 井深の初夢、正夢となる
  • 創業者 井深の初夢、正夢となる

  • トランジスタテレビの製造ライン
  • 試作1号機(1959年4月)
    試作1号機(1959年4月)
  • TV8-301(1960年5月発売)
    TV8-301(1960年5月発売)
 1959年の年初、創業者(当時社長)の井深はある雑誌のインタビューに答えて、「正月の夢はトランジスタテレビ」と語った。日本初のトランジスタラジオを発売してから4年。次のターゲットはテレビというわけである。
 井深はそれを“夢”と言ったが、実はその裏で夢はもうカタチになろうとしていた。夢の実現に向けて着々と手は打っていたのである。前年の58年に、ラジオ用とは比べ物にならないほど難しいテレビ用の大出力シリコントランジスタが完成しており、すでにトランジスタテレビの開発は進みつつあったのだ。
 翌59年に入ると開発は一気に加速し、4月には試作1号機が完成、改良が重ねられ、デザインの検討も繰り返された。そして12月25日、井深の初夢は正夢となり、ついにソニーのテレビ第1号となる8インチのポータブルトランジスタテレビ「TV8-301」(直視型としては世界初)を発表、翌60年5月に発売され、ここにソニーのテレビビジネスがスタートするわけである。
 ところで、トランジスタテレビの開発中、米国のテレビメーカーの市場調査担当一行が来日した。その彼らに井深はこう聞いた。「小さいテレビは売れると思うか?」。彼らは口を揃えてこう答えた。「失敗するだろう」。この時のことを、のちに井深はこう振り返っている。
 「市場調査によって新製品を企画するのが米国の常識になっているが、モノを出すことによって初めて市場調査ができる。それ以来、私は『マーケット・クリエーションを伴うものが新しい製品だ。本当の新製品はマーケット・クリエーションがなければならないのだ』ということを強く考えるようになった」。
 はたして2年後の1962年、「TV8-301」よりさらに小さい「TV5-303」が米国で爆発的ヒットとなるのである。
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