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キミはなぜゆえ巨大化したのか…
  • キミはなぜゆえ巨大化したのか…

  • ソニー最大級のラジカセ“エナジー99”(写真中央)。幅594mm×高さ347mm×奥行き169mm(最大突起部含む、把手含まず)。当時のキャッチフレーズは「山だ、響く山だ、ついに山が来た」。左はソニー初のラジカセ「CFM-8120」、右は“ウォークマン”「WM-2」。3つの大きさはほぼ実際の比率。
 “ウォークマン”登場以前、音楽を「持ち歩く」といえばラジカセだった(ただし、手軽にというわけにはいかないが)。ラジカセとは、ラジオ付きカセットレコーダーのことである。FM放送の音楽などを手軽に録音できた。
 ソニーのラジカセ1号機は1970年に発売した「CFM-8120」(32,800円/重さ3.6kg)。翌71年にはステレオタイプのラジカセ「CF-2500」(45,800円/5.3kg)が登場。FMステレオ放送が録音・再生ができるようになった。76年にはステレオ機能フル装備の“最高級ジャンボステレオラジカセ”「CF-3800」(79,800円/7.9kg)が登場し、ステレオラジカセは徐々にオーディオ機器としての色合いを濃くしてゆく。
 しかし、このラジカセ、“ウォークマン”とはまったく正反対に、進化の一つの道としてジュラ紀から白亜紀にかけての恐竜のごとく、ひたすら“巨大化”していくのである。
 続く77年、“ポータブル・システムコンポ”というコンセプトを引っさげて登場したのが大ヒットシリーズ“ZILBA'P(ジルバップ)”(1号機「CF-6500」57,800円/7.0kg)である。16㎝ウーハー、5㎝ツィーターの2ウェイ方式で出力4W(2W+2W)。キャビネットをスピーカーボックスとして設計しているためグッと体格がよくなった。翌78年には、“ZILBA'P”をさらに進化させた“ステレオ・XYZ(ジィーゼット)”「CFS-686」(69,800円/7.8kg)が続く。
 このころからである、東京・原宿の歩行者天国に“竹の子族”が出現するのは。“竹の子族ファッション”に身を包み、“竹の子族ダンス”(音楽はディスコ系)を踊る彼らの必須アイテムといえば大音量のラジカセであった。パワーがモノをいう世界だ。そんなこんなで、各社のラジカセは巨大化、高音質化、大音量化へと突き進む。
 そして81年、ソニーがその“真打ち”として世に送り出したのが、“エナジー99”こと「CFS-99」(84,800円!/10.8kg!)である。20㎝ウーハー、5㎝ツィーター。ウーハーはさらに大口径になり、最大出力はなんと12W(6W+6W)。圧倒的スケールを誇った。
 一方、81年といえば大ヒットした2代目“ウォークマン”「WM-2」が発売された年。やがて時代は「小型化」を選択し、ステレオラジカセも多機能・重低音の“ドデカホーン”シリーズの時代を迎え、 “エナジー99”を頂点にその大型化現象は終息していく。そしてすでに30年が経つ。しかし、そのビッグでパワフルな彼らの姿は、オーディオ史に今も燦然と輝いている。

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