ソニーの新規事業創出プログラム「Sony Startup Acceleration Program」という仕組みは、ユニークなアイデアを商品化や新規事業開発につなげる、ソニーらしい仕掛けです。
八木 隆典
  • 所属:Startup Acceleration部 HUIS事業室
  • 専攻:電子物理科学科 基礎工学部
  • 入社:2013年

「こんなリモコンがほしい」という自分のアイデアを具現化

私が開発を進める「HUIS (ハウス) REMOTE CONTROLLER」(以下「HUIS」) は、複数の家電のリモコンをから必要なボタンをピックアップしてまとめられるリモコンです。最大の特長は、電子書籍端末に使われる電子ペーパーをベースにしたこと。コントロール画面を表示し続けていても電力消費がほぼなく、「いつでもすぐに使える」を実現。他リモコンからの登録も簡単で、カスタマイズも自由。「こんなリモコンがほしい」という自分のアイデアを具現化したものです。
そもそも私は学生時代、無線系分野を専攻していて、複数のデバイスをつなげることに興味がありました。ソニーの幅広い事業、多彩なデバイスの中で配属先にテレビ事業部を希望したのは、テレビが家の真ん中のリビングにあるデバイスの中心的存在で、そこを核にして新しい商品を発想してみたいと思ったからです。それが、リビングに居ながら複数の家電を1台のリモコンで操作する、「HUIS」の原型となるアイデアにつながっていきました。

経験や人脈に乏しい入社2年目の同期チームがプロジェクトを立ち上げられた訳

入社後はテレビの商品開発に携わりながら、終業後に気の合う同期たちと一緒に「HUIS」のアイデアを膨らませていきました。部門内のアイデアコンテストに応募したのは入社1年目の終わり、 2014年1月のことでした。とても注目を集めて高く評価されたので、ならば「次は商品化…」と考えたのですが、開発経験や社内人脈に乏しく、そこから先のステップを描けませんでした。壁にぶつかっているときに知ったのが、当時スタートしたばかりの新規事業創出プログラム「Sony Startup Acceleration Program」(以下「SSAP」) でした。
これは新規事業のアイデアを事業化につなげるためのプログラムで、オーディションに合格すれば、年齢や職歴を問わずプロジェクトリーダーとして事業化に挑戦していける仕組みです。仲間一同で「これだ!」と。そして2014年夏に行われた第1回目のオーディションに応募し通過。秋には現在の新規事業創出部に異動し、私がプロジェクトリーダーとなって開発チームを立ち上げました。
その後の開発フェーズで大きなステップとなったのは2015年7月、このSSAPの事業化をサポートするソニーのクラウドファンディングとEコマースのサービスを兼ね備えたサイト「First Flight」(ファースト・フライト) の初のクラウドファンディングとして試作品を発表したことです。この「First Flight」はお客様の声を直接聞ける仕組みを持ち、商品についてのニーズや、効率的なプロモーション、そして継続的な関係構築が図れるようになっています。お客様からいただいた "愛情溢れるフィードバック" は、その後の「HUIS」の改良に大いに役立っています。今はそれらの多様な "声" をヒントに、 "「HUIS」の次" の展開を構想しているところです。

事業部の枠組みを超えた事業開発に挑める場

現在、開発チームのメンバーは6名で、全員が同期入社。気心知れた仲なので、気兼ねなく真剣勝負でぶつかりあうことができて意思の疎通もスムーズです。経験や知識の足りないところは、新規事業創出部内の加速支援チームと呼ばれるサポート部隊と連携して解決していき、さらに他のプロジェクトのメンバーや他部門の先輩たちも技術的な相談に親身に応えてくれます。こういったユニークなアイデアの実現に向けてみんながアドバイスをくれるオープンな環境は、ソニーらしい文化だと感じています。
「SSAP」も「First Flight」も、自分なりのアイデアを持っていてそれを実現したい若手にとっては、非常に開かれた仕組み。所属となる新規事業創出部では、社長 兼 CEOの平井さんにプレゼンする機会もあり、アイデアに対する想いを経営トップに直接ぶつけてアドバイスをもらえるのでいい刺激になります。
こうした機会を与えられるプログラムや場を活かせば、既存の事業部の枠組みを超えて事業開発にも挑んでいける。ソニーらしいイノベーションに溢れた仕掛けだと実感しています。

HUIS REMOTE CONTROLLER

※ 内容は取材当時のものです。

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