これまでチャンスに変えてきた、数々の困難。FA制度で新たなチャンスをつかむ。 藤井 寛昭 ソニーコンピュータサイエンス研究所 ネットワークサービス 工学部 機械工学科

キャリアステップ 2003年 入社、フロントプロジェクターのハードウェア設計 2006年 リアプロジェクターの機構設計 2007年 液晶テレビの開発・設計 2008年 世界最薄9.9mm液晶テレビの開発・導入 2010年 「Monolithic Design」 液晶テレビの開発・導入 2012年 リーダー研修 2013年 Curved TVの開発・導入、キャリア研修でのインド滞在 2015年 世界最薄4.9mm液晶テレビの開発・導入 2016年 FA制度で株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所へ異動

逆境を乗り越え、周囲を巻き込む経験を積む

入社後4年間はプロジェクター部門でメカニカル設計を担当し、その後、液晶テレビ部門へ異動。そこで当時としては世界最薄の9.9mmのブラビアZX1シリーズの開発に携わったことが、私の最初の転機です。薄型液晶テレビの研究をしている先輩と、生意気にも技術者同士の信念をぶつけ合う日々が続きました。当初15mmの厚さを目指していましたが、私は「10mmを切りましょう」と提案。当時の液晶テレビで初めてとなるエッジライト技術を採用し、厚さを縮小することに成功しました。
その後のある日、ブラビアZX1シリーズのデザイナーが製作した別の試作モデルを見る機会がありました。1枚の板のように研ぎ澄まされた鏡面から映像が出る、その圧倒的なデザインに一目惚れし、「ぜひ開発したい」と立候補。しかし、商品化には、液晶パネルとガラスを樹脂で高精度に貼り合わせる技術が必要で、当時は液晶テレビのように大きなサイズでは実現不可能と言われていました。反対の声が上がる中、私は諦めませんでした。上司の応援もあって、試行錯誤しながら数ある技術課題を突破。そうして商品化に漕ぎ着けたのが、長く愛されることになった「Monolithic Design」と呼ばれるデザインコンセプトの液晶テレビシリーズです。薄型化や不可能と言われたデザインに挑みやり遂げた経験は、私に大きな自信をもたらしました。

仲間と出会い、自身の成長を加速させた二つのキャリア研修

液晶テレビ部門在籍時に受講した二つのキャリア研修もまた、自分の成長を大きく加速させました。
一つはソニーのあらゆる部門から人材が集いビジネス提言を行うリーダー研修。専門領域やバックボーンの異なるさまざまな個性の仲間たちと出会えたことで、社内外のネットワークが大きく広がりました。二つ目はインドのビジネス大学院での10日間の研修。ここでは海外でのネットワークが大きく広がるとともに、インドには私が昔開発したテレビや、ブラウン管のテレビを観ている人もいるなど、現地の暮らしぶりを肌で感じ、新興国ビジネスをどう展開してくべきかを考える良い契機にもなりました。
2015年、液晶テレビのモデル群の全体コンセプトを考える役割を担った際は、新興国でのビジネスを広げるためのモデルを加えるなど、インドでの知見を活かしながらバランスの良いラインアップを目指しました。このプロセスを経て、機種リーダーとして任されたモデルが、世界最薄の4.9mmの液晶テレビ。設計から製造まで一貫して責任を持ち、製造やトラブル対処など全世界の工場を飛び回ったことで、エンジニアとしての守備範囲は飛躍的に広がったと思います。

「FA制度」で全く新しいチャンスをつかむ

ソニーの幅広い事業や商品群にも魅力を感じていた私は、開発に励む一方で、新しいキャリアに挑戦してみたいとも考えていました。
そんな中、機種リーダーを努めたプロジェクトが一段落した頃に声をかけられたのが、社内フリーエージェント(FA)制度。2015年に新設されたこの制度では、プロ野球のFAのように条件に当てはまる社員に異動の権利が与えられ、その第1弾のメンバーとして私も選ばれたのです。チャンスを逃すまいと、迷わずFA権を獲得し“宣言”すると、私のキャリアに興味を持った複数の部署から面談を申し込まれました。
話を聞く中で選んだのが、現在のソニーコンピュータサイエンス研究所。「世の中を変える」という研究所トップの姿勢が心に刺さりました。また、ネットワークの技術をハードウェアと組み合わせ、サービスを開発するという、現部署としては初挑戦のプロジェクトにも魅力を感じました。
現在は社員3名でこのプロジェクトを推進しています。メカニカルのエンジニアは私一人で、ハードウェアの開発を一任されています。大規模な組織だったテレビ部門とは異なり、極めて少人数の組織。これまで築いてきた社内外の人的ネットワークを駆使し、「人と人を繋いで、新しいものを生み出していく」という自分の強みを活かして、プロジェクトを動かしています。実用化すれば、社会に大きなインパクトを与える刺激的なプロダクト・サービスなだけに困難な挑戦ですが、そうでなければFA権を獲得までして挑戦する意味がありません。
これまで周囲を巻き込みながら、幾度もチャンスを掴んできました。これからもその度に手を挙げ、挑戦し続けていきたいですね。

その他

※ 所属は取材当時のものです。

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