未来のコンセプトを、独自の要素技術で創り出す。 それはマルチなキャリアを築いたからこそできる挑戦。 岡本 直也 R&Dプラットフォーム システム研究開発本部 応用技術開発部門 ソリューション開発1部 統括部長 工学部 応用物理学科

キャリアステップ 1995年 カムコーダーソフトウェア開発の部署でヒューマンインターフェイス/アプリケーション開発 1999年 ソニー初のデジタル放送対応TVのアプリケーションアーキテクチャを設計 2002年 コンシューマー・エレクトロニクス機器向けアプリケーションプラットフォーム研究開発リーダーとしてJavaアプリケーションフレームワークを開発 2004年 ロンドンの Royal College of Artに留学、プロダクトデザインを学ぶ 2007年 TV向けアプリ開発リーダーとしてネットアプリ配信システムを開発しサービスを立ち上げる 2010年 TV/ビデオ/ホームオーディオ機器のUI設計マネジメント 2012年 次世代商品コンセプト/UXの研究開発マネジメント 2014年 次世代商品の研究開発マネジメント 2016年 複数のコンセプトプロトタイプを開発、Future Lab Programを立ち上げる

未来をユーザーと共創する「Future Lab Program」を率いる

私は今、プロトタイピングの手法をもって、未来のライフスタイルや価値をユーザーと共創していくプロジェクトを率いています。2016年に立ち上げた「Future Lab Program」です。これは開発中のプロトタイプの一部をユーザーに公開し、フィードバックを受けながら進化させていこうというもの。ハンズフリーで音楽や音声情報を楽しめる “N”など、すでにいくつものプロジェクトが走り出しています。
こうした次世代プロダクトを生み出すには、マルチな発想・スキルが必要になります。ソフト開発、プログラミング、デザイン、アプリケーション開発、サービスなど、幅広くいろいろな引き出しを持った人が一人で何役もこなしていく、そんなエンジニアが活躍できるチームです。
私自身、自らのキャリアステップで得た経験を活かしてきた結果、現在に至ります。振り返るとそこにはいくつもの挑戦があり、ターニングポイントがあり、上司や先輩との出会いがありました。

ソフトウェア設計、プロジェクト運営、研究開発を次々に経験

入社後最初に携わったのは、ハンディカムに搭載するヒューマンインターフェイスのソフトウェア開発です。カムコーダーの精緻なメカニズムを制御する組込ソフトウェアに接し、ソフトウェア開発の真髄に触れることで芽生えたのは「次はソニーの中で一番大規模なソフトウェア開発に携わりたい」という思い。熱意を上司に見込まれ、ソニー初となるデジタル対応TV開発プロジェクトのアプリケーション設計を任せられました。リーダーとしてソフトウェアの全体設計を担い、チームワークをとりながらプロジェクトを動かす方法を学べたのは大きな収穫でした。
入社5年目には、研究開発部門への異動を経験しました。以降、私は何度か商品設計と研究開発という二つの異なる部門を行き来していくことになります。商品設計には明確な設計目標があり、そこに向かって技術で要求に応えていく。研究開発は、何を目標にするのか自分で定義する、言い換えれば、何に挑戦すべきか、その“意義”を自ら設定する。両者では頭の使い方が違うのです。こうした経験を繰り返したことで、私のエンジニアとしての引き出しは広がっていきました。

エンジニアが“デザイン”で留学すると何が起きる?

その頃、将来をどうしていくか思案するために「ソニーユニバーシティ」という人材育成プログラムにも参加しました。そこで出会った先輩から留学をアドバイスされ、次第に興味が膨らみ公募留学に手を上げました。ところが、公募留学の選考途中で出された条件は「ソニーのエンジニアが誰も行ったことがないところ」。行き着いたのがロンドンの芸術大学、Royal College of Artでした。私の専門はソフトウェアですが、もともとデザインに非常に興味があったんですね。
1年間のイギリス留学で学んだのは、コンセプト、アイデアをどう生み出すか、そしてどうカタチにするのかということ。その特訓に明け暮れる日々で学んだのは、デザインには目的があり、それを具体的に解決するためのソリューションだという概念です。技術とデザイン。ソニーの大切な二つの領域に自分の視点を持つという、転機となりました。
もう一つ、デザインを学んで気付いたのが、エレクトロニクスの可能性です。例えば椅子という長いデザインの歴史を持つプロダクトですら、いまだに新しいデザインが生み出され、価値の追求がなされています。だから当時の「エレクトロニクスはコモディティ化し差異化が難しい」との声に、日本に戻った私は「まだまだやれる、むしろ可能性がある」と。そして、ソニーのコア商品であるTVにインターネットを介してアプリケーションを配信するサービスを、他社に先駆けて立ち上げました。驚いたのは、インターネット上で瞬時に反応が返ってきたこと。SNSなど開かれた世界の可能性に気づき、自分の考え方が大きく変わりました。いまの「Future Lab Program」の根幹には、この発想・経験が活かされています。

「Future Lab Program」を支えるエンジニアのキャリアとは

ソニーのコンセプトプロトタイピング開発で、核になるのはソニー独自の先進的な要素技術です。アイデアだけでは差異化は難しく、いかに独自の技術を組み合わせ、新しいコンセプトを具現化していくかが重要になります。一方、このプロジェクトの面白さは、ユーザーと共創しながらスピード感を持ってプロトタイプを進化させることにもあります。要素技術を突き詰める一流のエンジニアや、自分のようにマルチなバックグラウンドを持つエンジニア、その両方がいるから未来のコンセプト開発に挑める。そしてどちらのキャリアも選べるのがソニーの良いところだと思います。
キャリアステップを考える時、私がポリシーとしているのは、自分から新しいものに向かっていくこと。そして上司や先輩から「次はこのチャレンジを」と言われたら、その言葉を信じて飛び込んでみること。なぜなら、自分が何に向いていて何ができるのかは、意外に自分では気づいてはいないかもしれないから。
ソニーは事業領域の広い会社です。もちろん自身が描くキャリアイメージはありますが、成長のチャンスがとても多いのに、自分の思い込みだけでそのチャンスを狭めてしまうのはもったいないですね。自らのキャリアをどう描くのか、ソニーではいろんな可能性の中であなた自身がデザインできるのです。私がそうだったように。

※ 所属は取材当時のものです。

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