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研究者として貫いてきた信念のもと、私たちが「世界を驚かせる未来」を実現する。 芦ヶ原 隆之 R&Dプラットフォーム システム研究開発本部 要素技術開発部門 ビジョンシステム技術開発部 統括部長 応用物理専攻

キャリアステップ 1990年 入社、生産技術部門にて画像計測・認識の技術開発に従事 1994年 米国カーネギーメロン大学訪問研究員 1996年 本社R&Dにて3Dレーザレンジファインダ、ステレオビジョンに関わる技術開発 2001年 二足歩行ロボットSDRおよびQRIOの視覚システム開発 2008年 AR応用プロジェクト立ち上げ。3年後に統合型拡張現実感技術 “SmartAR”を発表 2011年 Deep Learningの研究開発立ち上げ等、機械学習関連テーマを牽引 2013年 R&Dマネジメントとして画像認識や機械学習技術のコア技術の研究開発を担当

自分の専門領域を深めるために、入社時からイメージしていたキャリアプラン

私が学生時代から専門分野として携わっている「コンピュータビジョン」とは、人が目で視るように、コンピュータがカメラを利用して実世界を理解できるようにする技術。知能化したビジョンセンサーが人々の生活に溶け込み、サポートする世界を目指しています。そんな世界を具現化したいと考えていた私ですが、入社して最初に配属されたのは、全社的な生産技術を開発する部門。実は自ら希望しての配属でした。当時、大胆な小型化を実現した「ハンディカム」などソニーの製造技術が脚光を浴びており、私はソニーでの第一歩を“基本を学ぶこと”から始めたいと考えたのです。生産技術部門には約6年間在籍し、当時人の手も介していた製品検査を、画像処理・認識技術を駆使して自動化するなどの仕事を手掛けました。この最初のキャリアで、ソニーのものづくりに対する心構え、たとえ僅かでもコストを削減しようとする現場の感覚を体得できたことは貴重でした。その後の研究開発に取り組む姿勢にも、大きな影響を及ぼしています。
生産技術部門に在籍中の入社4年目には、米国カーネギーメロン大学に訪問研究員として公募留学。これも入社時から考えていたキャリアプランで、1年半にわたって画像センシングに関わる基礎的な研究に取り組みました。この研究は将来の研究開発に応用できるという手応えがあり、現在も礎となっています。また、この大学には世界中から優秀な人材が集まっていました。そんな人材と議論を積み重ねる中で得た視野・人脈の広がりは、研究者として得難い財産となっています。

チャレンジングな研究開発に挑み、成果を出す

米国留学から戻った後、生産技術部門や留学で磨いてきた画像センシング技術を、研究開発部門から全社的に展開する役割を担いました。以来、現在まで一貫して研究開発部門に所属。さまざまな研究開発に取り組んできましたが、中でも没頭したテーマの一つが、2001年から取り組んだ二足歩行ロボット「QRIO」(キュリオ)の視覚システムです。いわゆる人の視覚の役割を、ステレオカメラを使って実現するもの。複雑なアルゴリズムと大型のデバイスを、コンパクト化してロボットの頭部に搭載しようというチャレンジングな開発です。私はアルゴリズムやハードウエアなどの開発を担当するとともに、プロジェクトリーダーを務めました。また、2007年には自動車メーカーとパートナーシップを組み、複数のカメラを使って自動車の上方から俯瞰した映像を表示するシステム開発に取り組みました。私は画像処理アルゴリズムを担当しましたが、これも印象深い仕事でした。
こうしたキャリアの中で、私が貫いてきたこと、それはつねに正直に技術と向き合い、オリジナリティにこだわる姿勢です。研究開発部門内での組織変更など取り巻く環境はさまざまに変わりましたが、この信念がブレなかったからこそ現在の自分があると感じています。そして一徹なマインドを受け止め、評価してくれる土壌こそがソニーの素晴らしさなのだと思います。

「コンピュータビジョン」の未来は私たちがリードする

マネジメントの比重が増えてきたのは、課長になった30代後半の頃から。第一線へのこだわりもあったのですが、研究開発のマネジメントにはまた違う醍醐味があることに気づき、新しいミッションに力を注ぐようになりました。その醍醐味とは、自分の目で“筋のよい技術”を見極め、世の中に先行してプロジェクト化して動かしていけること。その“目利き”には、研究者として極めてきた、コアの技術領域でのブレークスルーの経験が求められます。私自身、たとえば2008年にAR(拡張現実感)、2011年にはDeep Learningの研究プロジェクトを立ち上げています。どちらも現在は脚光を浴びる先進技術ですが、当時その可能性に着目する研究者は数少なかったのです。
現在は関わる領域も広がり、統括部長として画像認識や機械学習に関わる要素技術の開発部隊を率いています。私が専門としてきた「コンピュータビジョン」も大きく進化し、人の仕事に替わるエージェントや自動運転など、SFで語られていた世界が現実のものになろうとしています。ソニーは、この「コンピュータビジョン」の核となる「イメージセンサー」、「ビジョンアルゴリズム」、「ビジョンプロセッサ」の3つの技術領域を密に連携させられる、世界でも数少ない企業のひとつ。私は学生時代から専門分野として携わってきたこの領域で、研究者としてのキャリアイメージをつねに持ちながら歩んできました。そして自分が夢見ていた世界が目前に広がりつつあります。「私たちがこの領域をリードしなくて誰がやるのか」という気概を持って更なる新しい技術を発掘・創出し、「さすがはソニー」と世界を驚かせる。それが研究者としての私の夢なのです。

ソフトウェア・信号/情報処理

※ 所属は取材当時のものです。

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