- 仕事内容
- ソフトウェア・信号/情報処理/研究開発
- 研究科・専攻
- 理工学研究科・電子システム専攻
2011年入社
ソニー株式会社 R&Dセンター
Tokyo Laboratory 09
クリエイターの伝えたい気持ちの具現化を加速するボリュメトリックの開発に没頭
現在の仕事内容
撮影した映像を自由な視点から視聴できる自由視点映像技術は、映像コンテンツを制作する現場で活用され始めています。この中でも、複数台のカメラで被写体を取り囲むようにして配置、撮影することで3Dモデルを生成する、ボリュメトリックキャプチャ技術は、アーティストのコンサートでの映像演出として使われるなど、プロフェッショナルのお客さまの「伝えたい」という想いの具現化に貢献しています。
私は、このボリュメトリックキャプチャ技術のソフトウェア開発を担当しました。実際に撮影された映像から、本来カメラが無い視点(仮想視点)の映像を、撮影された3Dモデルから生成することが一番の特徴になります。仮想視点を作るためには、複数台のカメラキャリブレーション、被写体の3Dモデル生成、3Dモデルへの色付け(テクスチャマッピング)、カメラワークの生成が必要です。この一連のソフトウェア実装や画質評価をしながら、クリエイターが求めるレベルの映像体験を追求していきます。

仕事にかける情熱~クオリティを極めた先にもっと違う、新しい価値が見つかるやりがい
自由視点映像の開発当初は、「自由な視点で映像を見ることに価値があるか」「どうやって見るのが最適なのか」など、基本的な価値を検証することから始めました。まずディスプレイ、次にVR、そしてスマートフォンのようなモバイル端末と、複数の端末を準備し、周囲にデモを行ってフィードバックを集めました。
当初はポジティブな反応をいただくこともあれば、「クオリティがいまいち」、「リアルタイムにインタラクションを取りたい」といったようなネガティブな感想をいただくこともありました。そうしたコミュニケーションを通じて、自由視点自体には価値があるがクオリティを極めた先にもっと違う価値があるかもしれないと思い、可能性を信じて日々改善活動を行っていました。
今では当初の4倍以上のカメラ台数を導入し、さらに解像度も4Kへと進化することで、被写体の”リアルな雰囲気”を再現できるようになってきました。また被写体が動ける範囲・人数も開発当初から比較すると大きく改善されました。しかし、カメラ台数が増えれば増えるほど、システムエラーやカメラキャリブレーションエラーの問題切り分けが非常に困難になります。処理量も増え、データサイズも莫大になり、コンテンツをハンドリングする難度も高まりました。
自由視点映像は、一つ改善すればまた一つ課題が出てくる、非常に奥深い世界です。こうした課題に対して着実に開発を進めていたことで、「ライブで使いたい」とのお声がけをアーティストの方からいただくなど、多くのチャンスにつながったと感じています。
なぜソニーに?
単純に、「ソニーへの憧れ」や「ソニーが好き」という思いがありました。幼いころからさまざまなソニー製品に囲まれて育ち、いつか自分もそういった商品の開発に携わりたいという想いを持っていました。学部生時代にソニーLSIデザインのインターンシップに参加し、エンジニアの皆さんとお話したのですが、「やはりソニーはイメージ通りの会社。ピュアな気持ちを忘れていない大人たちがたくさんいる」といった印象を受けたのを覚えています。私もそんな集団の一員になりたいと思ったのが入社を決めた理由です。
入社後もその印象は変わらず、技術に誠実に向き合うオープンマインドなエンジニアがソニーにはたくさんいます。新しい事への挑戦を全力でサポートをしてくれる風土が備わっていると感じています。

